リニカル(2183 東証マザーズ)
がんなどの製薬大手の開発意欲高まりを取り込みへ。今期会社予想を再増額修正。
今期、そして来期以降の増配も期待。
業種:サービス業
アナリスト:松尾 十作
◆ CRO事業を展開
・主にCRO事業を展開。CROとは、製薬メーカーが行なう医薬品の開発の治験に関わる様々な業務の全て、または一部を代行・支援する機関を指す。医薬品販売支援(CSO)事業は新規事業で2010年3月期に参入した。
◆ 今期第2四半期決算は期初予想超過
・今上期決算は、会社期初予想を大きく上回る実績。経営の屋台骨であり売上高の95%を占めるCRO 事業が上伸したため。CRO事業の実施案件において中止となる案件もなく既存案件の増員契約もあり、CRA要員の高い稼働率を維持できたことから営業大幅増益につながった。
◆ 今期の会社予想は修正なし
・今上期決算が大幅増益となったものの、今通期会社予想業績は修正されていない。受託案件の中止がないとも限らないことを考慮している模様。
◆ 今期予想は会社予想を再増額修正
・当センターの今期予想業績は、前回レポート予想を再増額した。大きな案件中止が今後ないことを想定し、今上期決算内容をふまえたもの。
・今期末CRA要員は慎重にみている。会社見通しでは今期末188名(前期末比41名増)としているが、12年11月9日時点でも前期末比18名増、また過去3期において期末CRA要員数は計画未達成だったことから、当センターでは今期末CRA要員数を180名と予想とした。
・担当アナリストは11円の安定配当及び20%の配当性向がベースと考えている。したがって今期予想配当は、会社予想及び前期実績比 1円増配の12円。来14年3月期以降も増配が期待できよう。
◆ 妥当株価水準は800円〜1,210円を想定
・業容の近い他社を比較してみるに、同社株価に割安感はなさそうだ。中長期的な利益成長性や同業他社を参考にすると、適正PERは10~15倍と思われる。担当アナリストの16年3月期業績予想によれば、EPS は80.7円が見込まれており、今後2~3年で見た妥当株価は800~1,210円程度と想定される。