今週の注目レポート (2月12日)

【F’sセレクション】
チーフ・アナリスト藤根靖晃が、直近1週間に発行された全レポートから独自の視点(ROE・財務レバレッジ・PBR水準等)で、注目銘柄をピックアップします。

●スズキ(7269)【 2+→2+】
「主要国内及びインドの四輪車販売回復が鮮明、3Q単独で2桁営業増益」
3Q累計決算では主要国内やインドでの四輪車販売のコロナ禍からの回復が鮮明となり3Qのみで2桁の増益を確保したこと、原材料高影響等を受けつつも、小さいクルマで稼ぐビジネスモデルでありながら高水準の利益率を2Qに続き3Qに確保したこと、国内販売がバックオーダーを抱え堅調なことなどがポジティブに評価できる。21/3期は計画上振れ、22/3期は2桁増益を見込むこと、電動化への対応、準備も着実に進むとみることなどから投資評価は「2+」を維持。
予想ROE:7.3% PBR:1.6倍、来期予想PER:16.6倍、来期予想EPS成長率:12%
株価(2/12終値):4,906円 Fモデルによる理論株価:4,740円(2月8日by高田悟)

●ホンダ(7267)【 1→1】
「四輪販売台数予想下方修正の一方で利益計画を上方修正、収益体質改善が進む」
3Q累計決算では、(1)9カ月間累計は減益も3Q単独では増収に転じ、大幅営業増益となったこと、(2)3Q単独では2Qに続き7%台の高い営業利益率を確保したこと、(3)特に課題の四輪事業で前年から営業利益率が大きく改善したこと、(4)半導体不足の影響から四輪販売台数予想下方修正の一方で営業利益予想を上方修正したことで同社の収益体質の改善が一段と明確になったこと、(5)年間配当予想を増額修正したこと、などがポジティブであり評価できる。TIWでは21/3期1Qを底に二輪事業、金融事業の高収益と四輪事業の体質改善が相俟って業績回復基調が続くとの見方に変化なく、22/3期は21/3期から増益に転じるとみることに加え、株価指標面にも割安感が強いため投資評価は「1」(Buy)維持する。
予想ROE:5.5% PBR:0.7倍、来期予想PER:8.6倍、来期予想EPS成長率:35%
株価(2/12終値):3,019円 Fモデルによる理論株価:4,549円(2月10日by高田悟)

●トヨタ自動車(7203)【 2+→2+】
「3Q単独は大幅増益、営業利益率は12.1%、通期営業利益予想を大幅に上方修正」
3Q累計は1Q(4-6月)のコロナ影響が強く残り前年同期比26.1%営業減益となったが、3Q単独(10-12月)の営業利益は同54.3%増益と大幅増益となった。また、3Qの営業利益率は2Qの7.5%から12.1%へ更に上昇した。高レベルの利益率確保は魅力のある商品が市場毎に適切に投入されていること、質の高い販売ができていること、コロナ禍の危機下でコスト削減等体質改善が一段と進んでいることの証左と考えられポジティブに評価できよう。更には、21/3期通期計画を販売台数予想の上方への見直しを伴い大幅に上方修正したこと、TIWでは修正計画にはなお上振れ余地があり、続く、22/3期は増益に転じるとみること、22/3期TIW予想PER11.1倍など株価指標面に特段割高感がないことなどから上値を試す株価展開を予想。
予想ROE:8.9% PBR:1.2倍、来期予想PER:11.1倍、来期予想EPS成長率:22%
株価(2/12終値):8,413円 Fモデルによる理論株価:9,680円(2月12日by高田悟)

 

TIWではコンセンサス・データ等を利用して、独自に日経平均の今期 予想ベース、来期予想ベースのROE、PBR、リスクプレミアム等を算出 しております。
(詳しくは、以下のサイトをご覧下さい)〔http://column.ifis.co.jp/category/market/tiw
こうして算出したマーケット参考値と個別企業の株価指標を比較し、 さらにアナリストの予想を加味して選択をしています。
※文中のROE、PBR、PER等の数値は、特に断りが無い限りは、 レポート発行時に算出した値です。

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。