今週の注目レポート (11月13日)

【F’sセレクション】
チーフ・アナリスト藤根靖晃が、直近1週間に発行された全レポートから独自の視点(ROE・財務レバレッジ・PBR水準等)で、注目銘柄をピックアップします。

●トヨタ自動車(7203)【 2+→2+】
「期初に急減した販売が早いペースで回復、通期計画を大幅に上方修正」
6日、21/3期上期(4-9月)決算を発表。6カ月間では新型コロナ影響による1Q(4-6月)の前年同期比98.1%営業減益が響き、営業利益は同62.8%減の5,199億円となった。ただし、2Q(7-9月)の3カ月間は営業利益が同23.2%減の5,060億円(営業利益率7.5%)となり1Qの139億円から急回復した。連結販売台数が1Qの1,158千台(前年同期比50%減)→2Qは1,928千台(同17.6%減)まで回復、コロナ禍での1Qの在庫減少に伴う挽回生産も相俟って高稼働となったこと、更には経費削減が進み、主要北米で販売奨励金が適切にコントロールされ中古車価格が堅調に推移したことなどによる。
予想ROE:7.2% PBR:1.1倍、来期予想PER:11.0倍、来期予想EPS成長率:34%
株価(11/13終値): 7,316円 Fモデルによる理論株価:8,001円(11月9日by高田悟)

●ヤマハ発動機(7272)【 2→2+】
「3Qは2桁営業増益、2Qを底に新型コロナ影響から回復局面に入る」
9日、20/12期3Q累計(1-9月)決算を発表。9カ月間では2Q(4-6月)中心に新型コロナ影響を強く受けた影響が残り前年同期比16%減収、営業利益は同44%減の563億円となった。ただし、3Q(7-9月)のみではコロナ禍からの経済活動の回復とともに2Qを底に概ね全ての事業で需要、生産、出荷が2Qから上向き同7%減収と売上は前年割れに留まったものの、営業利益は出荷回復に危機下での経費削減、合理化などが相俟って同20%増の372億円と2Qの赤字から増益に転じた。
予想ROE:5.8% PBR:0.8倍、来期予想PER:8.0倍、来期予想EPS成長率:55%
株価(11/13終値): 1,929円 Fモデルによる理論株価:2,626円(11月10日by高田悟)

●ジャパンエレベーターサービスホールディングス(6544)【 1→1】
「上期は大幅営業増益、21/3期計画を上方修正(速報)」
12日発表の21/3期上期(4-9月)決算は前年同期比5.8%増収、営業利益は同33.6%増の16.1億円と大幅増益。リニューアル業務売上高が緊急事態宣言に伴う工事日程再調整や完工引き渡し時期スライドの影響等により同13.5%減の23.4億円に留まったが、保守・保全業務売上高が同12.6%増の82.4億円となり好調に推移したことによる。投資評価は「1」を維持。上期の大幅増益、通期計画上方修正、下期も前年から28.3%の営業増益見通しであることに加え、配当予想増配(年間配当予想は未定→22円[前期18円]に修正)がポジティブ。更にはウィズコロナ下、コスト削減意識の高まりを背景に保守契約台数を継続的に積み上げ高成長が続くとみることによる。目標株価は前回の5,450円(23/3期TIW予想EPSの80倍)を先ずは維持する。
予想ROE:38.6% PBR:21.7倍、来期予想PER:77.9倍、来期予想EPS成長率:8%
株価(11/13終値):4,515円 Fモデルによる理論株価:1,342円(11月13日by高田悟)

 

TIWではコンセンサス・データ等を利用して、独自に日経平均の今期 予想ベース、来期予想ベースのROE、PBR、リスクプレミアム等を算出 しております。
(詳しくは、以下のサイトをご覧下さい)〔http://column.ifis.co.jp/category/market/tiw
こうして算出したマーケット参考値と個別企業の株価指標を比較し、 さらにアナリストの予想を加味して選択をしています。
※文中のROE、PBR、PER等の数値は、特に断りが無い限りは、 レポート発行時に算出した値です。

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
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