ブロードマインド<7343> コンサルタントチームの拡充が業績拡大の鍵を握る

2022/10/17

世帯年収300~2,000万円の所得層向けに包括的な金融サービスを提供
コンサルタントチームの拡充が業績拡大の鍵を握る

業種: 保険業
アナリスト: 藤野敬太

1.会社概要
・ブロードマインド(以下、同社)は、主に20歳代~40歳代の世帯年収300万円以上2,000万円未満の一般の所得層向けに、生命保険中心に金融コンサルティングサービスを提供している。

2.財務面の分析
・18/3期まで緩やかに業績は拡大したが、19/3期は生命保険の税制改正前の駆け込み需要や保険会社の手数料体系の変更で大幅増収増益となった。20/3期以降は、新型コロナウイルス禍の影響下でも主力の生命保険代理業は緩やかに拡大したが、不動産販売の多寡で業績変動幅が大きくなった。
・同業他社との財務指標の比較において、サービスや事業展開の考え方が同社と最も近い企業と比較すると、売上高営業利益率は同社の方が高いものの、資産を効率的に使っているかを示す総資産経常利益率は同社の方が低かった。

3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、一般の所得層を主な顧客対象としても利益が出る各種仕組みの起点となるコンサルタントチーム(組織資本)である。仕組みを回すノウハウの蓄積でコンサルタントの成功体験と顧客が増え、コンサルタントの質の向上と増員につながる好循環を描くことになった。

4.経営戦略の分析
・対処すべき課題は、サービスの認知度向上、人材の確保及び育成、生産性改善や新領域展開に向けたサービスのデジタル化である。
・同社は、23/3期~25/3期の3カ年の中期経営計画を策定しており、サービスのデジタル化を通じた、主力事業であるフィナンシャルパートナー事業の持続的拡大と新領域への展開を成長戦略として打ち出している。

5.アナリストの評価
・証券リサーチセンターでは、一般の所得層という大きな顧客セグメントへのサービス提供に向け、最終顧客と直接の接点を持つコンサルタントを起点に築かれてきた仕組みを評価している。一方、同社が目指す包括的な金融サービスの提供という観点では、まだ生命保険代理業への依存度は高い。中長期的には、売上高の拡大と生命保険代理業の売上構成比の低下が同時に進行するかどうかに着目している。

一般社団法人 証券リサーチセンター
ホリスティック企業レポート   一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。

このページのトップへ