リバーホールディングス<5690> M&Aを通じて強化してきたグループ力を収益力向上につなげられるかに注目

2020/04/02

関東を基盤に金属中心のリサイクル事業を展開
M&Aを通じて強化してきたグループ力を収益力向上につなげられるかに注目

業種: 鉄鋼
アナリスト: 藤野 敬太

◆ 関東地方で資源リサイクル事業を展開
リバーホールディングス(以下、同社)は、主に関東地方で資源リサイクル事業を行っている。連結子会社のひとつの鈴徳が同社の前身だが、2000年前後に施行された個別リサイクル法制定に伴う業界の変化に対応するために積極的にM&Aを展開し、事業規模を拡大してきた。鈴徳は07年に株式移転により持株会社である同社を設立し、その子会社となった。

同社の事業は、資源リサイクル事業の単一セグメントだが、金属リサイクル事業、自動車リサイクル事業、産業廃棄物処理事業、家電リサイクル事業、その他事業の5つに区分される。しかし、事業別に売上高を分けきれない部分があるため、売上高の区分は、主に金属リサイクル事業と自動車リサイクル事業で発生する「一般売上」、産業廃棄物処理事業と家電リサイクル事業で発生する「処理売上」、主に手数料収入からなる「その他売上」の3つの売上区分に分類される(図表1)。一般売上の売上構成比が8割を超えるが、処理売上の売上構成比の上昇が続いている。

◆ 連結子会社8社と合弁会社2社を傘下に持つ
同社自体はグループ全体を管理する持株会社であり、傘下には8社の連結子会社と2社の関連会社を持つ。M&Aで増やしてきた連結子会社は、運送を行うイツモ以外は、資源リサイクル事業を行っている。それぞれ特徴や得意分野の違いはあるものの、合併すると各種許認可の取り直しが必要となるため、並存して事業を展開している。

また、大栄環境ホールディングス(兵庫県神戸市)との共同出資会社で廃棄物ソリューションの支援等を行うメジャーヴィーナス・ジャパン、日高ホールディングス(タイ)との合弁会社でASEAN地域にて共同事業を行うHIDAKA SUZUTOKU (Thailand) Co.,Ltd.の2社の関連会社がある。

◆ 金属リサイクル事業と自動車リサイクル事業
金属リサイクル事業では金属スクラップを、自動車リサイクル事業では使用済自動車をそれぞれ発生元から受け入れ、解体・処理し、再資源化できたものを販売している。発生元からの受け入れは仕入であるため、原価が発生し、再資源化されて販売したものが一般売上として計上される。金属リサイクル事業と自動車リサイクル事業の売上は一般売上のみである。

金属リサイクル事業では電炉メーカーや商社が販売先となる。自動車リサイクル事業では、回収された部品類は自動車修理工場や輸出事業者等に販売され、ボディ(カープレス)は金属リサイクル事業の工場に回される。また、金属リサイクル事業において発生する再資源化できないダストは破砕残さ処分場(最終処分場)に送り、処理費を払って処理してもらう。

金属リサイクル事業はイツモ以外のすべての連結子会社が、自動車リサイクル事業はメタルリサイクルが行っている。

◆ 処理売上が発生する産業廃棄物処理事業と家電リサイクル事業
産業廃棄物処理事業と家電リサイクル事業では、処理売上が発生する。両事業では、処理対象となるものを受け入れる際に、発生元から処理料を受け取る。この処理料が処理売上となる。

受け入れた処理対象物は、同社の施設で適切に処理を行うが、産業廃棄物処理事業では、金属リサイクル事業と同様、再資源化したものを販売して一般売上を得るとともに、ダストは処理費を支払って最終処分場で処理してもらう。

金属リサイクル事業や自動車リサイクル事業とは異なり、処理対象物を受け入れる際に原価が発生せず、むしろ処理料が得られることから、産業廃棄物処理事業と家電リサイクル事業の方が利益率は高い。

産業廃棄物処理事業はイツモ以外のすべての連結子会社が、家電リサイクル事業は中田屋、サニーメタル、フェニックスメタル、NNYの4社で行っている。

◆ その他事業
その他事業には、小型家電リサイクル事業とエコソリューション事業が含まれる。

小型家電リサイクル事業では、市区町村や市民から受け入れた使用済みのPCや携帯電話を処理し、レアメタル等の有用資源を回収している。

エコソリューション事業では、産業廃棄物の適正なリサイクルに関する仲介サービスである。全国のリサイクル処理業者が参加するマリソルネットワークを活用し、顧客企業にとって最適な処理業者を紹介している。

◆ 関東中心に展開する拠点のネットワーク化による処理効率向上
同社は関東を中心に、合弁会社のメジャーヴィーナス・ジャパンのものを含めると、21カ所の拠点を展開している(本社や管理部門のみの拠点を除く)。このうち、鉄スクラップを一定の長さに切りそろえるギロチンシャーを有する拠点が14拠点、各種産業廃棄物を細かく破砕するシュレッダーを有する拠点が9拠点、対象物を圧縮して箱型に成形・減容するプレスを有する拠点が9拠点ある。これらの拠点はネットワーク化されており、受け入れる物によって、どの拠点で処理をするかを同社が調整することで、全体としての効率性向上を進めている。

◆ 市況価格が売上高と原価に大きく影響を与える構造
一般売上の多くが再資源化された金属であるため、販売価格も仕入価格も資源価格や金属製品価格といった市況の影響を受ける。代表的なのは鉄スクラップである(図表3)。同社の売上高は鉄スクラップの販売価格の動向 に大きく左右される。なお、仕入価格も同様に市況の影響を受け、かつ製品 及び原材料の回転期間(製品及び原材料÷(売上原価÷12 カ月))は18/6 期が0.18 カ月、19/6 期が0.13 カ月と非常に短いことから、販売価格と仕入 価格の差であるスプレッドは短期的には大きく変動しないと考えられる。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
ホリスティック企業レポート   一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。