再び不透明要因に埋もれる株式市場

2012/07/13

今年も早いもので半分が終了し7月も半ばである(ついこの間、おせち料理を食べたところなのに…)。7月といえばすぐに「夏」をイメージしてしまうのだが、現在においても沖縄を除いて梅雨明けしておらず、東京ではどんよりした日が多く、九州地方では連日記録的大雨に見舞われている。やはり、夏本番は「海の日」あたりからであり、うん、待ち遠しいね(これはあくまで一般論。私は苦手、である)。

さて、6月のモデルポートフォリオについてのご報告である。6月のマーケットは急落した5月とは打って変わり、日米市場ともリバウンドの展開となった。

米国市場は5月の8ヶ月ぶりの急落相場から一転。月初こそ5月の雇用統計が大幅未達となったことから今年最大の下げを演じる日があったものの、その後は主要国の追加的金融緩和策への期待からじりじりと戻り始め、6/17のギリシャの再選挙において財政緊縮派が勝利したことからユーロ離脱の可能性が遠のいたことをきっかけに反発力を強めた。そして月末に開かれたEU首脳会議において「欧州の金融安全網が銀行に直接資本注入できるようにする」との合意がなされたことでさらに上昇力は加速した。一方、中国ならびにEUの6月のPMIが予想を下回り、世界経済の減速に対する懸念はやや高まった。6月のダウは12880ドルで取引を終え487ドル上昇し月間の騰落率は+3.9%。ナスダックは2935ドルとなり108ドル上昇の+3.8%となった。

日本市場も大きく反発。欧米市場の上昇、ギリシャ問題に対する懸念後退に加えて、5月まで急激に進んでいた円高がやや是正されたため、叩き売られていた輸出関連株が買い戻される展開となった。ユーロは5月の97円台から6月末には100円台に乗せた。ただし、全般的に売買代金が1兆円を下回る薄商いの日が多く、「新規投資」の資金を呼び込むほどの状況には至らなかった。6月の日経平均は464円上昇し月間騰落率は+5.4%、Topixは+7.0%となった。一方、小型株市場はジャスダック平均が+1.7%、マザーズ指数は+16.3%と急激に反発した。

太田忠投資評価研究所のインターネットによる個人投資家向け「投資実践コース」における6月のモデルポートフォリオのパフォーマンスは+1.8%となった。年初来は+7.3%(5月末+5.5%)、累計では+53.8%(5月末+51.1%)とやや盛り返した。今月は初旬に先物のショートポジションを清算し、ヘッジ戦略をいったん終了。ネットロング比率が5月末の-9%から6月末には33%とダイナミックに変化したことが奏功した。

株式市場は4月、5月と大幅に崩れて先行きが心配されたものの、6月はギリシャの再選挙の結果をきっかけにして投資家の不安心理が後退する局面となった。ポートフォリオも久々にリターン追求の方針に変換。とはいうものの、欧州債務問題は今後とも紆余曲折が予想されるため、株式投資ウェートは現状のところ33%と低水準である。

そして7月に入り、世界経済の減速感への懸念、ぶり返す円高などでマーケットは調整色を強めている。あまり強気にはなれない局面に逆戻りである。7月下旬より日本企業の1Q決算の発表が始まるが、ファンダメンタルズと株価とのギャップに意識が高まる形になれば、やや盛り返す可能性があるかもしれない。要注目である。

起伏の激しい相場展開であるが、「わかりやすいマーケット」とも言える。時間的分散投資の強みを生かして、弊社の年率パフォーマンス目標としている+10%をきっちりと確保したいところだ。右肩上がりの相場が終焉した時代にはフルインベストメントではなく「時間的分散投資」こそ運用資産を着実に積み上げる投資戦略である。

太田忠投資評価研究所株式会社
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