日経平均39,000円台でもみ合い続き方向感なく推移中…週明けの株価どうなる?~2024年4月12日版~
日経平均株価の下落が止まりました。
まだ暴落や急落のリスクは小さかったものの、一時は41,000円も射程圏に入っていたこともあり、先週の状況は「ひょっとしたら・・・」と想像してしまう部分もあったかもしれません。
しかし、その後は下落基調になることなく、39,000円台が今の適正株価水準なのか、この水準でのもみ合いが続いています。
そして、それに伴い難しいのが今後の方向感でしょう。今週は日経平均株価だけを見ると、横ばい状態が続き方向感を捉えることが非常に難しい状況です。
そのような難しい中、ここから日本株はどのように推移する可能性があるのでしょうか。
そこで今回も、私たちが日本株市場のトレンドを捉えることを目的に独自開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきましょう。
今週の株式市場動向
こちらをご覧ください。こちらは2024/3/29~2024/4/11の日経平均株価と株トレンド指数の状況です。
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です
株トレンド指数は、以下のような6つの指数で構成されています。
- 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
- 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
- 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
- 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
- OVER指数…上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数
- RISK指数…大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数
※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください
これらの指数をふまえると今週の株式市場は、日経平均株価と株式市場全体が、”やや連動している週”でした。
そのようなこともあり、今週の株式市場は、日経平均株価だけで相場分析する人と、私たちのように株トレンド指数を使って相場分析する人では、あまり差異が生じなかったでしょう。
ただし、今週のような日経平均株価がほぼ横ばい状態で方向感ないときは、日経平均株価だけを基準に相場分析する人と、私たちのように株トレンド指数も使って相場分析する人では、相場観やメンタルの部分では差異が生じたでしょう。
なぜなら、日経平均株価では「日本株市場がどのような状態で横ばいなのか」が分からず、株トレンド指数を使うと「日本株市場がどのような状態で横ばいなのか」が精度高く分かるからです。
その読み取りの差異が、結果的に相場観やメンタルの部分で差異を起こし、次の展開が起きるときへの対応がスムーズにいくか、それとも上手くいかないかが分かれるでしょう。
詳細を見ると、週初めの4/8は日経平均株価が0.91%上昇しまし、株トレンド指数を見ても、上昇傾向を示す天井指数が目立ち始めました。
このときは日経平均株価が38,000円台から39,000円台に上昇したこともあり、一段上昇した感覚もあったかもしれません。しかし、実際は日経平均株価の上昇率も、株トレンド指数の状況もどちらも小幅上昇を示していました。
そして、ここからが日経平均株価だけを基準に相場分析する人と、私たちのように株トレンド指数も使って相場分析する人で、相場観やメンタルで差異が生じてきたところです。
4/9の日経平均株価は続伸しました。それに伴い、上昇傾向を示す天井指数も上昇しました。しかし、4/10、4/11は両者は連動が小さくなり差異が生じました。
この2日間の日経平均株価は小幅下落し続落しました。対して、上昇傾向を示す天井指数は4/9とほぼ変わらない水準を維持しました。
また下落傾向を示す底値指数も週初めから微減を続け、下落の勢いがゼロに近づいていきました。加えて空売り指数も微増を続け、水準を少しずつ上げています。
つまり、これまで発生していた下落へのパワーがゼロに近づきつつ、同時に上昇へのパワーが少しずつ上昇してきていることが読み取れます。
これにより、下落へのパワーが失速し、上昇へのパワーが上がりつつあるので、先週のような両者の綱引き状態から、少しずつ上昇に向けて動き出したことが分かります。
もちろん、まだボックス圏を上抜けしたわけではないので、ここから上昇する可能性が高いとは言えませんが、少なくとも先週までのような下落リスクがあるのではないかという状況は脱したと考えられるでしょう。
しかし、これを日経平均株価だけで読み取ろうとしても難しいです。39,000円台まで回復したものの、小幅変動が続いているので、同じ横ばい状態でも「上方向に動き出す横ばい」なのか、それとも「下方向に動き出す横ばい」なのかを読み取ることはできません。
これに対して、株トレンド指数では、まだボックス圏を上抜けするような上昇ではないものの、今はボックス圏の上値に向かおうとする上昇の準備の段階だと読み取ることができます。
ボックス圏特有の方向感なく動く特性があるので、再び下落方向へ動く可能性はあるものの、今週に限っては先週のようなリスクがなくなった横ばい状態であることが分かります。
このように、今が「どのような内訳の横ばいなのかを読み取れる」状態で株式市場に向き合うのか、それとも「どのような横ばいなのか内訳が分からない」状態で株式市場に向き合うのかでは、相場観やメンタルの部分で差異が生じたでしょう。
とはいえ、現時点ではまだ実際の損益に影響するような段階ではありません。しかしながら、このような状態が続くと、次の展開が起きる前兆を捉えられるか、それとも全く捉えることができないかで、次の展開への対策が変わるでしょう。
だから、実際の損益には影響がないとはいえ、今後の展開では、今の状況の捉え方の差異が将来的に影響するでしょう。
では、状況を更に詳しく見るために、直近2ヶ月間の状況もふまえて現状を見てみましょう。
日経平均株価を基準に見ると、先週に続きボックス圏を横ばいに推移していることが分かります。そして、一時下落傾向にあった日経平均株価の下落が止まり、39,000円半ば付近を中心に推移していることが分かります。
先週の段階で調整局面に入ったように見えましたが、今週の動きでやはり調整局面に入ったと考えられるでしょう。ただし、これまでの動きを考慮すると、短期的な調整局面ではなく、ボックス圏での推移が続くことを想定しておくと良いかもしれません。
対して、株トレンド指数を基準に見ると、先週までは各指数の発生状況が乏しかったですが、今週に入り無風状態を脱してきたように見えます。
また、日経平均株価は方向感が乏しいものの、株トレンド指数を見る限り、少しずつ上方向に向かおうとしている動きが見られます。
しかし、まだボックス圏を上抜けするような上昇の勢いはありません。あくまでも、無風状態を脱した程度の上昇ですので、週明けは再びボックス圏の下値に向かって動きだすような下落があってもおかしくないでしょう。
このように、この2ヶ月間で確認しても、日経平均株価では全くと言ってよいほど方向感がなく、次の展開を予測することが難しいでしょう。この横ばいの内訳が分からないことで、まさに「先行き不透明」といったところかもしれません。
一方、株トレンド指数を見ると、ボックス圏を推移しているので上下のどちらに動くかは分からないものの、先週小さなリスクとして出てきた下落方向に動くことは少ないことが分かります。
万が一、ここから下落するとしても、あくまでもボックス圏を推移するだけなので、下値付近で反発することが予測できるでしよう。
よって、日本株市場は、引き続きボックス圏を推移することを前提に動向を見ていくのが良いでしょう。また、日経平均株価は、39,000円半ば付近を中心としてボックス圏になることを想定しておくと良いかもしれません。
補足として株式市場全体の需給バランスも見ておきましょう。タイムラグはありますが最新の 「投資主体別売買動向」を見ると需給バランスは、以下の通りでした。
- 外国人投資家:わずかに売り→大きく買い
- 個人投資家:大きく買い→買いがさらに強まる
- 日本の機関投資家:大きな売り→売りがさらに強まる
最新のデータでは、このような需給バランスでした。これを見る限り、需給バランスは「買いがやや優勢」の状態であることが分かります。
本来であれば、外国人投資家と個人投資家が大きく買いにきているので「株価が上昇する」バランスかもしれません。しかし、日本の機関投資家の売り圧力が強く、それが直近のボックス圏での推移に影響していると考えられます。
そうなると、次の展開は、外国人投資家と個人投資家が買いを続け、そのまま日本の機関投資家も買いになれば「上昇」を期待できます。
もし、このバランスが再び三者三様になるなど、三者のポジションが変わってしまうと、また展開が分からなくなってしまいます。
そのようなことが想定されますので、これまでの分析も踏まえて、引き続きボックス圏を推移し、横ばい状態が続くことを想定して、中立的なスタンスで動向を見ていくと良いでしょう。
※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は2024/4/11(木)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました(日経平均株価のみ4/5前場時点のデータを含みます)。
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この記事を書いている人
トレード歴12年以上の現役トレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。単年で負ける年もあったものの12年間以上、安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。
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