日経平均42,000円突破から再び下落し4万円前後を方向感なく推移中…日本株ここからどうなる?~2024年7月19日版~

2024/07/19

 

再び日経平均株価が4万円を割り込みました。まだ終値は分からない状況ですが、7/19前場時点で日経平均株価は続落し4万円を割り込んでいます。

もちろん、このまま終値まで見ないと結果的にどのような水準に留まるか分かりません。しかしながら、7/2以降4万円を維持してきたことを考慮するとやや気がかりでしょう。

上昇トレンドらしい上昇トレンドを迎えることなく緩やかに上昇したと思ったら、今後は緩やかに下落しいったいどの方向に動いているのか分からないのが現状かもしれません。

その点を考慮すると、日経平均株価が節目となる水準を突破しているものの、依然としてボックス圏を方向感なく推移していると考えるのが妥当とも言えるでしょう。

なかなか掴み所がない推移が続く日本株ですが、はたしてここからどうなるのでしょうか。

そこで今回も、私たちが日本株市場のトレンドを捉えることを目的に独自開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきましょう。

 

今週の株式市場動向


こちらをご覧ください。こちらは2024/7/4~2024/7/18の日経平均株価と株トレンド指数の状況です。

※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です

株トレンド指数は、以下のような6つの指数で構成されています。

  • 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
  • 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
  • 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
  • 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
  • OVER指数…上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数
  • RISK指数…大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数

※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください

これらの指数をふまえると、今週の株式市場は日経平均株価と株式市場全体が”あまり連動していない週”でした。

直近は連動に近い状況が続いていましたが、ここにきて連動性が急になくなりました。そのようなこともあり、日経平均株価だけを基準に相場分析する人たちと、私たちのように株トレンド指数も使って分析する人たちでは差異が生じたでしょう。

中でも、日経平均株価を円単位で見て相場分析する人は差異が大きく生じたと考えられます。円単位での変動幅を見て、今の状況を錯覚している可能性があります。

なぜなら、円単位で見ると約2,000円急降下したように見えますが、実際にはその数字の印象ほど下落していないからです。

詳細を見ると、週初め7/16は日経平均株価は小幅上昇しました。それに伴い株トレンド指数も上昇傾向を示す天井指数が最も目立ちたました。ただし、日経平均株価の動きの通り天井指数もわずかな水準に発生にとどまっています。

7/17以降は、日経平均株価と株トレンド指数に差異が生じました。ここまで差異が発生したのは、とても久しぶりのことです。

7/17は日経平均株価が小幅下落したのに対して、株トレンド指数は上昇傾向を示す天井指数が最も目立ちました。その水準は54で7月では最も高い水準です。

日経平均株価が42,000円を突破する前後の天井指数よりも高い水準まで到達しました。しかし、日経平均株価は小幅下落したので、ここから差異が生じ始めました。

そして7/18はとても大きな差異が生じました。日経平均株価は割合でみると2.36%の下落ですが、円単位で見ると約970円の下落を見せました。

日経平均株価を円単位で見て、それを相場分析にしているひとがいたならば、今週の中では最も大きな差異になったでしょう。

なぜなら株トレンド指数では、依然として上昇傾向を示す天井指数が最も目立つ状態だったからです。

7/19前場時点で日経平均株価は3万円を割りましたので、場合によってはこの情報と合わせると、今の株式市場全体のトレンドを錯覚した可能性があります。

しかし、実際は株トレンド指数の通り、円単位でみたほど下落していません。日経平均株価も割合で見れば問題ありませんが、まだ10%にも満たない下落です。

円単位で見ると今週は日経平均株価が約2,000円急降下したように見えます。もちろん割合で見ればそこまでのインパクトはありませんが、株トレンド指数で見ても、それほど慌てるような変動ではないことが分かります。

あくまでも、今週の下落は次の上昇に向けていったん下落したように見えます。もしくは想定よりもボックス圏を水準が下がった可能性はありますが、以前の水準よりは高い水準で止まるような日経平均株価の下落に見受けられます。

いずれにしても、円単位で見るような実態はなく、あくまでも通常の株価変動の範囲に留まっていると判断できるでしょう。

反対に言えば、通常の株価変動の範囲に留まってにも関わらず、日経平均株価を円単位で捉える人にとっては、必要以上にリスクを感じる週だったでしょう。

では、直近2ヶ月間の状況もふまえて、現状をより詳しく見てみましょう。日経平均株価を基準に見ると、先週横ばい状態を抜け出しましたが、勢いが不足していたこともあり、再び上昇前の水準に戻るように推移しています。

もしくは、上昇前の水準までは戻らず、6月下旬までのボックス圏の水準を上げ4万円付近を中心にしたボックス圏に水準を上げる可能性もあります。

いずれにしても、42,000円への上昇は本格的な上昇トレンドの発生によるものではなく、ボックス圏の水準が一段上がる程度に留まる上昇によるものだったと考えられます。

一方、株トレンド指数を基準に見ると、これまで本格的な上昇トレンドの発生も期待できた状況でしたが、上昇傾向を示す天井指数がいったん収束していることが分かります。

もちろん、ここから再上昇の可能性もありますが、それは楽観的な発想かもしれません。もし上昇するとしても、今の天井指数から想定して、ボックス圏の天井付近に進む緩やかなもののにとどまるでしょう。

このように先週は日経平均株価が節目となる42,000円を突破しましたが、そこから下落し今の水準まで落ちつつあります。

しかし、上記の通り円単位ほどの下落のインパクトはなく、あくまでもボックス圏の水準を探すような下落にとどまっていることが分かります。

ここで補足として株式市場全体の需給バランスも見ておきましょう。タイムラグはありますが最新の 「投資主体別売買動向」を見ると需給バランスは以下の通りでした。

  • 外国人投資家:わずかに買い→買いがやや強まる
  • 個人投資家:大きく売り→大きく売り
  • 日本の機関投資家:中立→買い

三者をまとめると全体の需給バランスは「やや売り優勢」です。今回も個人投資家だけが違った動きをしています。この売りの大きさは3月以来の大きさです。

まだ株式市場全体の需給バランスを崩すような売りにはなっていないものの、個人投資家の動きが上値を重たくしている要因なのかもしれません。

これにより本格的な上昇トレンドには至らず、引き続き2021年以降の特性である緩やかな上昇にとどまっているのでしょう。

また、この需給バランスがあることで、今週のように下落したとは言っても大きく崩れるような下落ではなく、ボックス圏の水準を探すような下落にとどまっていることが分かります。

このように、どちらの方向を見ても「とどまる」という言葉が出ていますので、ここからも引き続きボックス圏を推移することが想定されるでしょう。

また、円単位で見るとインパクトのある下落ですが、そういった下落でもないことが、この需給バランスからも見受けられます。

できれば、42,000円突破をきっかけに、そのまま上昇を期待したいところでしたが、現状を見る限り、そこまでの上昇は期待できなさそうです。

もちろん可能性として、ここからの本格的な上昇もありますが、それは小さな可能性にとどまるでしょう。

またその裏を返すように、大きな変動が見込めないこともあり、ここからボックス圏の水準の調整が付けば、再び横ばい状態に入る可能性もあります。

このように、まだ全体としてボヤッとしているのが現状の株式市場です。一時的に日経平均株価42,000円を突破しましたが、引き続き緩やかな変動が続くと考えられるでしょう。

「円単位の変動ほど株式市場は動いていない」その一言に尽きるのが、今週の株式市場かもしれません。

とはいえ、ここからはボックス圏の水準が以前に戻るのか、それとも4万円前後になるのかはポイントになりますので、引き続き注目していきましょう。

※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。

※2.本記事は2024/7/18(木)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました(日経平均株価のみ7/19前場時点の状況を含みます)。

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この記事を書いている人

高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ) ー高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ)ー

トレード歴12年以上の現役トレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。単年で負ける年もあったものの12年間以上、安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。

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