リップス(373A)LIPPSブランドでメンズビューティーのスタンダードブランドを目指す

2025/07/02

メンズコスメの企画・販売とメンズヘアサロンのフランチャイズ運営を展開
LIPPSブランドでメンズビューティーのスタンダードブランドを目指す

業種:化学
アナリスト:鎌田良彦

◆ メンズコスメの企画・販売とヘアサロンのフランチャイズ運営を展開
リップス(以下、同社)は、Z世代注1等の若年層向けを中心とした、LIPPS(リップス)ブランドのメンズコスメの企画・販売を行う商品事業と、メンズヘアサロンLIPPS hair(リップスヘアー)のフランチャイズ運営を行うサロンフランチャイズ事業の2事業を展開している。

セグメント情報を見ると、24/8期の売上高構成比は、商品事業が88.0%、ロンフランチャイズ事業が12.0%であった。売上高セグメント利益率は、商品事業の18.4%に対し、ロイヤリティ収入が中心のサロンフランチャイズ事業は24.6%であった。営業利益構成比では、商品事業が84.6%、サロンフランチャイズ事業が15.4%であり、売上高、営業利益とも商品事業が全社の80%以上を占めた(図表1)。

◆ 商品事業
商品事業では、同社はメンズコスメの企画と販売を行い、生産はOEMメーカーに委託している。主力商品は、整髪剤のヘアワックスで売上高の5割強を占める。これに、ヘアオイル、ヘアスプレイ等を加えたスタイリング剤で売上高の8割強を占める。残りはシャンプーやトリートメントといったヘアケア商品やLIPPS BOYブランドのスキンケア・メイクアップ商品である。

顧客は、Z世代等の美容感度の高い若年層が多い。価格は、同社の楽天市場の公式ショップでの容量85gのヘアワックスの販売価格が税込で1,650円となっており、価格帯としては中高価格帯となっている。

主要なOEMメーカーとしては、同社のヘアワックス10商品のうち9商品の製造を行っているエフシー中央薬理研究所(静岡県藤枝市)がある。

24/8期の販売チャネル別売上高は、卸経由でドラッグストアを中心に約15,000店の小売店舗で販売する卸小売が66.3%、Amazonや楽天市場等のEC販売が29.0%、ヘアサロンでの販売が4.7%であった(図表2)。

◆ サロンフランチャイズ事業
サロンフランチャイズ事業では、同社はフランチャイザーとして、メンズヘアサロンLIPPS hairに対する経営指導、店舗運営支援、美容師への技術指導等を行い、対価としてロイヤリティ収入等を得ている。

25年4月末時点で、LIPPS hairは関東を中心に28店舗を展開し、スタイリスト161名を擁して年間約40万回のカットを行っている。

同社のサロンフランチャイズ事業は、第三者の加盟店を募集するのではなく、LIPPS hairに所属しているスタイリスト個人やスタイリストが設立した法人とフランチャイズ契約を結び、のれん分けの形で店舗展開を行ってきた。

LIPPS hair所属のスタイリストが、LIPPS以外の屋号で独立する場合の支援サービスも行っており、25年4月末の対象件数は34件となっている。

◆ 主要販売先
主要販売先の大山(東京都中央区)は、同社の商品事業の商品を小売店向けに販売する化粧品卸会社である。アマゾンジャパン(東京都目黒区)はEC販売の最大販売先である。リップスヘアー(東京都渋谷区)は、LIPPShairを展開する同社のフランチャイジーの最大手企業で、売上高には商品事業の売上高とサロンフランチャイズ事業のロイヤリティの双方が含まれる(図表3)。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
ホリスティック企業レポート   一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。

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