日経平均一時39,000円回復も維持できず小幅変動が続いたまま横ばいに推移中…日本株どうなる?~2024年6月14日版~
「株価水準が下がっていないのだから良いか…」と無理矢理考えるしかないような状況が続いています。今週も繰り返しになりますが「株価がほとんど動かない」状況が続いています。
視点を変えれば暴落が起きたり、ダラダラと下落が続いたりして株価水準が下がっているわけではないので良いかもしれません。むしろ、そう考えるしかないかもしれないでしょう。
4月下旬もしくは5月の連休明け以降ほとんど日経平均株価は動かず横ばい状態が続いています。こうなると、株式市場の流動性が失われ膠着してしまったのではないかと考えてしまいます。
その一方で、今のようなボックス圏での推移が長ければ長いほど、次に発生するトレンドの大きさは上にも下にも大きくなる傾向があります。
そういった意味では、今は膠着しているかのような状態ですが、次の展開が起きたとき大きく動く可能性があるので、今後に期待ができる側面もあるともいえるかもしれません。
ですが、現状を見る限り、投資家の私たちにとっては利益の源泉となる株価変動がないことで困った状況であることには間違いありません。
そこで今回も、私たちが日本株市場のトレンドを捉えることを目的に独自開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきましょう。
今週の株式市場動向
こちらをご覧ください。こちらは2024/5/31~2024/6/13の日経平均株価と株トレンド指数の状況です。
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です
株トレンド指数は、以下のような6つの指数で構成されています。
- 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
- 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
- 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
- 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
- OVER指数…上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数
- RISK指数…大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数
※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください
これらの指数をふまえると、今週の株式市場は日経平均株価と株式市場全体が”あまり連動していない週”でした。
ただし、日経平均株価の変動幅も1%未満が続いていましたので、誤差の範囲と考えれば、両者が連動しているとも捉えられます。
いずれにしても、現状は無風状態が続き、その中で起きた変動にとどまっていることが分かります。よって、この中で連動性を考えても、それほど影響のあることではないと考えられます。
詳細を見ても、週初めの6/10のみ日経平均株価が約0.9%変動したこともあり、株トレンド指数でも上昇傾向を示す天井指数の発生が目立ちました。
そして、6/11も日経平均株価は0.25%の上昇を維持したことに続き、株トレンド指数も天井指数が最も目立ちしました。
その後6/12、6/13と日経平均株価は小幅下落し、株トレンド指数の発生状況も少しずつ水準が下がっていきました。
しかしながら、これらは前述の通り無風状態に近い中で起きていることです。あくまでも誤差の範囲の中で動いているようなものですので、両者の指標の連動性にはあまり変化が現れる週ではなかったと考えられます。
先週の時点では、無風状態に近いながらも押し目買い指数が上昇するなど特筆すべきことがありました。ですが、今週はそのような特筆すべきこともありません。まさに無風状態、この一言に付きます。
では、直近2ヶ月間の状況もふまえて、現状をより詳しく見てみましょう。日経平均株価を基準に見ると、再び変動幅が小さくなり4月下旬から横ばいに推移していることが分かります。
また、依然として下値目安は37,000円付近、上値目安は39,000円付近のボックス圏を推移していることが分かります。
一方、株トレンド指数を基準に見ると、やや天井指数が目立っているものの、トレンドを発生させるような大きさにはなっていないことが分かります。
むしろ、日経平均株価のように4月下旬からではなく、それ以前からときどき小さなトレンドは発生するものの、それ以外は無風状態に近いことが分かります。
このように両者の2ヶ月間の推移を見ると、株トレンド指数の発生状況の少なさを表すかのように、日経平均株価もほとんど動いていないことが分かります。
繰り返しになりますが、良く言えば、株価水準が下がることなく高値圏を維持し、悪く言えば、短期売買をする投資家にとっては何の旨味もない株式市場でしょう。
例えば、これが米国株のように大きな変動はないものの、超長期的に見て緩やかに上昇を続けているような株式市場であれば「超長期売買」の手段を取れば利益を伸ばすことができるでしょう。
しかし、日本株市場は、米国株と違い、「上昇・下落・ボックス」の3つのトレンドが繰り返されるので、超長期売買よりも短期売買のほうが利益を狙いやすい傾向がありました。
それが2021年以降日本株市場の傾向に違う流れが発生しつつあります。今のように膠着状態が続いたと思ったら急に上昇し、再び膠着状態に入り急に上昇することを繰り返しています。
また、これが完全なる傾向とは言い切れない段階ではありますが、もしこの先もこの無風状態から突発的に上昇し株価水準を上げるようなことがあると、短期売買で利益を狙う人たちにとっては、難しい株式市場に変化したことになるかもしれません。
まだ確定ではないので、あくまでも一つのシナリオですが、ここまで株価が動かないことも珍しいです。そういったことをふまえると、これまでの日本株市場とこれからが変わる可能性も視野に入れておいたほうが良いかもしれません。
では、補足として株式市場全体の需給バランスも見ておきましょう。タイムラグはありますが最新の 「投資主体別売買動向」を見ると、需給バランスは、以下の通りでした。
- 外国人投資家:わずかに売り→わずかに売りが強まる
- 個人投資家:わずかに売り→わずかに買い
- 日本の機関投資家:わずかに買い→わずかに買い
多少の変動はあったものの前回と変わらず「わずかに売り」「わずかに買い」しかありません。よって、ここからも株価がなかなか動かない状況であることが読み取れます。
あまり確度の高い話ではありませんが、先週もお伝えした通り、この状況は昨年7月から8月の状況に似ています。このときも日経平均株価は、ほぼ横ばいでした。そして、ここから株価が動き出すのに2ヶ月程度かかりました。
ただし、この2ヶ月程度経過からの動きは、それほど大きなものではありませんので、厳密には4ヶ月程度ほぼ横ばい状態が続き、そこから本格的な上昇の入口に入っています。
今回も同じようになるかは分かりませんが、直近のあまりに動かない受給バランスを見ると、楽観的には「そろそろ動き出す」、悲観的には「あと2ヶ月動かない」と考えられます。
そうなると、過去に8月中旬に突如上昇したときがありましたので、同じようなタイミングで何の前触れもなく上昇することもあり得るかもしれません。
このように明確なことが言えない状況が続き、心苦しい部分もありますが、これが現状の株式市場です。
とにかく動いていないことが、株トレンド指数からも見えてきます。つまり、それは利益の源泉となる株価変動が起きていないことを示しますので、ここは無理に売買せず引き続き我慢のまま様子見をするのが賢明な選択かもしれません。
※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は2024/6/13(木)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。
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この記事を書いている人
トレード歴12年以上の現役トレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。単年で負ける年もあったものの12年間以上、安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。
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