今週の注目レポート (8月14日)

【F’sセレクション】
チーフ・アナリスト藤根靖晃が、直近1週間に発行された全レポートから独自の視点(ROE・財務レバレッジ・PBR水準等)で、注目銘柄をピックアップします。

●田中建設工業(1450)【 1→1】
「21/3期1Qは売上微増ながら粗利益率大幅上昇から大幅増益」
7日発表の21/3期1Q決算は、前年同期比で売上高+1.9%、営業利益+219.9%であった。工事着工の遅れなどから売上高は微増に留まったが、粗利益率が前年同期の15.7%から29.0%へと急伸し、大幅増益となった。新型コロナウイルスによる影響は1Q時点では殆ど見られない模様であり、受注環境には特に変化はない模様である。投資評価「1」(Buy)を継続。1Q時点での会社側の開示は限定的であることから、TIWターゲットプライスは前回の5,000円を継続する。
予想ROE:14.2% PBR:2.1倍、来期予想PER:12.9倍、来期予想EPS成長率:10%
株価(8/14終値):4,640円 Fモデルによる理論株価:4,484円(8月11日by藤根靖昊)

●TOYO TIRE(5105)【 2+→2+】
「大口径タイヤ販売は好調を維持、下期の営業利益率は12%台への回復を見込む」
上期は新型コロナ影響から大幅営業減益となった。しかし、同日の電話会議で足元の工場稼働は回復基調、主要米国で大口径タイヤ需要が堅調なことなどが確認できたことがポジティブ。また、同日再公表した20/12期計画では下期(7-12月)に米国販売好調や稼働改善などにより営業利益率は12%台への回復を見込み、年間配当予想は業績悪化の中で前年並みを維持したことなどが評価できる。更には、今般公表の計画は保守的で上振れ余地があるとみること、新型コロナ禍の特殊状況下にあることを踏まえれば20/12期TIW予想PER15.4倍、実績PBR1.10倍などなの株価指標面にも割安感があることなどから、投資評価は「2+」を維持する。
予想ROE:6.6% PBR:1.1倍、来期予想PER:9.2倍、来期予想EPS成長率:68%
株価(8/14終値):1,705円 Fモデルによる理論株価:1,923円(8月11日by高田悟)

●クニミネ工業(5388)【 新規→1】
新規カバレッジ:ベントナイトの国内最大手企業。アプリケーション拡大に期待
ベントナイトを手掛ける国内最大手企業。ベントナイトは数多く存在する粘土の一種で、モンモリロナイトを主成分として珪酸鉱物が含まれた弱アルカリ性粘土岩の総称。人体に安全で水を吸収する性質や粘性・耐熱性もあり、自動車などの一般工業用途から化粧品などファイン分野まで幅広く利用されており、千の用途を持つ粘土と言われる。世界的にベントナイトの生産量は拡大傾向にあり、中国やトルコの生産量が急増。今後の市場拡大が期待される。投資評価は「1」(Buy)で新規にカバー開始。目標株価はPBR約1倍の1,400円とする。
予想ROE:5.6% PBR:0.8倍、来期予想PER:10.8倍、来期予想EPS成長率:21%
株価(8/14終値):1,000円 Fモデルによる理論株価:1,643円(8月11日by山田順一)

●メック(4971)【 2+→2+】
「巣籠、テレワークの恩恵が大きい」
2Q累計(1-6月)は増収大幅増益で着地。サーバー需要、巣ごもり&テレワークによりPCやタブレット重要が高まり好採算のCZシリーズ等が伸びたことが増収の主要因であり、増益は増収及び出張費等の販売管理費削減の効果である。一方、自動車向けや中華スマホ向けは低調であった。ここから何年かは収益性が高いサーバー向け、5Gインフラ向けの拡大期待が大きい。今下期は自動車向けは弱含むが、自動車の電動化、CASEも将来期待は大きい。また、株価評価は予想PER(8/13)が1部上場企業平均30.42倍を下回っている。よって投資評価「2+」を維持する。
予想ROE:8.5% PBR:2.4倍、来期予想PER:21.8倍、来期予想EPS成長率:29%
株価(8/14終値): 1,916 円 Fモデルによる理論株価:1,418円(8月14日by山方秀之)

 

TIWではコンセンサス・データ等を利用して、独自に日経平均の今期 予想ベース、来期予想ベースのROE、PBR、リスクプレミアム等を算出 しております。
(詳しくは、以下のサイトをご覧下さい)〔http://column.ifis.co.jp/category/market/tiw
こうして算出したマーケット参考値と個別企業の株価指標を比較し、 さらにアナリストの予想を加味して選択をしています。
※文中のROE、PBR、PER等の数値は、特に断りが無い限りは、 レポート発行時に算出した値です。

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
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