今週の注目レポート (6月27日)

2025/06/30

【F’sセレクション】
チーフ・アナリスト藤根靖晃が、直近1週間に発行された全レポートから独自の視点(ROE・財務レバレッジ・PBR水準等)で、注目銘柄をピックアップします。

●セック(3741)【 新規→1】
「株価は割安と判断、リアルタイム技術を強みに連続最高益更新へ」
投資評価を「1(Buy)」とする。目標株価は6,880円とする。TIWでは26/3期業績を、売上高11,140百万円(同8%増)、営業利益1,994百万円(同11%増)と予想。売上高、利益とも過去最高を更新する見込み。人件費や研究開発費などの成長投資を継続するなか、業務効率化により収益性を維持するものとみられる。モバイルネットワークBFが低調を余儀なくされる一方、他の3つBFがこれを補う見込み。官公庁主体の社会基盤BFがけん引役となろう。27/3期TIW予想は、10%増収、15%営業増益。以降についても、医療分野をはじめとした既存案件の継続と新規開発の両立による持続的成長が実現するものとみられる。また、ソリューション製品は強化・拡充が進むなか、収益への貢献度が漸次高まるものと考える。
予想ROE:15.3% PBR:2.9倍、来期予想PER:16.1倍、来期予想EPS成長率:14%
株価(6/27 終値):5,250円 Fモデルによる理論株価:4790円(6月25日by岩元泰晶)

●椿本チエイン(6371)【 2+→2+】
「26/3期は米国関税の影響等から営業利益は小幅な減益を同社は計画」
25/3期は売上高と営業利益が過去最高となった。中核のチェーン事業で減益も高水準の利益(営業利益率は16.2%)を維持、確保したこと、日系の自動車生産台数が伸び悩む中でもハイブリッド車向け受注好調や欧州での新規案件の本格的立ち上がりなどによりモビリティ事業で増益を確保したこと、マテハン事業を増収と米州マテハン事業の改善等収益性の改善により黒字化させたことなどが評価できる決算となった。26/3期は円高前提に加え、モビリティ事業で米国関税影響を想定し、小幅な営業減益を見込むが、厳しい事業環境下で、その他を除く全事業で増収を見込み、25/3期に次ぐ高水準の利益確保(営業利益率は7.4%)を同社が計画したことはポジティブであり、TIWは計画には上振れ余地があるとみることに加え、26/3期TIW予想PER9.1倍、実績PBR0.72倍などの株価指標面にも割安感があるため投資評価は「2+」を維持する。
予想ROE:7.7% PBR:0.7倍、来期予想PER:9.9倍、来期予想EPS成長率:-8%
株価(6/27 終値):1,798円 Fモデルによる理論株価:2730円(6月25日by高田悟)

●ユー・エス・エス(4732)【 2+→2+】
「26/3期は営業過去最高益更新と増配を同社は予想」
TIWでは投資評価「2+」を維持する。理由は、25/3期は市場が伸び悩む中(新車及び中古車登録台数がともに前年からほぼ横ばい)で営業過去最高益確保の好決算、25/3期決算では市場を上回る成長を実現し、市場シェア(オートオークションへの出品台数)拡大を図ったことなどが評価できる、26/3期は営業過去最高益更新と増配を同社は予想するが、TIWは同社期初計画の達成確度は高いとみること、更には、横浜、東京、HAA神戸の新築立替、立体駐車場の新設など顧客の利便性向上等により目標の市場シェア50%に向け着実な前進が見込め、使用年数が浅く、高単価な小売り向け車両で高い競争力も持つブランド力などから中期的に着実な成長と高収益の維持が見込めることなどによる。
予想ROE:17.7% PBR:3.9倍、来期予想PER:19.8倍、来期予想EPS成長率:5%
株価(6/27 終値):1,573円 Fモデルによる理論株価:1218円(6月26日by高田悟)

 

TIWではコンセンサス・データ等を利用して、独自に日経平均の今期予想ベース、来期予想ベースのROE、PBR、リスクプレミアム等を算出しております。
算出したマーケット参考値と個別企業の株価指標を比較し、さらにアナリストの予想を加味して選択をしています。
※文中のROE、PBR、PER等の数値は、特に断りが無い限りは、レポート発行時に算出した値です。

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
TIWマガジン「投資の眼」   株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。

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