吉野家H<9861>8月末株主優待確定日予定…先月の決算発表後、順調に上昇し、そのまま年初来高値を更新…権利確定で株価どうなる?
8月末日の株主優待権利確定日を予定している吉野家ホールディングス<9861>。人気の株主優待銘柄は、確定日が近づくと優待獲得に向けた買いなどが集まり、株価が変動しやすい傾向があります。
同社の株価は、7/13の第1四半期決算後を起点に、株価が大きく上昇し、7/20には年初来高値を更新し、順調に上昇を続けています。
そのよう中、同社は今月末に株主優待の権利確定日を迎えます。これから株価はどのように推移する可能性があるのでしょうか?
吉野家ホールディングス<9861>の優待権利確定前後の株価動向は?
では、権利日前後(8月下旬~9月初旬)で、同社の株価は、例年どのような傾向が見られるのでしょうか?そのデータ分析の結果がこちらです。
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です
2000年から2021年の株価の推移では、上昇傾向が5回、下落傾向が17回見られます。この数字を見る限り、権利確定前後の期間の株価は、明確に下落傾向があると考えられるでしょう。
変動幅を見ると、10%以上の変動は下落時のみ2回見られます。5%以内の変動は、上下合わせて18回見られます。
これらを考慮すると、同社の権利確定前後の期間の株価は、小幅下落の傾向があると考えられるでしょう。
よって、もし権利確定前に株価が上昇していても、そこから上昇することは少なく、基本的には小幅に下落すると考えておくと良いでしょう。
ただし、直近4年間のように小幅に上昇することもあります。それもふまえると、あくまでも同社の株価は、この時期は小幅に上下すると考えておくと良いかもしれません。
では、同社の株価は、権利確定前後の期間でどれくらいの範囲で株価が推移してきたのでしょうか?
吉野家ホールディングス<9861>の権利確定後の株価は?
データ分析によると、ここから株価が以下のような範囲で推移することが予測されます。
【予想変動幅(率)】-4.97%~1.87%
これまでの株価を分析した結果を見る限り、上昇幅は約1.8%、下落幅は約4.9%と考えられます。よって、上値は「2,446円」、下値は「2,622円」が目標株価と考えられるでしょう。
上値の目安に到達した場合は、7月に付けた年初来高値と同水準まで上昇します。そうなると上昇の勢いがつき、更に上昇する期待ができるでしょう。
ただし、例年の傾向をふまえると、明確に下落傾向が強いので、上昇の動きは、権利確定日までに限られる可能性もあります。
また、直近の株価も25日移動平均線付近まで下落していますので、上昇一辺倒で考えるのは、控えたほうが良いでしょう。あくまでも可能性の一つとして捉えることをオススメします。
反対に、下値の目安に到達した場合は、25日移動平均線の下位にある75日移動平均線を下抜けします。そうなると、直近の高値圏での推移が止まり、いったん同価格帯付近で横ばいに推移するでしょう。
このよう同社は、権利確定前後で、株価が下落しやすい傾向があります。ただし、例年の傾向を見る限り、大きく下落するのではなく、小幅下落にとどまっています。
反対に、上値は年初来高値が再度射程圏に入っていますが、やや重たい展開だと考えられます。上昇しても小幅にとどまっていますので、あくまでも小さな上昇にとどまると考えておくのが良いでしょう。
株主優待銘柄は、権利確定日前後に、株主優待を狙って売買されることもあり、通常と違った動きをすることがあります。
そういった特長が、今回のデータ分析でもありますので、ぜひ、こちらの情報もふまえて、あなたの投資スタンスを決めてみてはいかがでしょうか。
※本記事は2022/8/10時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。年初来高値などの更新日や移動平均などの記載については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。
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この記事を書いている人
高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ)
トレード歴12年以上の現役ベテラントレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。12年間でたった一度負けがあっただけで、11年間安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。高橋佑輔執筆【eBook(電子書籍)『日本株再入門』】の無料配布はこちらをクリック。
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