日経平均上昇の勢いが止まり36,000円付近を方向感なく停滞中…再び上昇の可能性は?~2024年2月2日版~
日経平均株価が年初来高値を更新して以降、37,000円目前の水準から失速し、36,000円付近を方向感なく推移しています。
年初来高値更新までは順調に株価が上昇していただけに、この停滞は少々厳しい部分もあるかもしれません。
日経平均株価を基準に見ると、引き続き高値圏を推移していますが、上昇の勢いが不足し、ここが天井のようにも見受けられます。
その一方で、失速から下落するような動きも見えないので、再上昇を期待できるようにも見えます。
このように、何とも難しい段階にきている日本株ですが、ここからどのように推移する可能性があるのでしょうか。
そこで、私たちが日本株市場のトレンドを捉えることを目的に独自開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきましょう。
今週の株式市場動向
こちらをご覧ください。こちらは2024/1/19~2024/2/1の日経平均株価と株トレンド指数の状況です。
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です
株トレンド指数は、以下のような6つの指数で構成されています。
- 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
- 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
- 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
- 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
- OVER指数…上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数
- RISK指数…大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数
※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください
これらの指数をふまえると今週の株式市場は、日経平均株価と株式市場全体が、”あまり連動していない週”もしくは”やや連動している週”でした。
連動していないと言えば、連動していないようにも見えますし、連動していると言えば連動しているともいえる、何とも判断が難しい週だった考えられます。
結論から言えば、ここの読み取りに集約されるように、現状は「現状を捉えるのも、今後の予測をするのも難しい状況」だと考えられます。まさに、その曖昧な部分が、株トレンド指数の推移や日経平均株価の推移に現れているのでしょう。
その点をふまえると、日経平均株価だけを基準に相場分析する投資家も、私たちのように株トレンド指数で相場分析する投資家も「全てにおいて判断が難しい」という意味では、同じ状況だったでしょう。
ただし、いつものように株トレンド指数も基準に相場分析する私たちは、難しい中でも「どのように難しいか」を捉えることができているので、その点は日経平均株価だけを基準にする投資家と違っていたでしょう。
日経平均株価だけを基準に相場分析する投資家にとっては、今週の株式市場は、「横ばい」「停滞」など”なんとなく”そのような雰囲気を感じる週だったと考えられます。
一方、株トレンド指数も基準に相場分析する私たちは、「どのような横ばい」「どのような停滞」など、同じ言葉でも、その裏側で起きていることが把握できるので、一見同じように見えても違っていたでしょう。
詳細を見ると、週初めの1/29、1/30は日経平均株価が小幅上昇しました。2日間で1%に満たない上昇でした。
同2日間の株トレンド指数も、その小幅上昇と同じように天井指数の水準は小さいものの、各指数の中では最も高い水準であったことから、日経平均株価の動きと同じような動きをしていました。
しかし、週の中盤から後半にかけてに、両者に少々差異が出てきました。日経平均株価は1/31に小幅上昇、2/1に小幅下落を見せました。
このように日経平均株価だけを見ると、方向感はなく次は上下のどちらに動くのか全く予測ができなかったでしょう。
これに対して、同2日間の株トレンド指数は、上昇傾向を示す天井指数の水準がやや上がってきました。株式市場を牽引するような上昇ではないものの、1月上旬の上昇が一段落したあとでは、高い水準です。
つまり、株トレンド指数を見ると、株式市場全体の方向感は薄まっているものの、まだ上昇の兆しが残っていると考えられます。
ただし、ここから難しいのは、次の上昇にはいわゆる「ダマシ」がついてくることです。まだ現状の天井指数の動きでは、ここから再上昇の可能性がある動きをしてはいるものの、ダマシなのか、そうではなかの判断が全く付きません。
そういった意味では、結論としては日経平均株価だけを基準に相場分析したものと同じになるかもしれません。しかしながら、日経平均株価の停滞の裏側で、まだ上昇の可能性を残していることは、日経平均株価だけでは読み取ることが難しいでしょう。
なお、先週の段階では、完全にトレンドがリセットされたまではいきませんが、リセットに近づいている恐れがありました。ですが、今週の動きで、まだトレンドがリセットされていないと考えられます。
そうなると、次の展開は、日本株がここで天井を迎えることなく、まだ上昇の余地を残していると考えられるでしょう。
まだ見たことがない株価水準を見ると「まだ上昇できるのか?」と心配になってしまう方もいるでしょう。しかし、直近の株トレンド指数を見る限り、ここから下落する可能性はあるものの、上昇の余地もあるので、上下のどちらに進むか分からないというのが、今考えられることでしょう。
当たり前のような話にはなってしまいますが、これが今分析できることです。とはいえ、日経平均株価がここまで上昇してくると、今週のように停滞したときに「天井」がよぎることもあるでしょう。
そういった意味では、ここが天井という判断はなく、次の展開次第で、更に上昇して日経平均株価が高値更新というシナリオも、下落しボックス圏に入るようなシナリオも考えられます。
そのような状況が今週ですので、週明け以降も先入観を持たず、直近の動向を踏まえながら中立に動向を見ていくのが良いでしょう。
では、直近2ヶ月間の状況もふまえて、より現状を詳しく見てみましょう。
日経平均株価を基準に見ると、先週に続き1月上旬からの上昇が落ち着き、いったん方向感を失っていることが分かります。
何とか36,000円を終値ベースで維持していますが、ここから何かがない限り、37,000円を上抜けするような上昇は難しい水準に見受けられます。
株トレンド指数を基準に見ると、先週時点では上昇の勢いが収斂したように見えますが、まだ収斂せず勢いが残っていることが分かります。
大きく上昇するような上昇の勢いはありませんが、今週の中盤から後半にかけて、先週よりも天井指数の水準が上がったことで、ここから下落方向へ動く可能性だけでなく、再上昇の可能性も残していると読み取れます。
このように日経平均株価だけを見ると、失速したようにも見えますが、株トレンド指数も踏まえると、いったん小休憩し、再度上昇の勢いを出そうと動き出そうとしているようにも見えます。
しかし、まだその上昇の勢い小さいことから1月上旬のような上昇が起きるかは、まだ全く分かりません。もし、ここから上昇する場合は、週明けに大きな上昇に向けた動きがあり、そこから少しずつ上昇に向かうでしょう。
反対に、ダマシほどのダマシではないかもしれませんが、今週の上昇の勢いがダマシで、週明けから下落するシナリオも十分に考えられます。
いずれにしても、現時点では両面が考えられるような動きをしています。やはり、週明けは一方向に偏ることなく、上下のどちらにも動く可能性を考えながら、動向を見ていくのが良いでしょう。
ここで補足として株式市場の需給バランスを見ておきましょう。最新の 「投資主体別売買動向」を見ると、需給バランスは、以下の通りでした。
- 外国人投資家:買い → 買い
- 個人投資家:売り → 買い
- 日本の機関投資家:売り → 売り
全体としては、やや「買い」が優勢なものの、売りもそれなりの大きさなので、全体的には株価が動きにくい状況だったと考えられます。
それをふまえると、今週の需給バランスも、引き続き株価が動きにくい状況が続いているので、同じようなバランスかもしれません。
1月上旬に大きく需給バランスが動き上昇の勢いを増しましたが、再び需給バランスが全体としては均衡に近づいている印象もあります。
このあたりは、材料がないとなかなか動かないところでもありますので、場合によっては現状が続くことも想定されるでしょう。
そうなると、ここから上昇するとしても大きな上昇は見込めず、届いても日経平均株価の年初来高値更新手前で止まり、高値圏を横ばいに推移することも考えられます。
最初にお伝えした通り「判断が難しい」のが今の株式市場です。それが、この需給バランスからも見えてきました。
繰り返しになりますが、やはりここは偏ることなく、上下のどちらかにうごくか、横ばい状態かなど、複数の動きを想定しながら動向を見ていくのが良いでしょう。
※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は2024/1/24(水)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。
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この記事を書いている人
トレード歴12年以上の現役トレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。単年で負ける年もあったものの12年間以上、安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。
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