エナリス (6079 東証マザーズ)
14 年12 月期上期は電力代理購入や電源開発の躍進で大幅増収
改正電気事業法の成立でビジネスチャンスがさらに拡大
業種:サービス業
アナリスト:大竹 喜英
◆ 多様で効率的な電力の総合サプライヤー
・エナリス(以下、同社)は、「エネルギー流通情報事業」からスタートし、現 在は「発電や発電機器システムの販売、電力卸取引や電力購入代行」を 展開している。
・14 年6 月11 日に改正電気事業法が成立し、16 年に約8 兆円の電力売 買が自由化される。一般家庭でも最適な電源の選択が促進され、同社 にとってビジネスチャンスがさらに拡大しよう。
◆ 14 年12 月期上期決算の経常微減益は一時的費用増が原因
・14/12 期第2 四半期累計(以下、上期)決算は、売上高が実質前年同期 比256.8%増、経常利益は同6.0%減、純利益は同30.2%減。売上の大 幅増が続く一方、減益は一時的費用増によるもの。
・公募増資を行ったことから、上期末の自己資本比率は13/12 期末の 42.3%から53.6%へと上昇し、1 株当たり純資産は59.4 円から193.0 円に 増加している。
◆ 14 年12 月通期は大幅な増収増益へ
・同社は、14/12 期の業績予想を売上高43,433 百万円(前期比326.8% 増)、経常利益2,204 百万円(同223.4%増)、当期純利益1,269 百万円 (同200.3%増)と予想している。
・証券リサーチセンターでは、同社の事業計画や進捗状況から判断して 同社予想と同水準の前回予想を据え置いた。M&A や提携戦略も功を 奏していると判断した。
◆ 投資に際しての留意点
・同社は未だ成長途上にあるため今後の事業発展と経営基盤強化へ資 金を振り向けたいとして株主への利益配当は実施していない。
・同社は電力供給先の開拓を積極化する一方で自社グループでの発電 能力増強にも注力している。そのためM&A や提携戦略を実施しており、 成長のための資金需要が旺盛である。銀行とのコミットメントライン契約に 加え、今後も多様な資金調達の可能性が考えられる。