今週の注目レポート (1月21日)

【F’sセレクション】
チーフ・アナリスト藤根靖晃が、直近1週間に発行された全レポートから独自の視点(ROE・財務レバレッジ・PBR水準等)で、注目銘柄をピックアップします。


●バリュエンスホールディングス(9270)【 2+→2+】

「今後への期待が持てる決算」
22/8期1Q業績は前年同期比増収減益で着地した。減益要因は、ネオスタ社統合による販売管理費7億円増加である。売上が伸びなかったのは、期首在庫減少及び小売店在庫の確保をしたからである。その為、増収要因は自社オークションではなく小売(前年同期比12億円増、同218.4%増)である。TIWは引続き同社の成長機会についての見方に変更はしていない。KPIは事業が順調であることを示しており、1Qの増収率が見劣りした原因である仕入は過去最高までになっている。しかし、オミクロン株の拡大が再度店舗の休業につながる可能性があるため、影響を2Qまで確認したく投資評価「2+」を維持する。2Q確認時で影響が大きくなければ「1」への変更を検討する。
予想ROE:11.9% PBR:4.0倍、来期予想PER:21.0倍、来期予想EPS成長率:44%
株価(1/21終値):1,735円 Fモデルによる理論株価:1,357円(1月17日by山方秀之)

●デンソー(6902)【 2+→2+】
「燃料ポンプ事業を愛三工業に売却(速報)」
17日、同社はパワートレイン事業における一部製品であるフューエルポンプモジュール等の開発・生産・販売の国内外の一連の事業を本年8月1日付で同じトヨタ自動車グループ内でエンジン部品を中心とする愛三工業(7283)に譲渡すると発表。なお、21/3期のフューエルポンプ事業の売上収益は704億円で本譲渡に伴う業績影響は軽微であるとした。また、同事業譲渡に伴い同社は愛三工業と連携し顧客への供給責任を果たすとともに、環境・安心などの注力分野の強化を加速させるとしている。
予想ROE:8.5% PBR:1.9倍、来期予想PER:19.8倍、来期予想EPS成長率:10%
株価(1/21終値):8,822円 Fモデルによる理論株価:7,633円(1月18日by高田悟)

●インテリックス(8940)【 1→1】
「プライム市場選択による変革に期待」
22/5期2Q業績は前年同期比減収増益で着地。1Qでの在庫確保が十分にできなかったことが要因である。しかし、中古マンション価格上昇による利益率向上やソリューション事業が堅調であったことなどで増益を達成した。市場変更で同社は「プライム市場」を選択したが、流通株式時価総額は基準を満たしていないため、27/5期までを計画期間と定め、基準を満たすために各種取組を進める。詳細は22/5期決算説明会で発表される予定であり、その際にこれまでより高い年平均15%の利益成長を達成するための改革や株主還元策が期待できる。同社はソリューション事業分野のようにフロー(毎年の利益)ではなくストックで評価すべき事業も行っている。その為、同社の評価は資産の質で行うべきとTIWは考えている。
よって、投資評価「1」を維持し目標株価はBPS近くの1,380円とする。
予想ROE:5.9% PBR:0.5倍、来期予想PER:4.7倍、来期予想EPS成長率:na%
株価(1/21終値):620円 Fモデルによる理論株価:1,324円(1月20日by山方秀之)

 

TIWではコンセンサス・データ等を利用して、独自に日経平均の今期 予想ベース、来期予想ベースのROE、PBR、リスクプレミアム等を算出 しております。
(詳しくは、以下のサイトをご覧下さい)〔http://column.ifis.co.jp/category/market/tiw
こうして算出したマーケット参考値と個別企業の株価指標を比較し、 さらにアナリストの予想を加味して選択をしています。
※文中のROE、PBR、PER等の数値は、特に断りが無い限りは、 レポート発行時に算出した値です。

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。