今週の注目レポート (2月18日)

【F’sセレクション】
チーフ・アナリスト藤根靖晃が、直近1週間に発行された全レポートから独自の視点(ROE・財務レバレッジ・PBR水準等)で、注目銘柄をピックアップします。


●ミネベアミツミ(6479)【 2→2+】

「22/3通期ではミツミ事業が更に上振れの見込み。株価の見方を変更」
22/3期3Q(10-12月)は前年同期比10%増収、32%営業増益。光デバイスやアナログ半導体等の好調なミツミ事業が引き続き好調で、会社想定を上振れた。機械加工品も高水準の営業利益率を確保。材料費の高騰や半導体不足などアゲンストの環境下としては健闘した内容とTIWでは捉えている。会社側は通期業績予想を再度上方修正した。営業利益はミツミ事業で増額されたが、他部門も含め収益性は前期を大きく上回る見通しだ。ボールベアリングを中心とする機械加工品の安定的な高収益に加え、モータやアナログ半導体などの利益貢献が加速してきた。全体では低調な分野を好調分野でカバーする好循環も出来つつある。株価には割安感が出ており、TIWでは「アウトパフォーム」に見通しを1段階引き上げる。
予想ROE:15.0% PBR:2.3倍、来期予想PER:13.4倍、来期予想EPS成長率:14%
株価(2/18終値):2,545円 Fモデルによる理論株価:3,038円(2月15日by服部隆生)

●いすゞ自動車(7202)【 1→1】
「3Q単独は厳しい事業環境下で2桁営業増益、評価できる決算」
22/3期3Q累計決算はコロナ影響を強く受けた前年からの販売回復により営業利益が前年同期比2.4倍の1,486億円となった。3Q単独の営業利益は同11%増の513億円となった。3Q単独では半導体供給不足により国内や北米向けCV(商用車)出荷に大きく支障が生じ、タイでの新型LCVの生産制約が強まる中で、出荷を新興国CVに振替、タイでは旧型LCVと輸出向け出荷に注力することで販売台数を伸ばし、厳しい資材費や物流費高騰影響を吸収し2桁増益を確保したことが評価できる。タイでは半導体供給不足の解消に概ね目途が付きLCV生産が上向いていることがポジティブ。TIWでは22/3期は同社計画を上回る増益は見込み、23/3期は2桁営業増益を予想。株価指標面にも割安感があるため投資評価は「1」を維持する。
予想ROE:9.3% PBR:1.1倍、来期予想PER:9.2倍、来期予想EPS成長率:15%
株価(2/18終値):1,598円 Fモデルによる理論株価:2,423円(2月16日by高田悟)

●メック(4971)【 2→2+】
「投資をこなしながらの成長に期待」
21/12期は薬品販売が好調、為替がプラスに働き、販売管理費は前期比増加ながら売上増により販売管理費比率が低下したことにより、大幅増収増益で着地。22/12期の会社側業績予想は増収微増益である。売上は10%程度増加するが利益はほぼ横ばいである。理由は、人件費等の増加(将来の事業拡大のため)、増収率を保守的に見ているためである。しかし、TIWはこれをネガティブにはみていない。新たな生産拠点の計画があるようにビジネスは今後も拡大することが期待できるからである。22/12期の配当は5円/年増配の40円/年の予定である。投資評価「2+」へ変更する。理由は、株価調整によりバリエーションに割安感が出てきた、会社側業績予想は保守的、新生産拠点の発表もあり、今後も同社薬品への需要増加に変化がないと期待できる、からである。
予想ROE:14.2% PBR:2.8倍、来期予想PER:16.6倍、来期予想EPS成長率:14%
株価(2/18終値):3,040円 Fモデルによる理論株価:2,989円(2月16日by山方秀之)

 

 

TIWではコンセンサス・データ等を利用して、独自に日経平均の今期 予想ベース、来期予想ベースのROE、PBR、リスクプレミアム等を算出 しております。
(詳しくは、以下のサイトをご覧下さい)〔http://column.ifis.co.jp/category/market/tiw
こうして算出したマーケット参考値と個別企業の株価指標を比較し、 さらにアナリストの予想を加味して選択をしています。
※文中のROE、PBR、PER等の数値は、特に断りが無い限りは、 レポート発行時に算出した値です。

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。