インターファクトリー<4057> 22年5月期の減益を我慢しつつ、中長期戦略に関連する新規事業の動向に注目
中・大規模EC事業者向けにクラウド特化のECサイト構築プラットフォームを提供
22年5月期の減益を我慢しつつ、中長期戦略に関連する新規事業の動向に注目
業種: 情報・通信業
アナリスト:藤野敬太
1.会社概要
・インターファクトリー(以下、同社)は、中・大規模EC事業者向けにクラウド特化のECサイト構築プラットフォーム「ebisumart」を提供している。
2.財務面の分析
・15/5期以降、レベニューシェアの増加をベースに、21/5期まで年平均23.3%のペースで連続増収となった。大型案件導入時の開発費用の増加で16/5期だけは経常減益となったが、開発体制が強化された17/5期以降は増益を続け、15/5期以降の年平均増益率は70.2%となった。
・財務指標では、ECサイト構築関連のサービスを展開する上場企業より顕著に優位性があるものはない。売上規模がまだ小さく、開発コストを相対的に多くかけていることがひとつの要因と考えられるが、今後、規模拡大による利益率上昇の余地があるとも言えよう。
3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、経営を牽引する創業者(人的資本)である。創業者の意思決定で、他社に先駆けてクラウドサービスに転換し、顧客の利用実績とノウハウの蓄積が進んだ。蓄積したノウハウをもとに機能拡充を続け、顧客満足度向上から顧客増加につながるという好循環を描くことになった。
4.経営戦略の分析
・対処すべき課題として、「ebisumart」のサービスの更なる充実、案件の大型化への対応、営業力の強化と知名度向上が挙げられる。
・当面は、既存の中・大規模事業者向けクラウドEC市場のトップランナーとして、新規顧客獲得を中心とした成長を続けていく。中長期的には、オープンプラットフォーム化、EC市場でのデファクトスタンダード化を目指していくとしている。
5.アナリストの評価
・証券リサーチセンターでは、クラウド化と中・大規模EC向けへのシフトにより、業界内での競争優位性のあるポジションを獲得したことを評価している。先般、新規事業として小・中規模EC向けサービスを開始する開示があった。中長期の戦略に関係する施策のためその動向に注目したい。