来週の金融市場見通し(2016年7月18日~2016年7月22日)
■来週の見通し
英国で新しい首相が決まり、英国不安がやや和らいだことや、6月の米雇用統計で雇用者数が大幅に増加したことを受け投資家心理が改善したこと、また「ヘリコプターマネー」の可能性が出てきたとの見方から、リスクオン(選好)の動きが強まっています。ヘリコプターマネーは、ヘリコプターから現金をばらまくように、政府や中央銀行が国民にお金を配る政策で、政府の景気刺激策の財源を中央銀行の紙幣増刷で賄うことを指します。月末の日銀金融政策決定会合(28、29日)までは政策期待が支えるものの、ヘリコプターマネーなどへの思わくで、不安定な動きになることには注意が必要です。
◆株価 : 上値を探る
投資家心理の改善やドル高・円安の進行を背景に、日経平均株価は5営業日続伸し、英国の国民投票前の水準を回復しました。ヘリコプターマネーへの期待も株価を押し上げた格好です。来週は、急伸を受けた利益確定売りに押される場面もありそうですが、政府の経済対策、日銀の金融緩和への期待が下支えしそうです。本格化している米企業決算や為替の動きをにらみながら上値を探る展開を見込みます。ヘリコプターマネーへの思わくで振らされることには注意が必要です。
◆長期金利 : 月末の金融政策にらみ
長期金利は、株高が進行したことを受け、じりじりと上昇。15日にはヘリコプターマネーへの懸念から、一時マイナス0.225%まで上昇しました。ヘリコプターマネーへの思わくで、リスクオンになったことに加え、財政規律が損なわれることへの懸念も、債券売りを強めた一因に。もっとも、日銀の次の一手が、ヘリコプターマネーではなく、単なる国債買入れの増額やマイナス金利幅の拡大なら、長期金利の低下要因。日銀金融政策決定会合までは動きにくい状況が続きそうです。
◆為替 : 円安地合い
ドル円は、英国不安の後退に加え、米経済の先行き不安が後退したことや、米利上げ観測が若干強まったことから、持ち直しの動きに。15日には、ヘリコプターマネーへの期待から一時106円台まで上昇しました。ヘリコプターマネーは、景気浮揚でリスク選好が強まる可能性があり、逃避通貨とされる円は売られる傾向。ただ、通貨の信認が損なわれ、円が売られる側面も。ヘリコプターマネーへの思わくはかく乱要因ですが、リスクオンが継続すると、ドル円も堅調地合いが継続しそうです。
■来週の注目点
欧州中央銀行(ECB)理事会 7月21日(木) 午後8時45分結果発表
今回のECB理事会では、金融政策の据置きが予想されます。
英国で6月23日に行われた国民投票では、欧州連合(ECB)離脱派が勝利しました。これを受け金融市場は一旦混乱し、イタリアで銀行経営不安も浮上しました。しかし、足元では市場は落ち着きを取り戻しつつあり、ECBが追加的な金融緩和策を直ちに講じる必要性は乏しいとみられます。
ただ、英国のEU離脱をめぐる不透明感から、ユーロ圏の経済成長率は下振れする恐れがあります。また、インフレ率も低水準です。そのため、今回のECB理事会やその後のドラギECB総裁会見では、今後さらなる金融緩和策を行う可能性がある旨を示すものと見込まれます。
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