ビジョン(9416) 各事業の順調な成長 配当増額修正
佐野 健一 会長 CEO |
株式会社ビジョン(9416) |
企業情報
市場 |
東証プライム市場 |
業種 |
情報・通信 |
代表取締役会長 CEO |
佐野 健一 |
代表取締役社長 COO |
大田 健司 |
所在地 |
東京都新宿区新宿六丁目27番30号 新宿イーストサイドスクエア8階 |
決算月 |
12月 |
HP |
株式情報
株価 |
発行済株式数(期末) |
時価総額 |
ROE(実) |
売買単位 |
|
1,345円 |
50,152,300株 |
67,454百万円 |
22.9% |
100株 |
|
DPS(予) |
配当利回り(予) |
EPS(予) |
PER(予) |
BPS(実) |
PBR(実) |
27.00円 |
2.0% |
78.51円 |
17.1倍 |
297.72円 |
4.5倍 |
*株価は9/4終値。発行済株式数、DPS、EPSは24年12月期第2四半期決算短信より。ROE、BPSは前期末実績。
連結業績推移
決算期 |
売上高 |
営業利益 |
経常利益 |
親会社株主帰属利益 |
EPS |
DPS |
2020年12月 |
16,654 |
103 |
227 |
-1,183 |
-25.07 |
0.00 |
2021年12月 |
18,100 |
1,105 |
1,143 |
729 |
15.47 |
0.00 |
2022年12月 |
25,487 |
2,414 |
2,422 |
1,548 |
31.96 |
0.00 |
2023年12月 |
31,807 |
4,280 |
4,337 |
3,025 |
61.87 |
0.00 |
2024年12月(予) |
36,145 |
5,707 |
5,738 |
3,797 |
78.51 |
27.00 |
*予想は会社予想。単位:百万円、円。
株式会社ビジョンの2024年12月期上期決算概要などについてお伝えします。
目次
今回のポイント
1.会社概要
2.2024年12月期上期決算概要
3.2024年12月期業績予想
4.成長に向けた取り組みの内容
5.今後の注目点
<参考1:ESG・SDGsにおける取り組み>
<参考2:コーポレート・ガバナンスについて>
今回のポイント
- 24/12期上期の売上高は前年同期比9.0%増の170億21百万円。なお、支援業務等を除いた実質では23.3%増収。グローバルWiFi事業が実質27.7%増収。情報通信サービス事業は19.4%増収。グランピング・ツーリズム事業は18.1%増収。営業利益は同12.1%増の27億20百万円。支援業務等を除いた実質は44.5%増益。売上総利益率が前年同期54.3%から57.5%へ向上、営業利益率は前期15.5%から16.0%へ改善し増益となった。期初の会社予想は減益であったが2桁増益での着地、各事業の順調な成長により売上高、各段階利益ともに過去最高を更新した。上場来初の配当を実施、上期末に13.00円/株を行う。6月に期初予想11.00円/株から増額修正されている。
- グローバルWiFi事業は増収増益。インバウンドにおいて訪日外国人向け日本用Wi-Fiレンタル「NINJA WiFi」と、空港カウンターで展開している自動販売機でのSIMカードの販売も順調に推移した。アウトバウンドにおいては、法人需要が堅調に推移し、データ容量「無制限プラン(4G・5G)」の需要が高く、顧客単価は引き続き高く維持できている。なお、支援業務等を除いた実質は27.7%増収、33.1%増益。
- 情報通信サービス事業は増収増益。中途採用を積極的に進めながら営業力強化を行った結果、OA機器の販売と電気の取次事業(エコソリューション事業)が引き続き好調に推移した。また、将来的なアップセルやクロスセル、長期的な解約率の低減、ストック商材による継続的収入といった、ライフタイムバリュー(顧客生涯価値)の最大化を図り、自社ストックサービスの拡販に努めた。
- 24/12期は、売上高が前期比13.6%増の361億45百万円、営業利益は同33.3%増の57億7百万円の予想。いずれも連続で過去最高を更新する見通し。なお、各利益は6月に期初予想から上方修正されている。売上総利益率の改善等によるもの。グローバルWiFi事業では通期の海外渡航回復率を71.2%と見込む。プロモーション強化よる認知度向上を図り、グローバルWiFi、World eSIMの世界販売を推進する。情報通信サービス事業では、ビジョン光、セキュリティカメラ、ホームページ、クラウドサービス、各種ビジネス機器レンタル等、自社ストックサービスを強化していく方針。積極的なM&Aを通じた事業シナジーの最大化も図る。前提為替は150円/$、中途採用を積極的に行い、50名の採用を予定。グローバルWiFi事業、情報通信サービス事業、グランピング・ツーリズム事業がいずれも前期比増収増益を見込む。期末配当は14.00円/株を予定、年間では27.00円/株。
- 24/12期は23/12期に見られた回復から成長につなげる一年となりそうだ。実際、上期の実績は売上・利益とも過去最高を更新している。主力のグローバルWiFi事業では、出国人数についてはコロナ前の水準には戻らない中で、コロナ前の19年を上回り過去最高の売上・営業利益となっている。また、情報通信サービス事業において、大幅な増収増益を確保したことも成長軌道に乗っていることを裏付けているといえよう。双方の事業において、矢継ぎ早に新たなサービスを生み出し、成果をあげてきている。成長軌道に乗ってきているものの、株価は伸び悩んでいる。高い成長性にもかかわらずPERが20倍を大きく割り込んでいることには非常に違和感を持っている。これは同社の成長性が株式市場に浸透していないことが背景にあると思われる。「回復から成長へ」ということを株式市場が認識するにつれて株価は見直されるだろう。
1.会社概要
「世の中の情報通信産業革命に貢献します」という経営理念の下、世界200以上の国と地域で利用可能な定額制Wi-Fiルーターのレンタルを行うグローバルWiFi事業と、情報通信関連のディストリビューターとして、固定通信、移動体通信、ブロードバンド等の事業活動に必要な通信インフラ環境やオフィス機器を扱う情報通信サービス事業を展開している。国内外の連結子会社22社とグループを形成しており、国内子会社は、請求業務の代行や固定電話サービスの加入取次ぎ等を行う(株)メンバーズネット、ブロードバンドサービスの加入取次ぎを手掛けるベストリンク(株)など9社。海外は、グローバルWiFi事業の海外拠点となる、韓国、米国(ハワイ)、香港、シンガポール、台湾、英国、中国(上海)、フランス、イタリア、米国(カリフォルニア、ニューヨーク)、ニューカレドニアの現地法人と、システム開発及びデータベース構築のオフショア拠点であるベトナムの現地法人の計13社(2024年6月末)。
【ビジョングループ経営理念- 世の中の情報通信産業革命に貢献します -】
私達は、世の中の情報通信産業革命を積極的に推進し個人のライフスタイル、そして企業のビジネススタイルをイノベーションし、クライアント企業様とエンドユーザー様を効率的、効果的につなぐディストリビューター企業として、永久にベンチャースピリットを忘れず従業員の無限なる向上心や夢・思いがステークホルダーに貢献できているか確認しあい妥協しない集団であり続け、人類と社会の進歩発展に貢献します。
1-1 事業内容
①グローバルWiFi事業
海外の通信会社と提携して、海外への渡航者に現地のインターネットサービスを安価で利用できるWi-Fiルーターをレンタルする「グローバルWiFi」及び訪日外国人等へ日本国内で利用できるWi-Fiルーターをレンタルする「NINJA WiFi」といったサービスを提供しており、進出先(韓国、台湾、カリフォルニア)において、海外to海外の渡航者向けサービスにも取り組んでいる。
Wi-Fiルーターについては、クラウド上でSIMを管理する次世代型の通信技術(クラウドWi-Fi)を搭載したWi-Fiルーターの端末レンタル数がレンタルされている端末全体の90%以上を占めている(通信キャリアによっては対応できない国もあり90%程度が上限)。
(同社資料より)
また、法人向けに社内常備型として、「グローバルWiFi」の国内プランオプション「グローバルWiFi for Biz」を積極拡販し、好調に推移している。新型コロナウイルス感染症拡大時に増大するテレワーク需要の取り込みから拡販を進めたが、渡航回復時にも競争優位性を発揮。社内に1台の「グローバルWiFi for Biz」があれば、テレワークでの利用から、急な海外出張の際の申し込みの手配不要ですぐに利用が可能。Wi-Fiのレンタルが間に合わず、仕方なく海外ローミングを使うこともなくなる。引き続きテレワーク兼用としての提案により保有契約数及び通信利用実績が増加している。
強み ①割安な定額制、②最多エリア、③快適、④安心・安全、⑤カウンター、⑥法人営業力、⑦顧客数
「グローバルWiFi」及び「NINJA WiFi」のサービス上の強みは、①国内携帯会社の海外パケット定額プランとの比較で最大89.9%のコストメリット(渡航先によっては1日のレンタル料金が300円から)を有し、②業界最多クラスの200以上の国と地域をカバー。また、③世界中の通信事業者との提携による高速通信、④セキュア24時間365日サポート、⑤業界最多クラスの空港カウンター設置拠点数。⑥法人需要の取り込み力。これら強みにより、⑦Wi-Fiルーターレンタルサービスにおけるグループ全体の利用者数は2,000万人を突破した。
~渡航回復時の競争優位性~
①グローバルWiFi for Biz積極拡販
法人向け社内常備型「グローバルWiFi for Biz」、引き続きテレワーク兼用としての提案により販売好調(保有契約数及び通信利用実績増加)。
社内に1台のグローバルWiFi for Biz があれば、テレワークでの利用から、急な海外出張の際も申込みの手配不要ですぐに利用することが可能。Wi-Fiのレンタルが間に合わず、仕方なく海外ローミングを使うこともなくなる。
②超高速通信5Gプラン・World eSIM
海外用Wi-Fiルーターレンタル業界初。超高速通信5Gプラン提供エリア拡大中。5Gを提供するエリアは、アメリカ本土、ハワイ、韓国、台湾、タイ、イギリス、イタリア、フランス、ドイツ、スペイン、中国、香港、アイスランド、アイルランド、アラブ首長国連邦、インド、オーストラリア(豪州)、オーストリア(欧州)、オランダ、ギリシャ、クロアチア、シンガポール、スウェーデン、スロベニア、チェコ共和国、ニュージーランド、ハンガリー、フィリピン、フィンランド、ブルガリア、ポルトガル、マルタ、マレーシア、ルー マニア、ルクセンブルク。
*中国(特別回線)について・・・中国において一部規制されているアプリやSNS・インターネットサービスを利用可能にするプラン。従来のVPNとは異なる通信技術を採用し、接続設定も不要でそのまま使えることが強み。
世界180以上の国と地域で利用可能なeSIMサービス「World eSIM」の提供開始。現地でSIMカードを購入することが多い欧米の海外渡航者に対しても、渡航回復後は積極的に販売を予定(インバウンド及び海外から海外への渡航者 等)。
(同社資料より)
③無制限プランエリア拡大
スマートフォンアプリの多様化、容量の多い画像や動画の送受信、SNS投稿等、データ通信容量が多く消費される傾向。
友人や家族等、複数人でシェアする利用やビジネスシーンで複数デバイス(スマートフォン、タブレット、ノートPC等)の利用増加。通信容量を気にせず使えるプラン、長期利用を望む声に応え提供エリア及びプランを拡充。
無制限プランの選択率増加⇒ARPU(平均利用額)向上。
④コンビニ受取対応
利便性を踏まえ職場や自宅の近くにある全国のセブン-イレブン(沖縄を除く)で受取れるコンビニ受け取りを選択肢に追加。
事前に受け取れることで、出発当日にカウンターに並ばずに受け取り可能。店舗の営業時間内であれば深夜の受け取り可能。
⑤無人店舗展開
設置場所(24年7月末時点)
仙台空港、富士山静岡空港、熊本空港、北九州空港、みやこ下地島空港、グランデュオ蒲田 ※今後も増設予定。
設置内容
・スマートピックアップ(受け取り)
・返却BOX(返却)
・SIMカード自動販売機
特徴等
・非対面で繁忙期でも空港カウンターに並ぶことなく受け取り可能(説明不要なリピーター向け、感染症対策にも有効)。
・ニーズがあっても人材確保の難しい早朝・深夜含め24 時間対応可能。
・訪日外国人旅行客、一時帰国者向けに日本用プリペイドSIMの自動販売機併設。
・省スペース低コストで、タッチポイントの増設可能。 (利便性向上、収益増加)
⑥日本国内向けWi-Fi
・訪日外国人客向けWi-Fiルーターレンタルサービス
日本全国どこでも、いつものスマホでインターネット!高速4G-LTEが使い放題!
・日本国内利用Wi-Fiルーターレンタルサービス
届いてすぐに使える!必要な期間(1日単位)に必要な場所でレンタルできる利便性がさまざまな利用シーンで好評。
・Wi-Fiルーター販売
購入前にレンタルでのお試し利用で自宅等の通信環境を確認した上でニーズにあったWi-Fiルーターを購入。
⇒解約時には端末を下取り(Vision WiMAX独自サービス)。
~空港カウンター及びスマートピックアップ~
国内19空港、36拠点、48機のスマートピックアップ、返却BOXで、受取・返却可能。うち17空港に自動受渡しロッカー設置済。
サービスレベルを顧客に応じて最適化。説明が不要な顧客(リピーター層等)へは、待ち時間をなくす(スマートピックアップ活用)。説明が必要な顧客へは、空港スタッフが応対(空港カウンター活用)。
~店舗スマート化戦略(テンスマ)~
レンタル件数(受渡件数)、オプションサービス(補償サービス、付帯品等)の増加への対応や、海外へ渡航する日本人・訪日外国人旅行客にとって、より便利に、より快適で、より安心できる顧客それぞれのニーズに対応する店舗へ進化。
~“超”直前オンライン受注体制(テンスマ×クラウドWiFi×データベース)~
出発当日客へのサービス提供が可能⇒利用件数増加。空港カウンター店舗目の前でのWeb申込みも、データベースとの連携で即時対応可能。テンスマ、クラウドWiFi、データベースの各取り込みを連携し、更なる利便性の向上へ。
(同社資料より)
~旅ナカ(渡航中)サービスの拡充~
お客様のご要望に応え旅ナカサービス(オプション含む)を拡充。安心・安全・快適な渡航をサポート。
(同社資料より)
~サービス「通訳吹替.com」 -顧客基盤を活かしたサービス- ~
オンライン・オフライン商談・会議通訳、動画の翻訳・吹替、文字翻訳サービス。
「言語の壁を越えてビジネスをもっとグローバルに。」
様々なビジネスシーンで活用いただける通訳、翻訳、吹替サービスをリーズナブルな価格で提供。
海外投資家との対話を重視し英文開示の充実を支援。
決算説明動画の吹替及び字幕、決算短信、 決算説明資料、株主総会招集通知の翻訳等にも対応。
(同社資料より)
~グローバルWiFi事業 市場規模~
(日本政府観光局(JNTO)資料、令和元年版観光白書、国連世界観光機関(UNWTO)公表資料より同社作成)
②情報通信サービス事業
新設法人、ベンチャー企業、及び外食チェーン等の多店舗展開企業を主要ターゲットとして、連結子会社ベストリンク(株)を中心に、全国14か所の営業所、及びパートナー企業との連携の下、ビジネスフォン、固定電話・加入電話・ひかり電話の取次ぎ、法人携帯、OA機器・セキュリティ製品(UTM)等の販売・保守、ホームページ制作、更には事業者向け新電力サービスの取次ぎ等のサービスを提供している。
主要ターゲットでもある新設法人(設立後6ヶ月以内の企業)の開拓に強みを有し、総務省のデータ(2023年全国法人登記件数141,452社)を基にすると、国内で新規設立される法人の約10社に1社と取引がある計算。独自のWebマーケティング(インターネットメディア戦略)で集客。独自ノウハウのCRM(顧客関係・取引継続)戦略を擁する。これらにより、継続的収益の最大化(ストックビジネス化)、高生産性追加販売(アップセル・クロスセル)につなげている。顧客の「売上向上」、「経費削減」、「業務効率改善」、「コミュニケーション活性化」、「DX促進」につながる商品・サービスにより、景気に左右されづらい取り扱いや商材を有する。また、複数の事業セグメントを有しており、状況(景気、トレンド、経済条件等)に合わせ事業構成の変動が可能で柔軟に変化可能な事業体制を敷く。
例えば、回線の取次ぎであれば、サービスが解約されない限りキャリアから顧客利用状況に応じて継続手数料を受け取ることができ、複合機等であれば継続的に保守料を得ることができる。そして、カスタマー・ロイヤリティ・チームが継続的にフォローしていくことで、顧客の成長と共に増加する回線や機器の需要取り込み、成長ステージに応じた最適なサービスの提供(アップセルやクロスセルによる生産性の高い追加販売)で収益が積み上がっていくストック型ビジネスモデルを確立している。ターゲット層を、成長予備軍から、成長過程の企業へも展開させつつ、ストック型ビジネスモデルを進化させていく。
~情報通信事業 市場規模~
設立登記数(総数):141,452件
年間約14万社。(政府による積極的な創業・企業支援により継続した増加傾向) 約20年の実績を持つWebマーケティングのノウハウを活用した集客。川上戦略。 |
本店支店の移転登記数(総数):167,032件
年間約16万社。(登記申請の必要のない事業所等の移転数除く) 追加及び移転時の変更手続き等をカバー。カスタマー・ロイヤリティ・チーム(CLT)の高度なオペレーションによるアップセリング・クロスセリング。 |
(単位:万件)
(同社資料より)
③グランピング・ツーリズム事業
第3の柱に成長する事業としてグランピング事業を開始した。現在、「VISION GLAMPING Resort & Spa こしかの温泉」(鹿児島県霧島市)、「VISION GLAMPING Resort & Spa 山中湖」(山梨県南都留郡山中湖村)の2施設を運営。
同事業は既に佐野会長の実家での運営実績・ノウハウがある点が大きなアドバンテージである。
2.2024年12月期第2四半期決算概要
2-1 連結業績
23/12期 上期 |
構成比 |
24/12期 上期 |
構成比 |
前年同期比 |
期初予想 |
予想比 |
|
売上高 |
15,620 |
100.0% |
17,021 |
100.0% |
+9.0% |
17,028 |
-0.0% |
売上総利益 |
8,476 |
54.3% |
9,789 |
57.5% |
+15.5% |
– |
– |
販管費 |
6,048 |
38.7% |
7,068 |
41.5% |
+16.9% |
– |
– |
営業利益 |
2,428 |
15.5% |
2,720 |
16.0% |
+12.1% |
2,256 |
+20.6% |
経常利益 |
2,462 |
15.8% |
2,756 |
16.2% |
+12.0% |
2,257 |
+22.1% |
当期純利益 |
1,614 |
10.3% |
1,785 |
10.5% |
+10.6% |
1,503 |
+18.8% |
*単位:百万円。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。
(同社資料より)
グローバルWiFi事業が牽引、大幅増収増益
売上高は前年同期比9.0%増の170億21百万円。なお、前年同期にはグローバルWiFi事業において厚生労働省より委託を受け、東京空港検疫所支所等において新型コロナ対策の支援業務を、また医療機関と連携しPCR検査サービスの提供も行った。これら支援業務等を除いた実質では23.3%増収。グローバルWiFi事業が1.9%の増収。支援業務等を除くと27.7%増収。情報通信サービス事業は19.4%増収。グランピング・ツーリズム事業は18.1%増収。
営業利益は同12.1%増の27億20百万円。支援業務等を除いた実質は44.5%増益。売上総利益率が前年同期54.3%から57.5%へ向上、販管費率が上昇したものの営業利益率は前期15.5%から16.0%へ改善し増益となった。経常利益は同12.0%増の27億56百万円、固定資産除却損の増加により当期純利益は同10.6%増の17億85百万円。期初の会社予想は減益であったが2桁増益での着地となった。また、各事業の順調な成長により売上高、各段階利益ともに過去最高を更新した。
上場来初の配当を実施、上期末に13.00円/株を行う。6月に期初予想11.00円/株から増額修正されている。
四半期業績の推移
22/12-1Q |
2Q |
3Q |
4Q |
23/12-1Q |
2Q |
3Q |
4Q |
24/12-1Q |
2Q |
3Q |
4Q |
|
売上高 |
5,609 |
6,019 |
6,849 |
7,009 |
8,347 |
7,272 |
8,333 |
7,853 |
8,581 |
8,439 |
||
売上総利益 |
2,544 |
2,910 |
3,525 |
3,350 |
4,252 |
4,223 |
4,867 |
4,458 |
4,948 |
4,841 |
||
販管費 |
2,140 |
2,392 |
2,497 |
2,885 |
2,870 |
3,178 |
3,577 |
3,895 |
3,423 |
3,645 |
||
営業利益 |
403 |
517 |
1,027 |
464 |
1,382 |
1,045 |
1,289 |
563 |
1,524 |
1,196 |
||
経常利益 |
406 |
516 |
1,031 |
468 |
1,423 |
1,039 |
1,302 |
573 |
1,553 |
1,203 |
||
四半期純利益 |
245 |
320 |
704 |
278 |
940 |
673 |
900 |
511 |
1,019 |
766 |
||
売上総利益率 |
45.4% |
48.3% |
51.5% |
47.8% |
50.9% |
58.1% |
58.4% |
56.8% |
57.7% |
57.4% |
||
販管費率 |
38.2% |
39.7% |
36.5% |
41.2% |
34.4% |
43.7% |
42.9% |
49.6% |
39.9% |
43.2% |
||
営業利益率 |
7.2% |
8.6% |
15.0% |
6.6% |
16.6% |
14.4% |
15.5% |
7.2% |
17.8% |
14.2% |
*単位:百万円
2-2 セグメント別動向
23/12期 上期 |
構成比・利益率 |
24/12期 上期 |
構成比・利益率 |
前年同期比 |
|
グローバルWiFi事業 |
9,012 |
57.7% |
9,186 |
54.0% |
+1.9% |
情報通信サービス事業 |
6,124 |
39.2% |
7,304 |
42.9% |
+19.3% |
グランピング・ツーリズム事業 |
418 |
2.7% |
504 |
3.0% |
+20.6% |
その他 |
63 |
0.4% |
24 |
0.1% |
-61.7% |
連結売上高 |
15,620 |
100.0% |
17,021 |
100.0% |
+9.0% |
グローバルWiFi事業 |
2,613 |
29.0% |
2,753 |
30.0% |
+5.4% |
情報通信サービス事業 |
655 |
10.7% |
916 |
12.5% |
+39.9% |
グランピング・ツーリズム事業 |
21 |
5.1% |
37 |
7.5% |
+77.1% |
その他 |
-71 |
– |
-106 |
– |
– |
調整額 |
-789 |
– |
-881 |
– |
– |
連結営業利益 |
2,428 |
15.5% |
2,720 |
16.0% |
+12.1% |
*単位:百万円。売上は外部顧客への売上高。
22/12-1Q |
2Q |
3Q |
4Q |
23/12-1Q |
2Q |
3Q |
4Q |
24/12-1Q |
2Q |
3Q |
4Q |
|
売上高 |
||||||||||||
グローバルWiFi事業 |
2,618 |
3,174 |
4,125 |
4,471 |
5,108 |
3,904 |
4,921 |
4,794 |
4,647 |
4,539 |
||
情報通信サービス事業 |
2,875 |
2,744 |
2,594 |
2,401 |
2,984 |
3,147 |
3,145 |
2,829 |
3,681 |
3,640 |
||
営業利益 |
||||||||||||
グローバルWiFi事業 |
359 |
593 |
1,156 |
968 |
1,443 |
1,169 |
1,443 |
975 |
1,431 |
1,322 |
||
情報通信サービス事業 |
347 |
259 |
197 |
-38 |
302 |
352 |
274 |
111 |
534 |
381 |
*単位:百万円。売上は外部顧客への売上高。
*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。
グローバルWiFi事業
増収増益。
インバウンドにおいては、訪日外国人向け日本用Wi-Fiレンタル「NINJA WiFi」と、空港カウンターで展開している自動販売機でのSIMカードの販売も順調に推移した。アウトバウンドにおいては、法人需要が堅調に推移し、データ容量「無制限プラン(4G・5G)」の需要が高く、顧客単価は引き続き高く維持できている。なお、支援業務等を除いた実質は27.7%増収、33.1%増益。
情報通信サービス事業
増収増益。
中途採用を積極的に進めながら営業力強化を行った結果、OA機器の販売と電気の取次事業(エコソリューション事業)が引き続き好調に推移した。また、将来的なアップセルやクロスセル、長期的な解約率の低減、ストック商材による継続的収入といった、ライフタイムバリュー(顧客生涯価値)の最大化を図り、自社ストックサービスの拡販に努めた。
グランピング・ツーリズム事業
増収増益。
22年12月にオープンした「VISION GLAMPING Resort&Spa 山中湖」(山梨県山中湖村)、及び23年9月に温泉旅館とグランピングの顧客体験要素をミックスした「温泉旅館グランピング」を増設した「VISION GLAMPING Resort&Spa こしかの温泉」(鹿児島県霧島市)ともに、前年同期より稼働率が向上している。更に外国人の宿泊者も増加しており、顧客単価の向上につながっている。
2-3 財政状態
◎財政状態
23年12月 |
24年6月 |
増減 |
23年12月 |
24年6月 |
増減 |
||
流動資産 |
15,446 |
16,983 |
+1,536 |
流動負債 |
5,973 |
5,536 |
-436 |
現預金 |
10,221 |
10,670 |
+449 |
買入債務 |
1,229 |
1,334 |
+104 |
売上債権 |
3,713 |
5,010 |
+1,296 |
固定負債 |
785 |
722 |
-62 |
固定資産 |
5,920 |
5,884 |
-35 |
負債合計 |
6,758 |
6,258 |
-499 |
有形固定資産 |
3,188 |
3,326 |
+138 |
純資産 |
14,607 |
16,608 |
+2,001 |
無形固定資産 |
1,353 |
1,238 |
-115 |
利益剰余金 |
11,663 |
13,186 |
+1,523 |
投資その他の資産 |
1,377 |
1,319 |
-58 |
負債・純資産合計 |
21,366 |
22,867 |
+1,501 |
資産合計 |
21,366 |
22,867 |
+1,501 |
長短借入金合計 |
722 |
657 |
-64 |
*単位:百万円
*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。
売上債権及び現預金の増加を主因に、資産合計は前期末比15億円増加の228億円。
未払い法人税等の減少などで負債合計は同4.9億円減少の62億円。
利益剰余金の増加などで純資産は同20億円増加の166億円。
自己資本比率は前期末から3.9pt上昇し71.2%。
3.2024年12月期業績予想
3-1 通期業績予想
23/12期 |
構成比 |
24/12期(予) |
構成比 |
前期比 |
期初予想 |
|
売上高 |
31,807 |
100.00% |
36,145 |
100.00% |
+13.6% |
36,145 |
売上総利益 |
17,802 |
56.0% |
20,656 |
57.1% |
+16.0% |
20,577 |
販管費 |
13,521 |
42.5% |
14,949 |
41.4% |
+10.6% |
15,322 |
営業利益 |
4,280 |
13.5% |
5,707 |
15.8% |
+33.3% |
5,254 |
経常利益 |
4,337 |
13.6% |
5,738 |
15.9% |
+32.3% |
5,256 |
当期純利益 |
3,025 |
9.5% |
3,797 |
10.5% |
+25.5% |
3,500 |
*単位:百万円
24/12期は2桁増収増益を予想
24/12期は、売上高が前期比13.6%増の361億45百万円、営業利益は同33.3%増の57億7百万円の予想。いずれも連続で過去最高を更新する見通し。なお、各利益は6月に期初予想から上方修正されている。売上総利益率の改善等によるもの。グローバルWiFi事業では通期の海外渡航回復率を71.2%と見込む。プロモーション強化よる認知度向上を図り、グローバルWiFi、World eSIMの世界販売を推進する。情報通信サービス事業では、ビジョン光、セキュリティカメラ、ホームページ、クラウドサービス、各種ビジネス機器レンタル等、自社ストックサービスを強化していく方針。積極的なM&Aを通じた事業シナジーの最大化も図る。前提為替は150円/$、中途採用を積極的に行い、50名の採用を予定。
グローバルWiFi事業、情報通信サービス事業、グランピング・ツーリズム事業がいずれも前期比増収増益を見込む。
3-2 セグメント別見通し
23/12期 |
構成比 ・利益率 |
24/12期(予) |
構成比 ・利益率 |
前期比 |
期初予想 |
|
グローバルWiFi事業 |
18,728 |
58.9% |
20,391 |
56.4% |
+8.9% |
20,620 |
情報通信サービス事業 |
12,108 |
38.1% |
14,418 |
39.9% |
+19.1% |
14,136 |
グランピング・ツーリズム事業 |
913 |
2.9% |
1,223 |
3.4% |
+34.0% |
1,260 |
その他 |
94 |
0.3% |
112 |
0.3% |
+19.1% |
128 |
連結売上高 |
31,807 |
100.0% |
36,145 |
100.0% |
+13.6% |
36,145 |
グローバルWiFi事業 |
5,032 |
26.9% |
5,890 |
28.9% |
+17.1% |
5,511 |
情報通信サービス事業 |
1,040 |
8.6% |
1,658 |
11.5% |
+59.4% |
1,635 |
グランピング・ツーリズム事業 |
88 |
9.7% |
161 |
13.2% |
+83.0% |
164 |
その他 |
-176 |
– |
-147 |
– |
– |
-96 |
調整額 |
-1,705 |
– |
-1,855 |
– |
– |
-1,961 |
連結営業利益 |
4,280 |
13.5% |
5,707 |
15.8% |
+33.3% |
5,254 |
*単位:百万円
予想営業利益の増減要因
営業利益率15.8%(前期比2.3ポイント上昇) |
前提条件
積極的な投資を含めた営業利益設定 グローバルWiFi事業 ・為替:1$=150円設定 ・海外渡航回復率:71.2%(2024年通期) ・プロモーション強化による認知度向上 ・グローバルWiFi、World eSIMの世界販売 情報通信サービス事業 ・自社ストックサービスの強化 ※ビジョン光、セキュリティカメラ、ホームページ、クラウドサービス、各種ビジネス機器レンタル等 ・中途採用:50名(積極採用) 設定条件外 積極的なM&Aを通じて事業シナジーを最大化 |
(同社資料より)
4.成長に向けた取り組みの内容
4-1 中期的な成長イメージ
営業利益100億円はあくまでも通過点、さらなる成長を目指す。
(同社資料より)
4-2 グローバルWiFi事業
市場規模は大きく、シェアの拡大を図るだけでなく、新規領域やM&A等の展開も視野に入れる。
(同社資料より)
インバウンド、アウトバウンド、国内旅行も含め様々なニーズに対応可能。
(同社資料より)
利用件数推移
(同社資料より)
海外渡航者数
インバウンドは既に19年を上回る水準、アウトバウンドも徐々に戻している。
(日本政府観光局(JNTO)資料より、同社作成)
4-3 情報通信サービス事業
ストック収益を増加させながらの成長を目指す。
独立行政法人統計センター資料より、同社作成
売上総利益構成
複数の事業(商品・サービス)及び販売チャネルを持つ強みを活かし、外部環境の変化に柔軟に対応し堅調に推移。
OA機器の販売と電気の取次(エコソリューション事業)が好調に推移。
*決算処理を含まない月次損益の比率となっておりセグメント業績と値は異なる。
(同社資料より)
ストック収益
売上総利益推移
長期的に安定した収益基盤となるストック収益を強化。
19/12期より自社サービスの獲得強化。
21/12期に10億円到達。
23年9月より、ビジョン光サービス開始。
(同社資料をもとに株式会社インベストメントブリッジが作成)
自社サービス ~顧客・時代のニーズにあった商材・サービス提供~
(同社資料より)
「VWSシリーズ」販売好調。
自社開発及び自社で利用しているサービスをユーザーへ展開(DX推進)。
クラウドで必要な機能を必要な分だけ月額制で提供。
(同社資料より)
4-4 グランピング・
ツーリズム事業
(同社資料より)
5.今後の注目点
24/12期は23/12期に見られた回復から成長につなげる一年となりそうだ。実際、上期の実績は売上・利益とも過去最高を更新している。各段階利益については期初の会社予想を大きく上回った。一見、上期の増収率は9.0%と1桁にとどまっているが、前期に行った支援業務等を除く実質では23.3%増収を確保していることは改めて確認しておきたい。主力のグローバルWiFi事業では、出国人数についてはコロナ前の水準には戻らない中で、コロナ前の19年を上回り過去最高の売上・営業利益となっている。また、情報通信サービス事業において、大幅な増収増益を確保したことも成長軌道に乗っていることを裏付けているといえよう。双方の事業において、矢継ぎ早に新たなサービスを生み出し、成果をあげてきている。今後も投入していく考えであり、楽しみにしながら事業展開を注視していきたい。
成長軌道に乗ってきているものの、株価は伸び悩んでいる。高い成長性にもかかわらずPERが20倍を大きく割り込んでいることには非常に違和感を持っている。これは同社の成長性が株式市場に浸透していないことが背景にあると思われる。冒頭の「回復から成長へ」ということを株式市場が認識するにつれて株価は見直されるだろう。
<参考1:ESG・SDGsにおける取り組み>
【1】マテリアリティ(重要課題)
(同社資料より)
同社は持続可能な地球環境や社会のために、持続的成長をステークホルダーに約束し、多くの事業活動に取り組んでいる。そのマテリアリティの最上位にスローガンとしての『共生成長課題』を設定し、すべての事業活動の最重要指針とする。
~社会からの要請~
事業活動による負の影響
must
地球温暖化防止や環境保護に貢献し、脱炭素社会の実現に向けた取り組み(E)
(同社資料より)
アクション・現状の取り組み
1. VWS勤怠 / リーガルサイン(電子契約)によるペーパーレス化
2. 電気代削減提案(LED、エアコン、新電力)によるCO2削減促進
3. 複合機等カーボンオフセット製品の使用によるCO2削減取り組み
4. CDP回答・SBT認証取得による情報開示
5. グランピング施設にEVステーションを設置
アクション・今後の取り組み
1. グランピング施設における電力自家発電(太陽光発電等)
2. 缶・ペットボトルからマイボトルへ(自販機撤去)
3. 発電、蓄電を自社で賄う、または事業展開
全従業員が多様な働き方ができ、かつ安心して働ける会社(G)
(同社資料より)
アクション・現状の取り組み
1. 時短勤務・フレックス勤務のルール化
2. 女性活躍推進の積極取り組み(えるぼし2つ星承認)
3. 育休の積極取得推進、男性育休の開始
4. キャリアデザイン室の開設、社員のキャリア支援
アクション・今後の取り組み
1. 要介護者家庭・母子家庭・父子家庭への就業支援制度化
2. 更に女性が活躍できるような営業部・商材の確立
3. 資格取得支援によるスキルアップ
4. 全社統一の人事評価制度策定・運用
~社会からの期待~
事業活動による正の影響
should
雇用の創出により、地域社会全体の経済活動に貢献(S)
(同社資料より)
アクション・現状の取り組み
1. 地域採用・テレワークで遠隔勤務による雇用拡大
2. グランピング事業にて食品ロスをなくす取り組み
3. グランピング事業を起点に地産地消、観光資源PR
4. 首都圏・地方問わず積極的な障がい者雇用
アクション・今後の取り組み
1. 地方採用・ワーケーションの導入による地域雇用拡大
2. 地方自治体の企業誘致支援の積極活用
3. 地域企業との連携・アライアンス強化で地域企業の成長支援
4. 地方起業家を育成するためのワンストップサービス
未来を担う子どもたちの教育格差や医療格差の解消、教育支援や医療支援を通じて社会に貢献(S)
(同社資料より)
アクション・現状の取り組み
1. ビジョンキッズ保育園運営で働きやすい環境作り
2. 地方自治体(GIGAスクール構想)へのWi-Fiルーターレンタルサービス「グローバルWiFi」でオンライン授業の構築推進
3. グローバルWiFiでJapan Heartを支援、売上の一部を寄付
4. ピースピースプロジェクトの活動をサポーターとして応援
アクション・今後の取り組み
1. グローバルWiFiの無償貸与拡大で学生・若者支援
2. 児童養護施設、児童福祉施設の運営もしくは支援
3. 発達障害児童のための施設運営、地域施設との連携
4. カスタマー一体型のNGO団体への支援
【2】ESG+SDGs
「情報通信の未来を、すべての人たちの未来のために」という思いのもとに、ESGに配慮した経営と事業戦略を通して、サステナブルな成長と企業価値向上を目指している。また、国連が定めるSDGsに代表される社会課題の解決等を通じて、社会・地球の調和のとれた持続可能な発展に率先して貢献。
(同社資料より)
【3】MSCI ESGレーティング
「A」認定
24年7月時点のMSCI ESGレーティングは23年に引き続き「A」認定
(同社資料より)
MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)社のMSCI ESG レーティングにおいて、「A」評価を獲得。MSCI ESGレーティングは、企業の環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の取り組みを分析し、最上位ランクのAAAから最下位ランクのCCCまで7段階で格付けされる。同社は「地球の一員として多様な社会と共に創る未来のビジョン」のスローガンを掲げ、多くの事業活動に取り組んでいく。
【4】CDP「気候変動レポート2023」【B-】認定
CDP「気候変動スコア2023」においてマネジメントレベル【B-】スコアに認定
CDPは2000年に発足した英国の慈善団体が管理する非政府組織(NGO)。投資家、企業、国家、地域、都市が自らの環境影響を管理するためのグローバルな情報開示システムを運営している。
ビジョングループは、共生成長課題(ビジョンスローガン)として「地球の一員として多様な社会と共に創る未来のビジョン」を掲げ、マテリアリティ(重要課題)のひとつ『環境保護:脱炭素社会実現と環境保護への取り組み』を進めている。 |
(同社資料より)
<参考2:コーポレート・ガバナンスについて>
◎組織形態及び取締役、監査役の構成
組織形態 | 監査役設置会社 |
取締役 | 7名、うち社外4名 |
監査役 | 4名、うち社外3名 |
社外取締役、社外監査役は全員独立役員である。
◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2024年5月29日)
基本的な考え方
当社グループは、お客様の期待を感動に変えるため、常に自らを磨き、理想を実現させるため、ためらうことなく変革への挑戦を続け、常に多くの人々(ステークホルダー)に支えられていることに感謝し、謙虚な気持ちで事業活動を行っております。この行動規範に従って、法令、社内規則、方針を遵守し誠実に取り組み、最適なコーポレート・ガバナンスの構築に努めております。
<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由(抜粋)>
【原則4-1-3取締役会の役割・責務(1)(最高経営責任者等の後継者の計画の監督)】
当社では、最高経営責任者の具体的な後継者計画は策定しておりませんが、取締役会の任意の諮問機関である指名報酬委員会において、後継者計画の運用について検討してまいります。
【補充原則4-3-3取締役会の役割・責務】
当社では、最高経営責任者の任期は1年であるため、任期中の解任という事態は想定しておりません。万が一、最高経営責任者等が法令・定款に違反し、当社の企業価値を著しく毀損したと認められる等、客観的に解任が相当と判断される場合には、指名報酬委員会による諮問を経て、取締役会において十分な審議を尽くした上で決議いたします。
<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示(抜粋)>
【原則1-4 いわゆる政策保有株式】
当社では、中長期的な企業価値向上に資すると認められる場合を除き、原則として政策保有株式を保有しないことを基本方針といたします。政策保有株式として上場株式を保有する場合には、四半期毎、全株式を取締役会で個別に検証し、中長期的な視点で企業価値向上の効果等が期待できないと判断した企業の株式については、株価や市場動向等を勘案し売却いたします。議決権行使につきましては、案件ごとに賛否を判断する方針であり、当社の中長期的な企業価値向上に資するかどうかなどを勘案し判断いたします。
なお、政策保有株式の保有目的の検証結果の開示については、事業戦略に関わることでもあり、開示を行うことで当社及び株主の利益が毀損されることもあることから、開示は行っておりません。
【原則2-4-1多様性の確保について】
当社では、学歴、職歴、性別、国籍、障がいの有無を問わず、多様な人材を積極的に採用しております。個々の個性を活かすことで、多様な商品・サービスを生み出し、企業の成長に貢献すると考えております。また、当社グループで働く全ての人々が成長できる、充実した職場環境の整備にも取組んでおります。
2023年12月末現在における当社グループの管理職の割合は、中途採用者が92.5%、女性管理職が9.2%、外国人が5.0%となっております。今後の目標として、女性管理職の割合を2026年までに12%以上にすることを掲げております。また、中途採用者や外国人については、数値目標を設定しておりませんが、中途採用者については現状維持、外国人については増加させる方針です。人材育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針につきましては、有価証券報告書(URL:https://www.vision-net.co.jp/ir/library/securities.html)「第2事業の状況 2サステナビリティに関する考え方及び取組」及び当社ウェブサイト(URL:https://www.vision-net.co.jp/company/diversity.html)「ダイバーシティ推進の方針」に記載しております。
【原則3-1 情報開示の充実】
(1)当社の経営理念や経営戦略等は、当社ウェブサイト等にて開示しております。
(2)コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方と基本方針については、本報告書の「Ⅰ1.基本的な考え方」等にて開示しております。
(3)各取締役の報酬額は、株主総会で承認された報酬限度額の範囲内において定め、指名報酬委員会への諮問を行った後、その答申内容に基づいて、取締役会にて決定いたします。
(4)当社の取締役会は、各人の知識、経験、能力等のバランスに配慮しつつ、建設的な議論を確保するために必要かつ適切な人数で構成することを基本的な考え方としております。 取締役候補者を決定するに際しては、取締役会が指名報酬委員会へ諮問を行い、その答申内容を基に選任しております。取締役が提案する監査役候補に関しても、社外監査役が半数以上を占める監査役会の審議と同意を経て取締役会で決議し、株主総会に付議することとしております。また、社外取締役の選定には、会社法上の社外性要件に加え、東京証券取引所の定める独立役員の資格を充たし、一般の株主と利益相反の生じる恐れがないと判断される基準に基づき選定を行っております。 取締役の解任にあたっては、法令や定款に違反がある場合や任務遂行に困難な事情が生じた場合、客観性及び透明性を高めるために指名報酬委員会の審議及び助言・提言を踏まえ、取締役会により決定いたします。
(5)各社外役員候補者の選任理由については、定時株主総会招集ご通知及び本報告書において開示しております。
【補充原則3-1-3サステナビリティについての取組み】
<サステナビリティについての取組み>
私たちビジョングループは、『世の中の情報通信産業革命に貢献します』を経営理念に掲げており、この理念の下、サステナビリティへの取組みを重要な経営課題と位置付け、サステナビリティを重視した経営を行います。
具体的には、地球環境への貢献、持続可能な社会と経済成長の実現を目指し、「持続可能な成長」という人類普遍の理念に対し、事業を通じて貢献します。
<人的資本や知的財産への投資等>
人的資本への投資については、当社グループが持続的な企業価値の向上を実現していく上で、人員の増強は必要不可欠であり、必要な投資を実施してまいります。より詳細な内容は、有価証券報告書(URL:https://www.vision-net.co.jp/ir/library/securities.html)「第2事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。
<気候変動に係る影響についての開示>
当社グループの事業特性上、気候変動に係るリスクや機会の影響は相対的に受けにくいと考えておりますが、取締役会や経営会議にて、中長期の経営戦略の議論において気候変動に係るリスクや機会を含めて議論しております。なお、社会の一員として、環境負荷軽減に取組んでおり、具体的には、紙資源の削減やオフィスの空調管理の徹底、服装のカジュアル化等を継続的に行っております。
当社グループでは、気候変動に係るリスク及び収益機会が自社の事業活動や収益等に与える影響を含めたサステナビリティに関する取組みを、TCFD提言の枠組みに基づき、対応してまいります。より詳細な内容は、有価証券報告書(URL:https://www.vision-net.co.jp/ir/library/securiti es.html)に記載しております。
今後もTCFDの枠組みに基づき、より充実した情報開示に取組んでまいります。
【補充原則4-1-1 取締役会の役割・責務(1)(経営陣に対する委任の範囲)】
取締役会は、法令・定款及び取締役会規則で取締役会の決定事項として定めている業務につき、その執行の決定を行っております。経営陣に対する委任の考え方として、一定金額以上の投資案件や基幹人事、当社のコーポレート・ガバナンス及び連結業績に多大な影響を与えうる議案については取締役会において決裁しております。それ以外の議案については、業務執行レベルの意思決定機関である経営会議等で決裁する運用としております。
【原則4-9 独立社外取締役の独立性判断基準及び資質】
会社法及び東京証券取引所が定める基準を参考に選任しております。また、豊富な経験と幅広い見識から、当社の経営全般に助言していただける方を選定しております。
【補充原則4-11-1 取締役会・監査役会の実効性確保のための前提条件(取締役会の多様性に関する考え方等)】
当社の取締役会は、性別、専門知識や経験等のバックグラウンドが異なる多様な取締役で構成しております。また、社外取締役を過半数選任しており、取締役会において独立かつ客観的な立場から意見を述べていただくことにより、経営の監督体制を確保しております。 なお、当社取締役のスキル・マトリックスは、定時株主総会招集ご通知に記載しております。
【補充原則4-11-2 取締役会・監査役会の実効性確保のための前提条件(取締役及び監査役の兼任状況)】
当社は、社外取締役及び社外監査役が他の会社の役員を兼任する場合は、当社の職務に必要な時間を確保できる範囲とし、その兼任状況を定時株主総会招集ご通知に記載しております。
【補充原則4-11-3 取締役会・監査役会の実効性確保のための前提条件(取締役会の実効性に関する分析及び評価)】
当社の取締役会は、取締役及び監査役の全員を対象としたアンケートを2024年3月に実施しました。当該結果から、当社の取締役会は概ね適切に機能し、取締役会の実効性は確保されていることを確認いたしました。今後も取締役会の実効性を高め、更なる企業価値向上に努めてまいります。
【補充原則4-14-2 取締役・監査役のトレーニング(取締役及び監査役に対するトレーニングの方針)】
取締役及び監査役は、加入する団体のセミナーや勉強会、交流会への参加等、独自の判断で事業・業務及びそれぞれの立場で必要な知識の習得を継続的に行っており、当社にて必要に応じ費用の支援を行っております。
【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】
当社は、株主等からの対話の申込みに対しては、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するよう、合理的な範囲で前向きに対応することとしております。現在のところ、決算説明会を年4回開催しているほか、随時国内外の機関投資家とのミーティングや、年に複数回の個人投資家向け説明会等も実施しております。それらの結果については、適宜、取締役会等で、得られた情報等の共有を図っております。なお、インサイダー情報の漏洩防止を徹底しております。
【資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応(検討中)】【英文開示有り】
当社は、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」についての方針や目標等を開示しておりませんが、経営の重要課題と認識しています。
なお、2023年12月期末時点における当社の自己資本利益率ROEは約23%であり、株主資本コストCOE約9%を大きく上回っており、また、投下資本利益率ROICは約21%であり、加重平均資本コストWACC約8%を大きく上回っております。
引き続き健全な経営状態を維持し、資本効率性(ROE、ROIC等)の向上に注力してまいります。