日水コン(261A)人口減少、財政制約下での水関連施設の更新需要増加に官民連携で取り組む
上下水道を中心とした水関連事業に特化した建設コンサルティング会社
人口減少、財政制約下での水関連施設の更新需要増加に官民連携で取り組む
業種:サービス業
アナリスト:鎌田良彦
◆ 上下水道を中心に水関連事業に特化した建設コンサルティング会社
日水コン(以下、同社)グループは、同社と子会社4社(うち連結子会社3社)、持分法適用関連会社2社からなり、上下水道を中心とした水に関連する事業に特化した建設コンサルティング会社である。
浄水場や下水処理場等の上下水道施設の建設や維持管理に関する調査・計画・設計・工事監理や、ダムや取水施設等による河川、湖沼等の治水、利水、環境保全に関する調査・計画・設計等を行っている。
海外では国際協力機構(JICA)や円借款を通じ、東南アジア、インド、アフリカ等の政府機関等から案件を受注している。海外売上高は年によって変動があるが、売上高の5~10%となっている模様である。
子会社の砂防エンジニアリングは、土砂災害防止のための砂防ダムの調査・計画・設計等を行っている。イオは、浄水場や下水処理場に加え民間の工場等の水質検査を行っている。PT. DACREA Design And Engineering Consultantsはインドネシアで一般工事も含めた工事監理を行っている。
持分法適用関連会社の瀾寧管道(上海)有限公司は、中国で下水道を中心に、既設の管路を補修・補強する更生材の開発・製造・販売を行っている。ONE・AQITA(ワン・アキタ)は、秋田県内の全ての自治体と、民間企業の出資により設立され、生活排水処理事業の計画策定支援、事業運営支援等を行っている。
同社は建設コンサルティング事業の単一セグメントであるが、上水道、下水道、河川その他に分けて売上高を開示している。23/12期の売上高構成比は、上水道が35.7%、下水道が49.9%、河川その他が14.4%であった(図表1)。顧客は、上下水道施設等の建設・運営を行う地方公共団体が多く、23/12期の官公庁向けの売上高比率は94.3%であった。
主要販売先の日本下水道事業団は、地方公共団体の出資による地方共同法人であり、地方公共団体の委託により下水の終末処理場の建設等を行っている(図表2)。同社の売上高では官公庁に分類されている。