テクノフレックス<3449> 製品と顧客の多様化を図り環境変化に強い事業構造を目指す

2019/12/13

管継手を中心に管継手の活用や関連技術の応用分野で事業を行う
製品と顧客の多様化を図り環境変化に強い事業構造を目指す

業種: 金属製品
アナリスト: 髙木 伸行

◆ 管継手及びその応用分野で事業を展開
テクノフレックス(以下、同社)グループは、金属加工技術を活用して管継手という配管同士の接続部分を製造する管継手事業を中心に、管継手の活用や、その関連技術の応用分野において管継手関連事業、金属塑性(そせい)加工事業、介護事業などを行っている(図表1)。この他、工場跡地を大手小売業者へ賃貸しており、賃貸収入を得ている。

同社の設立は01年10月だが、同社の前身である東京フレックス工業は1977年8月に設立されており、40年を超える業歴を持つ。同社グループは、同社、連結子会社9社及び関連会社1社より構成されており、同社グループの事業内容と主な関係会社の事業分担は図表2のとおりである。

◆ 管継手事業
管継手事業として、ホース状に曲げて使用する「フレキシブル継手」、クリーンな配管にするための真空配管などに使用する「真空機器」、提灯の様に伸縮する「伸縮管継手」を製造・販売している。

フレキシブル継手や伸縮管継手は継手自身が動くことから、配管などの屈曲運動や振動などを吸収することが可能である。このため、様々な負荷から機器本体と配管を守るために使用され、地震などの際に大きく歪曲しても接続部分からの流体の漏洩を防ぐことができる。本体素材はステンレス鋼で出来ており、ゴム製品やその他の樹脂製品と比較して高温度性能及び高耐圧性能に優れており、耐震措置、熱膨張変位の吸収、振動吸収が可能である。

フレキシブル継手は官公庁が発行する配管工事共通仕様書で使用を指定する旨の記述があり、上水道配管、都市ガス配管、高層ビル設備配管などで使用されている。近年では配管作業の省力化を目的として様々な配管にフレキシブル継手が使用され、人手不足の解消などにも寄与している。同社はフレキシブル継手の製造技術を活かし、食品、医薬、化学分野向けに、耐食性や衛生上の安全を重視したテフロン製のホースの製造・販売も行っている。

真空機器関連業務としては、主に半導体製造装置間の真空工事・ガス工事及び装置の設計・制作・据付などの業務を行っている。

伸縮管継手は都市ガス、電力、製鉄、石油化学、LNG やLPG のプラントなどの産業設備で広く利用されている。用途によっては10 メートルを超える大型の配管にも使用されており、製品は電気事業法やガス事業法などの規制の対象となっている。

フレキシブル継手については天津天富軟管工業有限公司とTF (VIETNAM)CO.,Ltd.が、伸縮管継手については天津天富軟管工業有限公司が同社より主要材料を調達し、製品・半製品及び部品を同社に供給するとともに、天津天富軟管工業有限公司が、一部、中国内の取引先に対して直接販売をしている。真空機器は天孚真空機器軟管(上海)有限公司が製品及び商品を同社に供給するとともに、一部、中国内の取引先に対して直接販売をしている。国内向けは同社が製造・販売をしている。

◆ 管継手関連事業
管継手関連事業としては消防設備の設計・施工・管理、貯水機能付給水管(マルチアクア)装置の製造・販売及び水道管や電柱の切断装置の製造・販売を行っている。
消防設備の設計・施工・管理については配管の加工と設備の工事をセットで請負えることを特徴としている。スプリンクラー工事を始めとする各種消防施設工事や冷暖房設備工事関係を請け負っている。一連の作業を自動化ラインにしたことで、小ロット多品種要求に的確に応えることができ、且つ量を捌くことでコストを低減している。

貯水機能付給水管装置の製造・販売については、災害などの断水時に120 リットルの飲料水・生活水を確保できる「マルチアクア(図表3)」を大手ハウスメーカーや災害時や非常時の事業継続を意識する法人事業所や商業施設向けに営業を行っている。

水道管及び電柱の切断装置については、水道事業の主要な販売先は土木・建築機材や工具などを扱っている商社であり、電柱事業は商社に加え特殊車両メーカーを通じても販売するケースもある。エンドユーザーは水道及び土木工事事業者や通信建設及び電力工事会社が中心である。

◆ 金属塑性加工事業
金属塑性加工とは、機械的に金属を変形させ、力を取り除いた後も変形が残る性質を利用して、金属を所定の形状や寸法の製品に成形する手段のことである。同社の金属塑性加工事業では金属管(鉄、ステンレス、アルミ、銅、チタンなど)の各種塑性加工品の製造・販売を行っている。主な製品は自動車部品メーカー向けの駆動系や操舵系の部品やエキゾーストマニホールドなどの排気系自動車部品などである。

自動車部品以外では産業用大型ロボットアームの駆動シャフトなどを塑性加工・販売している。

◆ 介護事業
介護事業では要介護者向けに福祉用具のレンタル・販売、バリアフリー化といった介護用住宅改修や介護用マットレスの洗浄などをおこなっている。主な販売先は個人であるが、一部介護施設向けの販売も行っている。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
ホリスティック企業レポート   一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。

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