2025年3月メジャーSQを控えた日経平均株価の注意点
2025年3月メジャーSQを控えた日経平均株価の注意点
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- 先物とオプションの清算が重なるメジャーSQを3月14日に控え今週はボラティリティ上昇の可能性。
- 例えばSQ前に日経平均が37,000円を下回っている場合デルタヘッジや裁定売りなどで一段安も。
- 通常SQ前の株価変動は一時的なものだが、一目均衡表が示す36,400円台のサポートに注目。
先物とオプションの清算が重なるメジャーSQを3月14日に控え今週はボラティリティ上昇の可能性
日経平均株価の先物とオプションは、3月13日に3月物の取引最終日を迎え、翌14日に特別清算指数(SQ)が算出されます。今回は先物とオプションの清算が重なる、3カ月に1回の「メジャーSQ」です。一般に、メジャーSQが算出される週は、先物やオプションの取引主体がSQ直前の限られた時間で取引判断を迫られるため、清算価格を巡る思惑的な売買が膨らみやすく、株価は一時的に大きく上昇(あるいは下落)することがあります。
そこで、日経225オプションの取引動向を確認してみます。3月物プットオプションの建玉(たてぎょく、未決済残高のこと)は、行使価格36,000円、37,000円、38,000円で、比較的大きく積み上がっていることが分かります(図表1)。そのため、SQの前日や前々日あたりで、日経平均株価がこれらの水準付近に位置していた場合、変動率(ボラティリティ)の大幅な上昇が予想されます。
例えばSQ前に日経平均が37,000円を下回っている場合デルタヘッジや裁定売りなどで一段安も
例えば、日経平均がSQ前に37,000円を下回って推移している場合、行使価格37,000円のプットオプションの買い手には利益が発生しますが、売り手には損失が発生します。この時、売り手はプットオプションを買い戻そうとしても、すでにプットオプションの価格は急騰しており、買い戻しは難しい状況です。そこで、売り手は別途、日経225先物を売って、「デルタヘッジ」を行います。
デルタヘッジを行ったプットオプションの売り手は、日経平均の下落で先物の売りポジションに評価益が発生するので、プットオプションの売りポジションの評価損を補填できます。なお、プットオプションの売り手による先物売りで、先物が現物に対し一時的に割安になると、裁定業者(主に証券会社)が先物を買って同時に現物を売る「裁定売り取引」を行うことがあります。その結果、現物である日経平均は一段と下落しやすくなります。
通常SQ前の株価変動は一時的なものだが、一目均衡表が示す36,400円台のサポートに注目
しかしながら、その後、何らかの好材料で日経平均がSQ前に37,000円を上回って上昇した場合、デルタヘッジを行ったプットオプションの売り手は、プットオプションの売りポジションの評価損が消滅する一方、先物の売りポジションに評価損が発生するため、先物を買ってデルタヘッジを解消します。これが裁定業者による裁定売り取引の解消(先物の売却と現物の買い戻し)を誘発し、現物である日経平均は一段と上昇しやすくなります。
このように、今週の日経平均は、建玉の積み上がった行使価格前後でボラティリティ急騰が見込まれますが、通常はSQ前のポジション調整に伴う一時的なものと判断されます。なお、日経平均の週足の一目均衡表をみると(図表2)、36,400円台が目先の下値支持線となる可能性が高く、SQを通過した後の日経平均がこの水準で下げ止まることができれば、反転上昇の展開も期待されます。
(2025年3月10日)
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