今週の注目レポート (2月25日)

【F’sセレクション】
チーフ・アナリスト藤根靖晃が、直近1週間に発行された全レポートから独自の視点(ROE・財務レバレッジ・PBR水準等)で、注目銘柄をピックアップします。


●サトーホールディングス(6287)【 2+→2+】

「コストダウンや価格転嫁の効果は来23/3期から本格的に表れよう」
22/3期3Q(10-12月)は前年同期比9%増収、15%の営業減益。海外はプリンタ等の需要は旺盛で、バックオーダーの解消も進んだこともあり、3Q売上は過去最高に達し利益も伸ばした一方、国内は売上が前年並みで、原材料価格や輸送費の高騰で大きく利益を落とした。会社側は通期業績予想を据え置いている。製造・輸送コスト高、原材料価格高騰の影響は4Qも続く見通しで、製品価格転嫁の効果は来期以降本格化しよう。通期から差し引いた4Qの減益計画も一定のコスト増を織り込んだ妥当な内容と考え、通期TIW予想も従来通りとする。
予想ROE:6.6% PBR:1.2倍、来期予想PER:12.7倍、来期予想EPS成長率:38%
株価(2/25終値):2,018円 Fモデルによる理論株価:2,783円(2月21日by服部隆生)

●シスメックス(6869)【 2→2+】
「年初からの株価急落は売られ過ぎとみる。株価の見方を変更」
22/3期3Q累計(4-12月)は、機器は中国の反動減などもあり実質減収となる一方、試薬売上が大きく伸長。営業活動再開による販管費や研究開発費の増加はあったが、試薬や好採算製品の伸びによる製品ミックス良化の他、円安も寄与し、輸送費などコスト上昇を吸収して採算性は向上。会社側は通期業績を据え置いている。株価は今年に入り急落している。3Q決算の中国の停滞も下落に拍車をかけたとみられる。ただ、中国の状況も今後更に悪化するとは考えにくく、来期以降も全体で2桁増益基調を維持できる公算が高いことを踏まえると、株価は売られ過ぎとみる。中期的な株価上昇の可能性が高いとTIWでは判断し、見通しを「アウトパフォーム」に1段階引き上げる。
予想ROE:13.6% PBR:5.3倍、来期予想PER:33.4倍、来期予想EPS成長率:18%
株価(2/25終値):8,824円 Fモデルによる理論株価:4,316円(2月24日by服部隆生)

●ジャパンエレベーターサービスホールディングス(6544)【 1→1】
「3Q累計、3Q単独でも保守・保全業務、リニューアル業務がともに大幅増収」
投資評価は「1」(Buy)を継続。この理由は、1)右肩上がりの成長が続いており、足下の業績も堅調で22/3期は同社計画を上回る増益と過去最高益更新が見込めること、2)成長に向けた体制強化が加速(同業他社のM&Aや未進出地域への進出による営業エリア拡大等により保守契約台数の伸びが順調なことや、高層のテストタワー竣工など研究開発体制の充実等によるサービス品質、技術力の強化等)していること、このため3)23/3期以降も同社の中短期の目標(保守契約台数10万台[市場シェア約10%]、営業利益率20%)達成に向け着実な前進が期待できること、などによる。目標株価は前回の3,000円を維持する。
予想ROE:24.0% PBR:12.1倍、来期予想PER:37.2倍、来期予想EPS成長率:30%
株価(2/25終値):1,459円 Fモデルによる理論株価:596円(2月24日by高田悟)

 

 

TIWではコンセンサス・データ等を利用して、独自に日経平均の今期 予想ベース、来期予想ベースのROE、PBR、リスクプレミアム等を算出 しております。
(詳しくは、以下のサイトをご覧下さい)〔http://column.ifis.co.jp/category/market/tiw
こうして算出したマーケット参考値と個別企業の株価指標を比較し、 さらにアナリストの予想を加味して選択をしています。
※文中のROE、PBR、PER等の数値は、特に断りが無い限りは、 レポート発行時に算出した値です。

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。