今週の注目レポート (12月25日)

【F’sセレクション】
チーフ・アナリスト藤根靖晃が、直近1週間に発行された全レポートから独自の視点(ROE・財務レバレッジ・PBR水準等)で、注目銘柄をピックアップします。

●ギフト(9279)【 2+→2+】
「結果としてコロナは同社に対してポジティブ?」
21日、20/10期決算説明会が開催された。今決算を経てコロナ禍は同社に対して結果としてポジティブであったと感じた。当然ポジティブなことだけでなく営業時間短縮や顧客数減少とネガティブなことがあったが全体でみるとポジティブであったと判断している。それは、成長の足かせとなる人手不足や好立地の出店地確保がコロナ禍により解消されたからである(ライバルとなる外食が減ったことも含)。合わせて宅配への進出も背中を押されたとTIWは考えている。結果として人材確保や店舗展開も計画以上に達成され、それが20/10期の「増収減益」に表れている。
予想ROE:17.9% PBR:5.3倍、来期予想PER:17.5倍、来期予想EPS成長率:58%
株価(12/25終値):1,716円 Fモデルによる理論株価:1,397円(12月23日by山方秀之)

●TOYO TIRE(5105)【 1→1】
「大口径タイヤの供給力不足解消が進む、21/12期は2桁営業増益をTIWは予想」
12月中旬に入り株価はやや軟調な展開が続く。国内外でのコロナ感染再拡大、1米ドル105円割れの円高の定着、天然ゴム価格の上昇など外部環境悪化への懸念が背景とみられる。TIWでは原材料価格や為替などのある程度の変動に対しては大口径タイヤ中心に値上げで影響を吸収できるポジションにあり、足元のような急激な原材料高や円高の進行でなければ大きな懸念は不要と考える。更には、コロナ感染再拡大の影響は予断を許さないが、主要市場の北米で大掛かりな影響が発生しなければ21/12期は同社固有の要因(供給力不足及びバックオーダーの解消等)により2桁営業増益が見込めるとの見方に変化がないことなどから投資評価は「1」を継続。目標株価は前回の2,550円(21/12期TIW予想EPSの15.5倍[過去3カ年の実績PER平均])を維持。
予想ROE:8.0% PBR:1.1倍、来期予想PER:9.3倍、来期予想EPS成長率:38%
株価(12/25終値): 1,587円 Fモデルによる理論株価:2,305円(12月24日by高田悟)

●東プレ(5975)【 2+→1】
「複数新車種が立上がる下期はプレス回復による大幅営業増益を同社は計画」
TIWでは前回12月2日の21/3期上期決算説明会翌日のレポート時に投資評価を「2+」とした。その後の21/3期下期(10-3月)同社業績予想の精査、新車種立上げや設備投資スケジュールの確認、同社への取材等を踏まえ、TIWでは21/3期上期が業績の底となり、22/3期以降はV字回復との見方を改めて強めたことに加え、足元、株価は堅調も22/3期TIW予想PER6.6倍など株価指標面にも依然割安感が強いため、今般、投資評価を「1」(Buy)へ引き上げる。目標株価はV字回復を見込む中、PBR1倍程度への株価は妥当であり、同水準への株価回復は可能とみて2,720円とする。
予想ROE:4.0% PBR:0.6倍、来期予想PER:6.6倍、来期予想EPS成長率:106%
株価(12/25終値):1,519 円 Fモデルによる理論株価:3,334円(12月25日by高田悟)

 

TIWではコンセンサス・データ等を利用して、独自に日経平均の今期 予想ベース、来期予想ベースのROE、PBR、リスクプレミアム等を算出 しております。
(詳しくは、以下のサイトをご覧下さい)〔http://column.ifis.co.jp/category/market/tiw
こうして算出したマーケット参考値と個別企業の株価指標を比較し、 さらにアナリストの予想を加味して選択をしています。
※文中のROE、PBR、PER等の数値は、特に断りが無い限りは、 レポート発行時に算出した値です。

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。