5月9日妥当レンジ 14,000円~16,250円
外部要因不透明ながらも水準的には出直りの兆し

2014/05/13

【「IFIS/TIWコンセンサス225」によるマーケットの妥当レンジの推計】

<経常黒字は過去最低、為替の方向感は不透明>
■12日に発表された2013年度の経常黒字は前年度から81.3%減少して、過去最低の7,899億円となった。14年度には赤字転落することも示唆されている。
■前週は、ウクライナ情勢の緊迫化、南シナ海での中国・ベトナムの衝突、ECBの量的緩和の可能性、米国債利回りの低下などの要因から為替が円高推移していたが、102円台/ドルに戻している。
■本年、年初においては日本の経常収支の悪化、米国経済の回復並びにFRBの量的緩和の縮小によって、為替は円安トレンドを辿ると考えられていた。しかし、米長期金利の低位推移、ユーロ圏のインフレ率の低下、消費税引き上げ後の物価上昇による日銀の追加緩和期待の低下、国際紛争の多発など円高要因も増加している。
■そのため方向感が極めて不透明になっており、上下に振れやすい状態が続くと思われる。

 

<14年度の見通しはコンセンサスを下回る>
■9日までの決算発表で日経平均採用銘柄の60%超の決算が終了した(12月~2月決算を含む)。今期ベースのコンセンサスEPSは856.60円と前週比+12.08円、来期ベースは949.74円と前週比+28.90円と増加したが、3月末時点の来期、再来期がそれぞれ893.84円、993.27円であることを考えると残り1週で埋めるのはやや難しいと思われる(対象決算期がシフトするので、3月末時点では1期先がそれぞれ対応する)。
■しかし、4月下旬からのマーケットの下落によって新年度が従来のコンセンサスに未達であることは十分に織り込まれたと考えられ、ここからの下落はかなり限定されるものと考える。
■現在の株価水準は、妥当レンジの下限近くにあり、次週もEPSの増加からレンジがやや上方に動くと推測されることを考えればボトムと考える。ここからはやや強気のスタンスで臨みたい。

 

 

◇日経平均妥当水準(レンジ)

14,000円~16,250円 (前回 13,900円~16,100円)

*「IFIS/TIWコンセンサス225」(5月9日)来期予想ベースEPSをもとに算出

 

◇IFIS/TIWコンセンサス225(5月9日)

今期予想EPS 856.60 (前週 844.52円)
来期予想EPS 949.74 (前週 920.84円)
再来期予想EPS 1037.47 (前週 1010.56円)
今期予想PER 16.58 (前週 17.12倍)
来期予想PER 14.95 (前週 15.70倍)
再来期予想PER 13.69 (前週 14.31倍)
来期予想PBR 1.18 (前週 1.21倍)
来期予想ROE 7.86% 前週 7.73%)
来期予想
インプライド・リスク・プレミアム
6.91% (前週 6.72%)

*5月9日 日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出

 

 

図1 

1月以降、妥当レンジの下方トレンドが続いていたが、上方に切り返しつつある。 株価はボトムに達したと考える。 

 

 図2
コンセンサスが前週比プラスとなった企業数は60%を越えており、株価上昇シグナルの可能性も強い。
 

 

図3

 NT倍率(日経平均株価÷TOPIX)もかなり調整が進んできた。

 

図4 

 予想ROEの低下も底打ちしたように見受けられる。余談であるが、1株当り純資産の拡大が大きくこれがROE低下要因となっている。株価上昇には日本企業全体の配当性向の増加が求められる。

 

出所:IFISコンセンサスを基にTIW作成
いずれも2012年1月から表示

「IFIS/TIWコンセンサス225」について
IFIS/TIWコンセンサス225」は、株式会社アイフィスジャパンが集計しているアナリストコンセンサス・データ等を原データとして、2009年4月より株式会社ティー・アイ・ダヴリュが東証株価指数(日経225)に対応するように構成銘柄のEPSを算出・集計したものである。今期予想EPS、来期予想EPSの変化を追うことによって、マーケット全体の業績見通しを確認する。
理論上では株価は、自己資本配当率(ROEと配当性向の積)、EPS成長率、無リスク証券の利回り(国債利回り)、リスクプレミアムの4要素で決定される。株価をこれら構成要素に分解することによって、株価変動の要因について考察するとともにファンダメンタルからの妥当な株価(マーケット)水準を思量する。なお、リスクプレミアムを正確に計測することは、一定期間を経た後でないと困難なことであることから、当レポートではインプライド・リスクプレミアム(株価と他の構成要素からの逆算値)を使用している。
4つの構成要素の内、株価の短期的な変動に最も影響を与えるのがリスクプレミアムである。リスクプレミアムは、無リスク証券の金利に対して投資家が要求する上乗せ金利と定義されるが、投資家心理(マーケットセンチメント)、他の投資対象(金融商品)との利回り格差の変動などによって変化する。長期的な見通しの変化が無い中では、インプライド・リスクプレミアムは一定のレンジ内で推移する傾向にある。日経平均株価の妥当水準を算出には、インプライド・リスクプレミアムの一定レンジからの逆算によって行っている。
〔今期予想ベースEPS、来期ベースEPSにおける“今期”、“来期”の取扱い〕
会計上の業績計測期間ではなく、本決算発表を基準とする。例えば、2011年4月30日現在では、2011年3月期は決算発表前であれば今期、決算発表が行われていれば前期、となる。
〔予想EPS増減社数〕
今期ベースならびに来期ベースを示している。週間(週末値)のデータを基に、前週末に比べてEPSが増加・変化無し・減少した企業の数。
〔予想PBR(今期末)〕
前期末BPS(1株純資産)に今期予想EPSを加えて、予想DPS(1株配当)を控除した値(=予想BPS)で株価を除した数値。中間配当は考慮していない。
〔予想ROE(来期ベース)〕
前述の予想BPSで来期予想EPSを除した値。
〔リスクプレミアム〕
特に断りの無い限りインプライド・リスクプレミアムを表す。計算式は、{ 1-予想配当性向×(1-予想B/Pレシオ)}×予想ROE-無リスク証券利回り
株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
TIWマガジン「投資の眼」   株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。

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