日経平均40,000円回復から小幅上昇が続きそのまま上昇中…日本株どこまで上がる?~2024年7月5日版~

2024/07/05

 

ようやく「日経平均株価40,000円」に回復しました。小幅上昇を続けそのまま下落することなく40,000円台を維持しています。

しかし、上昇トレンドが発生したような上昇は発生せず、依然として「結果的には上昇していた」「気がついたら、この水準に戻っていた」などの印象を持たられている方が多いかもしれません。

実際に日経平均株価の変動幅を見ても大きくても1.26%の上昇にとどまっています。つまり、今の4万円回復は円単位で見るよりもあまり上昇していないのでしょう。

とはいえ、4万円というその印象で投資家心理が変化し、ここから日本株市場が上昇する可能性がないとは言い切れません。はたして日本株市場は、これからどうなるのでしょうか。

そこで今回も、私たちが日本株市場のトレンドを捉えることを目的に独自開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきましょう。

 

今週の株式市場動向


こちらをご覧ください。こちらは2024/6/21~2024/7/4の日経平均株価と株トレンド指数の状況です。

※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です

株トレンド指数は、以下のような6つの指数で構成されています。

  • 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
  • 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
  • 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
  • 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
  • OVER指数…上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数
  • RISK指数…大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数

※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください

これらの指数をふまえると、今週の株式市場は先週の状況が加速し、日経平均株価と株式市場全体が”連動している週”でした。

また、以前よりお伝えしていた無風状態が先週から変わり、今週に入りようやく無風状態を脱したように見受けられます。

ただし、1つだけ注意しなければならないことがあります。それは前述の通り、無風状態を脱したとはいえ、それほど上昇していない点です。

日経平均株価が4万円に回復しましたが、これは上昇トレンドが発生し、株式市場全体が上昇したことで回復したものではなく、あくまでも小幅上昇を積み重ねたことで起きたことです。

それをふまえると、いくら日経平均株価が4万円を回復したとはいえ、私たち個人投資家にとってはあまり嬉しくない回復だと思われてます。

もし、これが上昇トレンドが発生し、これまで続いていたボックス圏を勢いよく上抜けするようなものであれば、利益の源泉である株価変動がそれなりに発生します。

しかし、今週の日経平均株価は、合計しても3%少々の上昇にとどまっています。内訳を見ても1%未満や1%少々の上昇であることから、投資家にとっては旨味のない状況でしょう。

加えて、これまで何度かお伝えしたことがありましたが、この株価水準にくると同じ1%の変動でも、円単位では大きな変動になり錯覚を起こしやすくなります。

これまで誰もが見たことがなった水準となると、その感覚も狂い始めるか、日々の株価変動にどのように対応してよいか分からなくなるタイミングかもしれません。

そのようなこともふまえると、4万円の水準が続くとかえってやりにくいところもあるでしょう。では、このよなことをふまえて詳細を見てみましょう。

今週は先週末の上昇が続き、日経平均株価は5日続伸しました。これだけを見ると、とても良い状況に見受けられます。

また株トレンド指数を見ても、まだ本格的な上昇トレンドには至っていないものの、上昇傾向が続いていることが分かります。

今週は日々株トレンド指数の中身が入れ替わることなく、安定して上昇傾向を示す天井指数が上昇を継続しました。また、その水準もほぼ下がることなく、安定して水準を上げてきています。

その水準も30から50台まで上昇し、少しずつ株式市場全体も上昇していることが分かります。ただし、この天井指数の水準を見ても、まだ本格的な上昇トレンドではなくあくまでも自然発生的な上昇にとどまっていると見受けられます。

しかしながら、下落傾向を示す底値指数がとても低水準な状況が続いていることから、本格的な上昇トレンドではないものの、順調に上昇していることが分かります。

では、直近2ヶ月間の状況もふまえて、現状をより詳しく見てみましょう。

日経平均株価を基準に見ると、ようやく横ばい状態を抜け出し、4万1000円台や4万2000円台を射程圏にした水準まで上昇していることが分かります。

上昇の勢いはないものの、上値目安は39,000円付近~下値目安は37,000円付近のボックス圏を5日続伸により上抜けしてきたことが分かります。

なお、こうなるとこれまで横ばい状態というよりも、ほぼ水平状態が長かったこともあり、ここからの上抜けは大きく上昇する可能性もあります。

今の上昇の勢いを見ると、今の上昇はボックス圏の水準が変わっただけで慎重に判断しないといけないところですが、そういった動きも選択肢の一つになってくるでしょう。

日経平均株価だけで考えると、今回の上昇がボックス圏の水準を上げるだけのものなのか、それとも水平状態のボックス圏を上抜けしたことで、更に上昇するのかの分岐点になってくるでしょう。

一方、株トレンド指数を基準に見ると、先週のじわじわと天井指数が上昇してきたことを受けたまま、さらなる天井指数の上昇が起きました。

この2ヶ月間だけで見ると、天井指数の水準が最も大きくなっています。ただし、日経平均株価が4万円をつけた3月後半のときと比べると、その水準は半分程度です。

ここからも、上でお伝えした通り、ここから天井指数が更に上昇して本格的な上昇トレンドに入るか、それともボックス圏の水準を上げる上昇にとどまるかの分岐点であること判断できます。

反対に言えば、ここから天井指数が2倍程度の水準である60以上になり、100前後の水準まで到達するような勢いが発生すると、ここから日経平均株価の水準が一気に上るでしょう。

そのときは、繰り返しお伝えしている通り、この水準にくると同じ1%の変動でも円単位の変動が大きくなりますので、例えば日々1000円前後の変動などがあってもおかしくないでしょう。

株トレンド指数の状況にもよりますが、もしここから水準を上げるようなことがあれば、日経平均株価の円単位の動きには注意し、錯覚を起こさないようにしていきましょう。

このように、両指数を見ても「ボックス圏の水準を上げる上昇」もしくは「これから本格的な上昇トレンドに入る手前の上昇」の分岐点にあると考えられます。

現時点では、まだどちらのシナリオになるか判断できないですが、週明けからはこのどちらになるかをポイントに株式市場の動向を見ていくと良いでしょう。

補足として株式市場全体の需給バランスも見ておきましょう。タイムラグはありますが最新の 「投資主体別売買動向」を見ると、需給バランスは、以下の通りでした。

  • 外国人投資家:わずかに売り→わずかに買い
  • 個人投資家:やや買い→大きく売り
  • 日本の機関投資家:買い→中立

三者をまとめると全体の需給バランスは「やや売り」です。個人投資家だけが全く違った動きをし、大きく売りに出ています。

もし個人投資家がここで買いに回っていればとも考えてしまいますが、違う目線で考えるとこの動きにより、株式市場に動きが出てきたと考えられます。

これまでは三者が膠着状態になり、どうやっても株価変動が起きない状況でした。しかし、ここで個人投資家が動いたことで、株価変動が少しずつ起きてきます。

株式市場は振り子と同じように、動かないときは全く動かないですが、動き始めると上下に動き始めます。そのような原理を考慮すると、ここから上下のどちらかに変動していく環境ができつつあると考えられます。

このように、ようやく株式市場全体に動きが出てきました。株式市場の根本を作る需給バランスに変動があり、その上に乗っている株トレンド指数や日経平均株価が分岐点にきています。

まだここから「ボックス圏の水準を上げる上昇」もしくは「これから本格的な上昇トレンドに入る手前の上昇」のどちらになるかは分かりませんが、ここから動きがあることは想定しておくと良いでしょう。

また繰り返しになりますが、ここから更に上昇が続くと、日経平均株価の円単位での判断は錯覚を起こしやすくなると考えられます。

そういった注意点もふまえながら、週明けの動向を見ていくと良いのではないでしょうか。

※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。

※2.本記事は2024/7/4(木)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。

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この記事を書いている人

高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ) ー高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ)ー

トレード歴12年以上の現役トレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。単年で負ける年もあったものの12年間以上、安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。

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