GMO クラウド(3788 マザーズ)
前期決算は増収増益。ホスティング苦戦をセキュリティ等でカバー
クラウドはまだ小規模ながら拡大傾向
業種:情報・通信業
アナリスト:柴田郁夫
◆ホスティングサービス事業が主力。クラウドサービスにも参入
・同社は通販サイトやWebサービス事業者向けにサーバを貸し出すホス ティングサービス事業を主力に、電子認証サービスのセキュリティサービ ス事業やWeb制作、翻訳サービスなどのソリューション事業を展開。
・ホスティングサービス事業の契約件数は、低価格をセールスポイントに 2012 年12 月末で13.6 万件と国内最大規模を誇る。
・2011 年12 月期から市場の拡大が見込まれるクラウドサービスに参入。今 後の成長ドライバーとして育成する方針。
◆前12 月期決算は増収増益
・前2012 年12 月期決算は、売上高94.0 億円(前期比4.2%増)、営業利 益9.7 億円(同27.7%増)、経常利益9.7 億円(同22.4%増)、当期純利 益5.2 億円(前期比38.4%増)。期中の会社側修正値とほぼ同水準の着 地で、当センター予想をやや上回る内容だった。
・主力のホスティングサービス事業は単価下落や大口解約等で苦戦する 一方、セキュリティサービス事業やソリューションサービス事業は好調。注 力するクラウドサービスはまだ小規模ながらも着実に拡大した。
◆当センターは中長期の利益予想を増額修正
・今13 年12 月期の会社予想は、売上高99.1 億円(前期比5.3%増)、営 業利益10.8 億円(同11.4%増)、経常利益10.8 億円(同11.2%増)、当 期純利益6.2 億円(同19.7%増)を見込む。
・当センターでは、セキュリティサービス事業とソリューションサービス事業 が予想以上の実績だったことから、前期実績をベースに前回レポートの 中長期業績予想を増額修正。13 年12 月期は売上高98.5 億円(前期比 4.7%増)、営業利益10.5 億円(同8.1%増)を予想する。
◆中長期的な適正株価水準は82,000 円~102,600 円を想定
・同業他社比較から、同社の適正PER を12~15 倍と仮定した場合、16 年 12 月期の予想EPS 6,841.70 円を基準にした中長期的な適正株価水準 は82,000 円~102,600 円と想定される。
・市場拡大が期待されるクラウドの進捗によっては、成長モメンタムの変化 が株価を刺激する可能性も考えられよう。