原油価格の動向(2017年11月)需給の改善等から堅調に推移する原油価格

原油価格の動向(2017年11月)需給の改善等から堅調に推移する原油価格

 

【ポイント1】堅調に推移する原油価格

中東情勢の緊迫化等が影響

 

■原油価格はWTIで見て、2017年10月上旬に1バレル当たり50ドル割れとなりましたが、その後は上昇に転じ、概ね同55ドル近傍での堅調な動きとなっています。

■石油輸出国機構(OPEC)およびOPEC非加盟国による協調減産の効果で需給が改善してきたところへ、①イラク北部にあるキルクーク油田の供給障害懸念(イラク政府とクルド自治政府の対立)、②サウジアラビア政情の不安定化(王室の内紛)、③イエメンによるサウジ攻撃、といった事態が生じたことが、価格を押し上げました。

 

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【ポイント2】需給は引き締まる方向

求められるOPEC生産枠の遵守継続

 

■OPEC月報の17年11月号によれば、17年の原油需要は世界全体で日量9,694万バレル、前年比同153万バレルの増加、18年は同じく同9,845万バレル、同151万バレル増となる見通しです。

■一方、供給量は、非OPEC産油国が17年:同6,398万バレル、18年:同6,503万バレル程度と予測されています。従って、OPECが現状の生産水準である同3,200万~3,400万バレル程度を維持すれば、需給は引き締まる見通しです。

 

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【今後の展開】注目されるOPEC総会

 

■短期的には、原油価格は堅調に推移する見通しです。OPEC減産継続への期待が根強いうえに、米国のシェールオイルは生産者が過去の経験から余剰能力を持たないようにしており、生産が急には増加しないためです。

■中期的には、需給動向が鍵となります。特に、米国での生産動向(石油の採掘・生産に使用されるリグ稼働基数の状況)、11月30日に開催が予定されているOPEC総会の内容には要注意です。OPEC総会では、来年3月に期限切れとなる協調減産の期間延長が焦点となります。

 

(2017年 11月 17日)

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