日経平均4日続伸も662円下落し、再び32,000円割れに戻り軟調に推移中・・・週明けどうなる?~2023年8月25日版~
日経平均株価が再び32,000円を割りました。今日の日経平均株価は終値時点で662円下落し、今週の上昇分をほぼ帳消しにし、31,000円台に戻りました。
今週は、小幅ながらも4日続伸し、日経平均株価は32,000円台を回復しました。まだ、それほど強い上昇は見られないものの、この動きに安心した人も多いかもしれません。
ですが、そこから上昇した分を消すように、今日の日経平均株価は下落しました。4日続伸と順調に推移してきただけに、この動きは気がかりかもしれません。
そこで、私たちが日本株市場のトレンドを捉えることを目的に独自開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきましょう。
今週の株式市場動向
こちらをご覧ください。こちらは2023/8/10~2023/8/24の日経平均株価と株トレンド指数の状況です。
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です
株トレンド指数は、以下のような6つの指数で構成されています。
- 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
- 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
- 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
- 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
- OVER指数…上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数
- RISK指数…大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数
※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください
これらの指数をふまえると、今週の株式市場は先週と違って日経平均株価と株式市場全体が、”ほぼ連動している週”でした。
よって、日経平均株価だけを基準に相場分析する人と、私たちのように株トレンド指数を基準に相場分析する人の分析結果の差異は、それほどなかったと考えられます。
ただし、日経平均株価を基準にすると、割合で見ても1%未満の変動と、円で見ても100~300円の変動だったので、株式市場全体のトレンドの把握が難しいかった可能性も否めません。
たとえ、日経平均株価が4日続伸しても、上昇している感覚がなかったり、結果的に上昇していたと気付かされる程度だったかもしれません。
それに対して、株トレンド指数で見ると、日経平均株価4日続伸の通り、トレンドは小さいながらも上昇傾向を示す天井指数が順調に上昇し、上昇傾向が見られました。
しかし、今日の日経平均株価が下落したことで、この上昇分は帳消しに近い状況になりました。週単位で見ると、何とか小幅上昇したという結果に落ち着きました。
詳細を見てみると、先週は日々目立つ株トレンド指数が変わり、株式市場全体が、どちらの方向に向かおうとしているか全く分からない状況でした。
しかも各株式市場の発生も小さいので、とにかく方向感が掴みにくい状況でした。また、底値指数が上昇してきたこともあり、下落リスクも心配しなければいけない状況でした。
それが今週に入り、変化しました。8/21はトレンド一旦リセットするかのように、株トレンド指数の全指数が同じような水準になりました。
しかし、そこからは上昇傾向を示す天井指数が上昇し、小さいながらも上昇傾向を示す動きをしていました。同時に下落リスクになる底値指数は減少し、トレンドに変化が出てきているように見られます。
また、ここで1つポイントがあります。それが「押し目買い指数」です。この指数は通常、とても低水準なのでトレンドの反対に役立つことはあまりありません。
ですが、先週末の8/18は状況が違いました。20には届かないものの、通常は1桁台である押し目買い指数が、このときは20に近い水準まで上昇しました。
押し目買い指数は、その名の通り、上昇中の一時的な下落であることを示す指数です。そのようなこともあり、この8/18の押し目買い指数の水準は、その内容に近いことが起きるきっかけになりました。
つまり、その流れから、今週は日経平均株価が4日続伸したり、株トレンド指数の天井指数が順調に上昇する結果に至ったと考えられるでしょう。
しかしながら、今日の日経平均株価が下落したことで、週単位としては小幅上昇にとどまりました。週の最終日前までは好調だったものの、最終日に覆られたのが今週の動きの特長です。
しかし、ここで注意しなければならないことがあります。それを考えるにあたり、直近2ヶ月間の状況を見てみましょう。
日経平均株価を基準に見ると、やはりボックス圏を推移していると読み取れます。8/25前場時点を除いて考えると、4日続伸していますが、まだボックス圏の中心付近の水準です。
また、株トレンド指数を見ると、今週の上昇で多少トレンドが出てきたようにも見えますが、日経平均株価の小幅上昇も示す通り、トレンドらしいトレンドが発生していないことが分かります。
これらから分かる通り、上記の注意点とは「日本株は、まだボックス圏を推移中」であることです。
そして、そのような中で、今日の日経平均株価が下落しましたので、日本株市場は引き続き「ボックス圏の下値付近」を推移していると考えられます。
なお、このような話をすると、悲観的に捉えられてしまうかもしれませんが、まだ下落リスクがあるような状況ではありません。
あくまでも、ボックス圏の下値付近を推移しているだけで、下値付近に到達したら、再び小幅上昇すると予測されます。
このように引き続きボックス圏特有の上昇したと思ったら下落し、下落したと思ったら上昇するなど、方向感が全く分からない動きをする可能性が高いでしょう。
補足として株式市場の需給バランスを見ておきましょう。最新の 「投資主体別売買動向」を見る限り、需給バランスは、以下の通りでした。
- 外国人投資家:やや買い→大きく売りに転換
- 個人投資家:売り→やや買いに転換
- 日本の機関投資家:売り→やや買いに転換
全体的に外国人投資家の動きに押され「大きく売り」が優勢な状態です。この動きからも、先週の株式市場の方向感のなさや、下落リスクがやや発生してきた理由が見えてきます。
こうなると、今後の株式市場は、この大きく売りに転じた外国人投資家が、ここからどう動くかにかかっているでしょう。
この利益確定から、再度日本株に投資するのか、それとも違うポートフォリオに資金が流れてしまうのかが分岐点になるでしょう。
なお、同程度の売りの水準は3月中旬頃にありました。そこから約1ヶ月後に、現在の日経平均株価の水準まで上昇するきっかけになる上昇が始まりました。
同じようなことが起きるかは分かりませんが、外国人投資家がここまで大きな売りになるのは、3月以来です。
このまま外国人投資家が売りを続ければ、日本株市場は一気に下落方向に向かい、ボックス圏を下抜けすることになるでしょう。反対に再び買いに転換すると、引き続きボックス圏が続くでしょう。
このように、今後の株式市場の動向は、株式市場全体の需給バランスがどうなるかが重要です。その上に、株トレンド指数のようなミクロの指数が乗っていますので、この需給バランスも引き続き見ていきましょう。
そして、万が一外国人投資家の売りが強まったり、継続するようなことがあれば、ボックス圏の下抜けを想定しておくのが良いでしょう。
※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は本記事は2023/8/25(木)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました(日経平均株価のみ8/25時点のデータも含まれています)。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。
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この記事を書いている人
トレード歴12年以上の現役トレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。単年で負ける年もあったものの12年間以上、安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。
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