日経平均39,000円割れのまま方向感なく横ばい状態で推移中…日本株どうなる?~2024年6月7日版~
「株価が動かない…」という言葉は聞き飽きたかもしれませんが、今週も株価がほとんど動かない状況が続いています。
例えば、日経平均株価を見ると、今週は最大でも1.1%程度の上昇があっただけで、その他は1%未満の変動が続いています。
直近で2%以上動いたのは4月下旬で、それよりも前は3月下旬です。それ以外は、大きくても1%台にとどまっていることからも、株価がほとんど動かない状況が続いていることが分かります。
しかも今週は6/3の1.1%程度の変動を除き、1%の未満の変動が続いていることから、動いているように見えても、実際は全くと言って良いほど株価が動いていない状況が続いています。
まさに膠着状態という言葉がふさわしい状況が依然として続いています。もちろん、このまま永遠に膠着状態が続くことはないと思いますが、いったい日本株市場はこれからどうなるのでしょうか。
そこで今回も、私たちが日本株市場のトレンドを捉えることを目的に独自開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきましょう。
今週の株式市場動向
こちらをご覧ください。こちらは2024/5/24~2024/6/6の日経平均株価と株トレンド指数の状況です。
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です
株トレンド指数は、以下のような6つの指数で構成されています。
- 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
- 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
- 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
- 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
- OVER指数…上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数
- RISK指数…大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数
※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください
これらの指数をふまえると、今週の株式市場は日経平均株価と株式市場全体が”やや連動している週”でした。
そして、そろそろこの膠着状態を抜け出すか、もしくは来週に日経平均株価が39,000円に回復するのではないかと期待できる週でした。
詳細を見ると、週初めの6/3は今週の中で最も株価変動がありました。ただし、その変動は1.1%程度にとどまっていましたので、あくまでも今週の中では変動があるときでした。
それに伴い、日経平均株価の上昇と株トレンド指数の中でも上昇傾向を示す天井指数の上昇が連動している日でした。
しかし、その上昇の勢いは小さかったこともあり、6/4には勢いがなくなり日経平均株価は小幅下落しました。対して株トレンド指数は、天井指数が減少したこともあり、指数の中では最も天井指数が目立っているものの、日経平均株価に連動するような動きでした。
そして、6/5、6/6は両者がほぼ連動することなく、日経平均株価は小幅に上下し、株トレンド指数は、各指数の中でも「押し目買い指数」が最も目立つ状態になりました。
このように、今週は連動している側面もありつつ、あまり連動していない側面もありましたが、全体としてはどちらかと言うと連動が見られたので”やや連動している週”だったと読み取れます。
また、6/3を除くと全体的に無風状態とは言いませんが、近い状態だったこともあり、トレンドらしいトレンドが発生していない週でした。まさに、それが今の日経平均株価の横ばい状態が示しているでしょう。
ただし、1つ注目したい点があります。それが6/5、6/6の押し目買い指数です。両日の押し目買い指数は「15」に到達しました。
押し目買い指数とは、その名の通り水準が高まれば高まるほど、株式市場全体が押し目買いのような動きをすることを示す指数です。
それを考慮すると、まだ確率が高いとは言えないものの、通常よりはこの指数の水準が高いので、ここから週明けに向け株式市場が押し目買いの動きをする可能性が出てきています。
そのようなこともあり、直近の日経平均株価の水準を見る限り、この押し目買いによる上昇で再び日経平均株価が39,000円に回復するかもしれません。
しかしながら、この上昇はあくまでも押し目買いを基準にしたものですので、反発程度にとどまり、ここから株式市場全体が上昇していくような上昇ではないと予測されます。
イメージとしては突発的な上昇に近いものが、これから起きる可能性が高いと考えられるでしょう。
では、直近2ヶ月間の状況もふまえて、現状をより詳しく見てみましょう。
日経平均株価を基準に見ると、先週より多少変動が見られますが引き続き4月下旬から横ばいに推移していることが分かります。
これにより引き続きボックス圏を推移していることが分かります。また、ボックス圏の目安として下値目安は37,000円付近、上値目安は39,000円付近で推移していると考えられます。
一方、株トレンド指数を基準に見ると、一時的に天井指数が目立っているものの、全体としては引き続きとても変動が小さい中を推移していることが分かります。
しかしながら、6/5、6/6の押し目買い指数は、直近の中ではやや高い水準を維持していることも読み取れます。これもふまえると、ここから株式市場全体が押し目買いの動きをする可能性があるでしょう。
とはいえ、株トレンド指数を見ても、引き続き株式市場全体もボックス圏を推移し、ほぼ横ばい状態であることが分かります。
このように、週明け押し目買いの動きがある可能性はあるものの、確率が高いとは言い切れないこともあります、そうなると、全体としてはやはり「膠着状態に近い」のが現状でしょう。
また、このような推移が続いていますので、まだこれからの展開を読みにくい状態が続いています。押し目買い指数が上昇しても一時的な上昇にとどまる可能性が高いので、一時的な上昇が終わると、再び横ばいになると考えられます。
では、補足として株式市場全体の需給バランスも見ておきましょう。タイムラグはありますが最新の 「投資主体別売買動向」を見ると、需給バランスは、以下の通りでした。
- 外国人投資家:わずかに売り→わずかに売り
- 個人投資家:わずかに買い→わずかに売り
- 日本の機関投資家:わずかに買い→わずかに買い
「わずかに売り」「わずかに買い」しかありませんので、ここからも株価がなかなか動かない状況であることが読み取れます。
この状況は昨年7月から8月の状況に似ています。このときも日経平均株価は、ほぼ横ばいでした。そして、ここから株価が動き出すのに2ヶ月程度かかりました。
ただし、この2ヶ月程度経過からの動きは、それほど大きなものではありませんので、厳密には4ヶ月程度ほぼ横ばい状態が続き、そこから本格的な上昇の入口に入っています。
今回も同じようになるかは分かりませんが、直近のあまりに動かない受給バランスを見ると、楽観的には「そろそろ動き出す」、悲観的には「あと2ヶ月動かない」と考えられます。
あくまでも、これは同じことが再現されることが前提条件ではありますが、直近数年間はこれまでの株式市場と違い、「上昇・下落・ボックス」がまんべんなく発生するのではなく、「長期の横ばいから急上昇」の動きを見せる機会が多いと考えられます。
そういったことをふまえると、悲観的な想定もしておいたほうが良いかもしれません。なお、今のようなボックス圏が長ければ長いほど、次の変動は上下のどちらに進んでも大きくなる傾向があります。
反対に、楽観的想定である、そろそろ横ばい状態が終わると、次の展開であまり大きく変動しない傾向があります。
そのような傾向もありますので、ここからはボックス圏が続くことを前提としつつ、その期間の長さによって、次のトレンドの大きさが変わることを念頭に置いておきましょう。
引き続き、動こうにも動けない状態が続いていると考えられます。ですが、このような横ばい状態で無理に動いてしまうと、思わぬ損失を受け、そのまま含み損を抱え続けることも考えられます。
そうなると次の展開のときに資金が拘束され然るべきタイミングで資金投入できなくなる恐れもあります。これで横ばい状態が続くと、動きたい気持ちもあると思いますが、引き続きここは様子見して行くのが良いでしょう。
※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は2024/6/6(木)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。
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この記事を書いている人
トレード歴12年以上の現役トレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。単年で負ける年もあったものの12年間以上、安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。
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