米大統領選挙後のマーケット見通し

米大統領選挙後のマーケット見通し

【ポイント1】予想外の大接戦

東京市場はリスクオフへ

■11月8日に投票が行われた米大統領選挙は予想外の大接戦となりました。開票は日本時間11月9日の朝方から始まりましたが、トランプ候補優勢の報道が伝わるにつれ、東京市場は株安、債券高、円高のリスクオフ(回避)で反応しました。

  20161109us2-1

【ポイント2】短期的に不安定な状況続く

極端な保護主義政策を警戒

■夕刻になってトランプ候補が勝利する見通しとなりました。金融市場が最も懸念するトランプ候補の政策は極端な保護主義政策です。そのため今後、貿易政策や移民政策に関するトランプ候補の発言には特に注意が必要です。

■金融市場は当面不安定な状態が続くと思われ、米連邦準備制度理事会(FRB)は12月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを見送る可能性が高いと考えられます。この結果、米長期金利は低位での推移が続き、為替はドル安方向に振れやすくなるとみられます。ドル円は節目の100円でのサポートが見込まれますが、割り込んだ場合は、6月24日につけた99円02銭水準が意識されそうです。
20161109us2-2

【今後の展開】「最初の100日」に注目。金融市場は次第に落ち着きを取り戻そう

■トランプ候補の財政政策(約10兆ドル)については、実現性は低いと思われますが、相応程度の減税や公共投資が行われるとみられます。その場合、低位の米政策金利、ドル安、財政支出という組み合わせは、来年以降の米国経済を支えることが期待され、米国株にも好材料と考えられます。実際に政策効果が経済に表れれば、長期金利は緩やかに上昇し、ドルも上昇に転じると思われます。

■金融市場は年末から年始にかけて不安定な動きが続くと予想され、日経平均株価もこの先、16,000円を割り込む時間帯も見られる可能性があります。しかしながら、来年1月にトランプ候補が大統領に就任した後、「最初の100日」で議会の牽制機能が働き、より現実的な政策が打ち出されるようであれば、金融市場は次第に落ち着きを取り戻す展開が予想されます。

(2016年11月 9日)

印刷用PDFはこちら→

今日のマーケット・デイリー 米大統領選挙後のマーケット見通し

関連マーケットレポート

2016年11月 9日 米大統領選挙(速報)トランプ候補が勝利

2016年 6月15日 もしトランプ大統領になったら~財政拡張の可能性、ドル安に警戒が必要~

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会