日経平均下落止まらず一時39,000円も割込み急展開…週明け暴落の可能性は?~2024年4月5日版~
日経平均株価の下落が止まりません。
一時は41,000円も射程圏に入っていましたが、急転4万円割れ…39,000円割れ…と下落が止まらない状況です。4/5前場時点では2%以上下落し、円単位で見ると900円以上下落しています。
こうなると、ここから少々怖いのが週明けに「暴落」や「急落」が起きるのではないかという心配かもしれません。
日経平均株価4万円を割ってから、まだ5%にも届かない下落しかしていませんので、まだそのような心配はないと言えばないかもしれません。
ただし、投資家の中には「円単位」で考え、900円の下落や1000円の下落と聞いただけで暴落と勘違いし、投げ売りが始まってしまうこともあります。
そのようなリスクもありますので、今回は週明けに暴落や急落の可能性がどれくらいあるのか分析してみましょう。
では、私たちが日本株市場のトレンドを捉えることを目的に独自開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきましょう。
今週の株式市場動向
こちらをご覧ください。こちらは2024/3/22~2024/4/4の日経平均株価と株トレンド指数の状況です。
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です
株トレンド指数は、以下のような6つの指数で構成されています。
- 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
- 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
- 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
- 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
- OVER指数…上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数
- RISK指数…大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数
※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください
これらの指数をふまえると今週の株式市場は、日経平均株価と株式市場全体が、”あまり連動していない週”でした。
そのようなこともあり、今週の株式市場は、日経平均株価だけで相場分析する人と、私たちのように株トレンド指数を使って相場分析する人では差異が生じたでしょう。
ただし、まだ致命的な差異というほどではなく、あくまでも今後の展開の予測や精神的な部分での差異が生じたにとどまっていたと考えられます。
まず日経平均株価から見ると、上のグラフを見る限り本格的な上昇トレンドや大相場が期待できた3/22付近をピークに上下を繰り返しながら右肩下がりに下落しています。
これまで理想的な上昇を描く場面が見れれましたが、今週に限っては理想的な下落を描いているとも言えるかもしれません。
こうなると、日経平均株価だけで相場分析している人は、3/22以前までは上昇の勢いが消えていなかっただけに、この失速をどう読み取って良いか分からなかったかもしれないでしょう。
一方、株トレンド指数で相場分析する私たちには、今週の株式市場を「無風状態に近い」と読み取ることができたでしょう。それは「株価が動きにくい」ことを意味します。
そのような背景もあり、今の時点では4/5前場で起きている日経平均株価の下落は、あくまでも無風状態の中で発生したことだと考えることができます。
また、3/22に天井指数がピークになり、そこからは不自然な下がり方をする急ブレーキを掛けられ、そこから今週は日々状況が変わる状態が続いています。
この点も考慮すると、結果的に今は「再びボックス圏に入った」と読み取ることができるでしょう。ただし、以前のように日経平均株価の上値が39,000円をピークとする水準のボックス圏ではなく、41,000円付近を上値にするボックス圏に変化しています。
それを考慮すると、同じ1%の変動でも「円単位で見ると大きくなる」ので、あくまでも円単位は参考値として捉え、割合(%)の変動で動向をみていくと良いでしょう。
しかし、その一方で投資家の名には円単位で状況を把握している人もいます。そうなると、仮に4/5前場時点のような「900円下落」など、1000円近い変動があると「暴落や急落」を起こしたと錯覚して、投げ売りに入ってしまう可能性もあります。
そうなると、株式市場の意図とは全く関係なく、一時的に暴落や急落、または大幅下落などが起きる可能性もあるでしょう。
以前の水準であれば、もちろん1000円下落すれば大きな問題でした。しかし、4/5の日経平均株価が示す通り、900円以上下落しても割合では2.5%未満の下落です。
そういったこともありますので、ここからは円単位で相場を捉える投資家たちを不確定要素として捉え、本来であれば、そちらに動かないが、彼らの影響で動くこともあると考えておくと良いでしょう。
なお、改めて株トレンド指数に戻ると、今週は株式市場を牽引するようなトレンドは発生せず、引続き無風状態が続いています。
しかしながら、その中でやや気掛かりなのが下落傾向を示す「底値指数」がジワジワと増加してきていることです。
もし、前述の不確定要素で更に下落傾向が強まる場合は、4/5の底値指数の水準が更に上がっていくでしょう。ただし現状では、上昇傾向を示す天井指数も発生していることもあり、綱引き状態で横ばいの推移を続けています。
日経平均株価だけ見ると、理想的な右肩下がりになっているように見えますが、株トレンド指数を見るとまだ下落が強まっていることはなく、あくまでも無風状態であり、横ばいが続いていると読み取れます。
そのようなこともあり、再びボックス圏に入り、株価が方向感なく右往左往しているのが現状だと考えられるでしょう。
では、この状況を更に詳しく見るために、直近2ヶ月間の状況もふまえて現状を見てみましょう。
日経平均株価を基準に見ると、前述のような週単位でなければ、まだそれほど下落していないことが分かります。下落はしていますが、あくまでも横ばい状態でボックス圏の中での推移にとどまっていることが分かります。
もしくは楽観的に見ると、4/5前場の下落を除けば調整局面に入ったようにも見受けられます。
対して、株トレンド指数を基準に見ると、この2ヶ月間の中では直近の期間の株トレンド指数の発生状況が乏しいことが分かります。
日経平均株価が横ばいであることを示すように、今の日本株市場は無風状態に近い状態になったと考えられます。
なお、日経平均株価だけを見て楽観的に考えると、今は調整局面に入ったように見えます。しかし、株トレンド指数で株式市場の内訳を見ると、トレンドが発生していないので、次は上下のどちらに進むか全く分からない調整局面に入ったと考えられます。
このように現状は、日経平均株価だけでは状況がつかみにくいですが、株トレンド指数を見ると、ボックス圏に入り、ここからどちらに動こうとしているのかが分からないことが読み取れます。
もちろん、4/5の株式市場の動き次第で変化する部分もあるでしょう。しかしながら、今あるデータを分析する限り、仮に4/5に下落傾向が強まっても、それはあくまでもボックス圏の下値に向かう動きであり、再び下値から反発することが想定されます。
このように、今後しばらくは、展開が読みにくいボックス圏の推移が続くと考えられます。このようなときは、気まぐれのように方向感が変わるので、その動きに右往左往せず、ボックス圏であることを考慮しながら動向を見ていきましょうお。
補足として株式市場全体の需給バランスも見ておきましょう。タイムラグはありますが最新の 「投資主体別売買動向」を見ると、需給バランスは、以下の通りでした。
- 外国人投資家:わずかに買い→わずかに売り
- 個人投資家:大きな売り→大きく買い
- 日本の機関投資家:わずかに売り→大きな売り
最新のデータでは、このような需給バランスでした。これを見る限り、三者が一致することなく、三者三様の動きをしていることが分かります。
タイムラグのあるデータではありますが、まさにこれが方向感のない直近のボックス圏での推移を示しているでしょう。
なお、この需給バランスから考えると、ここから少々リスクなのは私たち個人投資家の動きでしょう。個人投資家はよっぽどの大相場でもない限り「大きく買い」の状態が続くことはありません。
それを考慮すると、ここから不確定要素である円単位で状況把握する個人投資家が、突然大きな売りになる可能性も否めません。
それに対して、外国人投資家や日本の機関投資家は、チャンスに大きく動くことはあっても動きはある程度集約されていますので、今後の需給バランスも私たち個人投資家が握ることになるかもしれません。
外国人投資家や日本の機関投資家ではない個人投資家は、個別の思惑がバラバラであることもあり、場合によっては、それが要因で不確定要素が起きやすいかもしれません。
現状を見る限り、そこが最もリスクに見られる部分でもありますので、この点を考慮しながら引続き動向を見ていましょう。
※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は2024/4/4(木)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました(日経平均株価のみ4/5前場時点のデータを含みます)。
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この記事を書いている人
トレード歴12年以上の現役トレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。単年で負ける年もあったものの12年間以上、安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。
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