日本株…来週上昇の可能性は?~2022年3月18日版~
「よしっ!日経平均株価が約890円上昇だ!」と思わず喜んでしまった人はいますか?むしろ、それよりも今週前半は日経平均株価は、小幅上昇したいたのに「なぜ、この銘柄は上昇しないのか?」と疑問に思った人はいますか?
今週は、大幅下落はなかったものの先週の流れのまま暴落や大幅下落のリスクが続く状態でした。
そのような中、3/17に日経平均株価が、直近の中では大きく上昇したこともあり、これからの上昇を期待している個人投資家も多いかもしれません。
未だ、地政学リスクを抱えていることや、その他の株式市場に関連する金融関係のことに動きがあったこともあり、いわゆる「先行き不透明」の状態が続いています。
そうなってくると、このようなタイミングで、より重要になってくるのが「相場観」でしょう。これから、どのような展開が考えられるのか?それを、できるだけ的確に捉えられれば株式投資は苦労しないとも言ってよいほどの重要なポイントです。
そこで、私たちが日本株市場のトレンドを捉えることを目的に、独自に開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきましょう。
今週の株式市場動向
こちらをご覧ください。こちらは3/3~3/17の日経平均株価と、株トレンド指数の状況です。
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です
株トレンド指数は、以下のような6つの指数で構成されています。
- 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
- 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
- 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
- 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
- OVER指数…上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数
- RISK指数…大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数
※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください
これらの指数をふまえると、今週の株式市場は、先週が市場全体と日経平均株価が”ほぼ連動した週”であったのに対して、再び”連動が薄い週”であったことが読み取れます。
週の前半は、大幅下落や暴落リスクが高まる状況でしたが、日経平均株価は小幅上昇し、市場全体とは反対の動きをしていました。
反対に、週の後半は、日経平均株価が急上昇している状況でしたが、市場全体はその急上昇ほどの勢いはなく、強いて言うなら、やや上昇の勢いが強かった程度でした。
このように、今週は日経平均株価を基準に株式市場全体のトレンドを捉えている個人投資家にとっては、株価が思った方向と「反対方向」に動きやすい週だったのが、今週の株式市場の特長でしょう。
特に、今週は、前半は底値指数が目立っていた程度で、全体としてはトレンドが発生していない状況でした。前述の通り、後半も3/17のみ、強いて言うなら天井指数が強かっただけで、全体としては各トレンドが均衡しています。
よって、これらの状況をふまえると、それほど目立ったトレンドがない中で、日経平均株価が株式市場のトレンドとは連動しない動きをしていたと考えられます。
それにより、日経平均株価を基準にトレンドを捉えている個人投資家にとっては「買った瞬間、株価が下がる」など、株価が思った方向に動かない悩ましいときだったと考えられるでしょう。
状況としては先々週と似ていて、地政学リスクなどの外部要因により株式市場全体が急落し、日経平均株価も同じように急落しました。短期的に見ると下落基調で一致していたのが、先々週と今週です。
しかしながら、やや気になるのは3/10の動きです。たった1日だけなので明確な判断は難しいですが、市場全体は、ほとんどトレンドが発生していないなか、底値指数が優勢でしたが、日経平均株価は急反発しています。
そこに加えて、先週までとは状況が変わってきてはいるものの、引き続き地政学リスクが背景にあるので、株式市場が、どちらに向かおうとしているか分からない「先行き不透明」な状況に入ったと考えられるでしょう。
よって、ここからは地政学リスクがなくなるなど、大きな材料がない限り、現状のような方向感が乏しい状況が続く可能性が高いでしょう。
週明けのポイント
上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数「OVER指数」と、大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数「RISK指数」をふまえると、このようなポイントが読み取れました。
※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください
【上昇の可能性は?】
OVER指数の直近の動向を見る限り、今週はわずかではあるが、プラス圏に現れる。ただし、注意したいのが、3/17の日経平均株価が約890円上昇したタイミングである。
日経平均株価を基準にトレンドを捉えている個人投資家にとっては、これを急上昇の始まりと捉えたかもしれないが、OVER指数は、このタイミングで「1」にとどまっている。
これをふまえると、ここから日本株全体の上昇を期待したいところではあるが、OVER指数に関連する、天井指数や空売り指数が低水準を推移しているので、期待通りになるのは難しいだろう。
【下落の可能性は?】
RISK指数の直近の動向を見る限り、3/16まではプラス圏であったが、3/17になり、ようやくマイナス圏に入った。空売り指数「10」を超える水準まで上昇したので、いったん暴落リスクは落ち着いたと考えられる。
ただし、依然として、地政学リスクがある中なので、誰もが予想できないタイミングで急な暴落リスクが高まる可能性はあるであろう。
地政学リスクがなくならない限り、このような状況が続くので、RISK指数と空売り指数の動きを日々監視しながら、突発的な状況に備えるのが良いであろう。
※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は2022/3/17時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。
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この記事を書いている人
高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ)
トレード歴12年以上の現役ベテラントレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。12年間でたった一度負けがあっただけで、11年間安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。高橋佑輔執筆【eBook(電子書籍)『日本株再入門』】の無料配布はこちらをクリック。
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