GCC経営™分析レポート:KLab株式会社(東証プライム 証券コード:3656)
ターゲット株価:2025年2月末で1,932円、5年後、3,426円の可能性

2024/02/09

ベーシック ・ レポート
ジェイ・フェニックス・リサーチ(株)
宮下修

スマホ時代と共に歩んだゲーム開発の先駆者
 KLab株式会社(以下「KLab」)はモバイルオンラインゲーム事業を通じて「世界と自分をワクワクさせろ」というミッションに取り組んでいる。2000年に従来型携帯電話向けのシステム開発会社として創業、時代の変化とともにスマホゲームに移行し事業を拡大してきた。「エンターテインメントコンテンツで、世界のユーザーをひとつにつなげる」ことをビジョンに掲げ、世界中の人が文化を超えてオンラインという形で繋がることができるコンテンツづくりのために、日々開発とマーケテイングに取り組んでいる。KLabはこれまで「キャプテン翼」「BLEACH」など日本のみならず世界中に認知されているコンテンツを原作としたゲームを数々ヒットさせてきた。これに伴い魅力的なゲームの開発と世界に向けたマーケティングについてノウハウを有している。

新作ビッグタイトル3本で黄金期へ返り咲く
 KLabは5年前より、さらなる企業価値の拡大のために以下の2点に取り組んできた。①自社コンテンツ(自社IP)の作成:他社のコンテンツを原作としたゲームは版権料を払うため利益率が低い。高収益化を目指し自社コンテンツの作成に取り組んだ。②制作ゲーム数の増加:開発に外注を取り入れゲーム数の増加を図った。しかしながらこれらの取り組みはいずれも成功とは言えなかった。自社コンテンツは思うように伸びず、外部会社との取り組みにおいては、プロジェクト管理に課題があり、十分な品質に至らなかった。その結果、2021年12月期に赤字転落し、KLabは2年前より方針を原点に戻し、他社の有力コンテンツをもとに世界的なヒットタイトルを作るという点に集中し再起を目指す。すでに進行中の大型新作タイトルが3本あり、これらがリリースされた後の2025年以降のV字回復のため、現在は準備段階にある。これらのIPは世界的な人気が確約されており、2023年2月公表の中期経営計画では売上高400億円、営業利益100億円の達成を目指している。黄金期が復活すれば十分可能性がある。

ターゲット株価:2025年2月末で1,932円、5年後、3,426円
 以上のシナリオで株主価値をGCC経営™のフレームワークにより「超過利潤法(「巻末資料2」参照)」で試算した。10年分の成⾧価値を織り込めば、株主価値は1,902億円、2024年2月8日終値ベースの時価総額の約12.6倍、株価換算3,426円と推計された。ただし、この水準は⾧期的に3-5年かけて達成されるものである。より現実的には2025年12月期までの株主価値=株主資本127+2023年12月期の超過利潤価値-216億円+2024年12月期~2026年12月期の成⾧価値794の合計額705億円、株価換算で1,932円が2026年12月期の会社予想が発表される2025年2月時点でのターゲット株価になろう。

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