ソケッツ(3634 東証マザーズ)
前期は顧客都合の影響もあり減収減益。今期は第3四半期からの新映像サービス期待で2桁営業増益へ。
業種:情報・通信業
アナリスト:松尾 十作
◆ 主にKDDI向けを中心に業容が拡大
・携帯電話で利用する音楽等のジャンル別検索機能サービスが主力事業で、携帯電話向けに組み込まれるアプリケーションの開発、データベースの構築、及びそれらを組み合わせたサービスを提供している。
・提供サービスラインは、専門検索サービスやストリーミングサービス提供のメディアビジネスと、女性向けコミュニケーションサービスを中心としたモバイルサイト運営のコンテンツビジネスに大別される。主にKDDI向けを中心に業容が拡大してきた。
◆ 前2012年3月期は業績開示以降初の減収経常減益
・前2012年3月期は、開示されている2004年3月期以降、初の減収経常減益決算だった。売上高2,440百万円(前期比17.8%減)、営業利益233百万円(同60.8%減)、経常利益233百万円(同60.8%減)、純利益115百万円(同17.8%減)と増収増益予想の期初予想を大きく下回った。
・この背景は、第4四半期会計期間に見込まれていた、同社のデータベースを活用した通信キャリア向け新規大型サービスの初期開発売上の時期及び規模の変更が主要因だった。
◆ 今期予想業績は2桁営業増益へ
・13年3月期第1四半期業績は増収増益。ユーザー数増大を背景にメディアビジネスの売上高は前年同期比19.0%増、コンテンツビジネスの売上高は、従来型携帯電話向けサービスの統廃合等の整理が引き続き影響し36.5%減だった。
・担当アナリストの13年3月期予想業績は、会社予想をやや下方修正するも、売上高は前期比5.3%増、営業利益同15.7%増、経常利益同15.1%増、純利益同34.7%増。第2四半期累計業績予想は会社予想並みとしたが、過去数期の四半期推移を参考にして下期業績予想を慎重にみたため。
◆ 中期的な想定株価は726〜1,090円
・配当性向の指針が公表されていないが、担当アナリストは今期予想の配当性向を参考に2015年3月期以降増配が続くと予想した。担当アナリストの2016年3月期業績予想によれば、EPSは90.8円が見込まれており、今後2~3年での妥当株価は、726円~1,090円程度と考えられる。