AIBOTの推進とFinTechへの備え

2017/09/19 <>

・AI(人工知能)のアルゴリズムを作る時のソフトウェア、パイソン(Python)のコーディングを少し学んでみたい。DL(ディープラーニング)のイメージと論理は分かっても、どのように作り込んでいくのか。そのやり方を知っておくことは、AIをいかに活用するかという点において重要であろう。

・TVはなぜ映るかがわからなくても観て楽しめる。車を運転する自由を手に入れるには免許証が必要で、ほとんどの人々が資格と取り、免許証が最も信頼できる身分証明書ともなった。

・しかし、今や車の免許証を持たない若者が増えている。マイナンバーカードがあれば身分証明は十分である。いずれ自動運転になれば免許証はいらない。あと何年でそうなるのだろうか。今の車の寿命は10~15年なので、2世代後の20~30年後には自動運転だけの社会になっているかもしれない。

・その時の車は、車の形をしたロボットであろう。センサー(知覚)を持ち、ビッグデータ(BD)を収集し、AIを活用して処理し、システムをアクチュエータ(モーター)で駆動させる。BDはクラウドで処理され、交通管制にも活かされよう。

・今のスマホは手で操作しているが、まもなく音声で何でもできるようになる。AIスピーカーが本格化する。指紋や声紋で、セキュリティが守られる。顔認証も一般化しよう。かつてPCを使いこなすのは大変だったが、今や普通に使える人は多い。スマホはほぼ誰でも使えよう。

・若者はデジタルネイティブであろうが、中高年にはPCもスマホもうまく使いこなせないという人もいる。こうしたデジタルデバイドをサポートするビジネスは今後とも伸びよう。革新的なデジタルトランスフォーメーションが続くので、あと20年も経てば全く新しい世界ができあがろう。

・工場では、IoTを使って自動化が進む。人手不足や熟練不足に対応して、省人化は一段と進展しよう。VR(仮想現実)やAR(拡張現実)が浸透してくると、買い物もレジャーもいちいち現場に出かけなくてよい。もっと自由に手軽に楽しめるようになり、新しい付加価値が創造されよう。

・金融取引や不動産取引にもAIが普通に入ってくるので、取引の効率は高まり、不正を防いで、安全に運用ができるようになる。分散型記録台帳のBC(ブロックチェーン)を使って、取引履歴が確保されれば、信用度が大きく高まろう。

・こういう新しい仕組みを作っていく開発人材や、それを動かすオペレーション人材はどの分野でも必要である。また、そうしたシステムを営業する人材も求められよう。AI時代の進展でいらなくなる仕事も多いが、新しく生まれる仕事も増えよう。

・産業の新陳代謝は不可欠であり、働く人々にとって、元気なうちは生涯学び続けることが避けられない。むしろ、そうした変化に富む人生を楽しむという気概が重要であろう。

・では、人工知能付ロボット(AIBOT)で、何でもできるようになるのだろうか。そうはいかない。アイボットは人々の生活を助けるように設計され、活動してくるはずであるが、人と人が気持ちを込めて対話をし、心の問題も含めて重要な意思決定をする場面を代替することは難しい。

・人間としての意思決定機能、情報処理機能、制御機能はいつまでも重要であり、社会のシステムにおいても、人を大事にする仕組みを継続的に開発し、ビルトインしていく必要がある。

・金融の分野はどうであろうか。FinTechについて、日銀の河合祐子氏(FinTechセンター長)の話を聴く機会があった。河合氏が指摘したことで、印象深い点をいくつか取り上げてみたい。

・1つは、現金を持たずに、スマホだけで日常生活ができるか、という問いである。中国では現金の使えない小売店が増えており、スマホをデジタルウォレット(電子財布)として普通に使っている。スマホアプリで少額決済を行っており、QRコードが日常的に使われている。現金を持っていないので、物乞いまでQRコードを示すというまじめなジョークには驚いた。

・日本はキャッシュだらけである、小銭もよく使われている一方、1万円札の発行も多い。GDPに占める現金(キャッシュ)の比率は、日本は2割で、米国の1割よりも多い。キャッシュを決済だけでなく、貯め込むためにも使っているようだ。

・2つ目は、FinTech分野に、金融以外のIT企業がどんどん参入して、新しいことを始める。そのサービスの利用から直接フィー(手数料)を取るというよりも、トランザクション(取引)を通して情報を収集している。それを蓄積して、別の形で利用して儲けようとしている。

・利用する方も、トランザクションごとに信用格付けをされるので、あの中国においてさえルールを守ろうとする。守らないとレッドマークを付けられ、そのシステムから弾き出されてしまい、生活に困ってしまうことになるからである。

・大事な点として、FinTechのユーザーは、それを利用するトランザクションにおいて、自分のデータや情報を売っているという認識をもっておくことであると指摘する。そのデータは信用の元にもなっているわけで、個人情報の単なる流出というわけではない。

・3つ目は、常に課題解決型で攻めてくるという点である。顧客の利便性向上が一番である。もっと便利に安く速くするには、Tech(技術)から攻めて、①中抜き、②分散化、③アジャイル(俊敏に)を追求する。

・今あるBD(ビックデータ)で何ができるかという問題設定ではなく、問題解決のためにどのようなBDが必要であるか。それをどのように収集し、AIを活用して実行していくかがカギである。

・4つ目は、金融機関のBM(ビジネスモデル)は、1)分散、2)中抜き、3)機能分化、4)シェアリングを通して、かなり崩されていく。当然、銀行の支店やATMの数は減っていく。

・その時の最大の障害は経営者にある。FinTechを頭で分かっていても、自らのBM(ビジネスモデル)のトランスフォーメーションに取り組んでいないケースが多い。今の柵(しがらみ)と当面の安泰にとらわれて、イノベーションを避けようとするならば、その金融機関の先行きは暗くなる。

・5つ目は、FinTechの発展につれて、中央銀行の役割にどんな変化がありうるのか。FinTechによる電子化が進んだとしても、今の中央銀行システムに何ら問題はないという。但し、ビットコインは別であると、河合氏は指摘する。仮装通貨が広がれば、中銀がコントロールできないという意味で問題となる。

・現在の規模は10兆円レベルなので、全く問題にならないが、仮装通貨は常に研究しており、実態もフォローしている。中央銀行のテーマとして、自らデジタル通貨を発行するかという議論は、世界中で活発である。BC(ブロックチェーン)の専門家を採用して、実証研究も行っている。

・日銀の河合氏は立場上、身の回りをキャッシュレスの仕組みに仕立てた。まことに便利だという。デジタルネイティブの30代以下について、キャッシュレスは全く問題ないとも指摘する。さて、筆者はどうしようか。まずは挑戦するしかないと覚悟した。

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