なぜ…週明けの株価を予測すると利益を失いやすいのか?~2021年10月第4週版~

2021/10/29

 

今週は日経平均株価が、前週の動きとは違い、ほぼ横ばい状態ということもあり「これから株価は、どちらに動くのか?」が気になる方は他にいますか?

これから総選挙も控えていることもあり、感覚的には「嵐の前の静けさ」と考えるなど、選挙を材料に株価が変化するのではないかと考えている個人投資家も多いかもしれません。

そこで今回は、私が日本株市場のトレンドを捉えることを目的に、独自に開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきます。

 

停滞から「無風状態」に突入…


まず、こちらをご覧ください。こちらは10/13~10/28の日経平均株価と、株トレンド指数の状況です。

※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です

株トレンド指数は、以下のような4つの指数で構成されています。

  • 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
  • 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
  • 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
  • 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向

この4つの指数をふまえると、前週は日経平均株価の動向ほど実際のトレンドは発生しておらず、無風状態に近い状況が続きました。

それをふまえると、前週は「停滞」のタイミングだったと読み取れます。

では、今週はというと、その停滞の流れが、さらに強まり、トレンドが非常に乏しい「無風状態」に突入しました。

前週と比較すると明確ですが、今週は前週ほど、株トレンド指数を構成する4つの指数が出てきていません。

それに対し、日経平均株価はやや動いていましたが、その動きほどトレンドは発生していなかったのが今週です。

やや「天井指数」が目立つ場面もありましたが、アクセルとブレーキで考ると、同じくらい「空売り指数」も上昇していたので、結果的にお互いを打ち消し合って、トレンドをなくしていた状態です。

 

ご参考までに、直近2ヶ月間の状況も用意しました。こちらをご覧ください。

※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です

こちらを見ると一目瞭然ですが、9/21以降トレンドらしいドレンドが発生していません。一時的に、目立つ指数があったものの、それがトレンドとして牽引するようなものではありませんでした。

10/20以降は、特にトレンドらしいトレンドが発生していない状況です。まさに、それが今週の状況ですので、直近2ヶ月のトレンドを見ても、今は「無風状態」だと言えるでしょう。

このように、停滞状態から「無風状態」になっていることもあり、今週は個人投資家にとって、利益を狙うタイミングが難しかったのではないでしょうか。

無風状態ということは、利益の源泉となる株価の変動幅が小さいことを意味するので、仕掛けや手仕舞いのタイミングが、前週よりも、さらに難しかったでしょう。

では、週明けの株式市場は、どのような展開が予測されるのでしょうか。

 

週明けの株式市場の動向は?


週明けの株式市場の展開を予測するにあたり、まず「OVER指数」を見てみましょう。

※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です

「OVER指数」とは、上昇トレンドの展開を大まかに読み取れる指標です。

OVER指数を見る限り、9月前半には一時的な上昇トレンドがあったものの、それ以降は上昇トレンドの機会に恵まれていないことが分かります。

前週からOVER指数はマイナス圏に突入しています。この状況は過去のデータ分析を見る限り、このあと「上昇トレンドが発生」する可能性があるというサインとも読み取れます。

ただし、ここで注意点があります。それは、上昇トレンドに入る確率は、順張り戦略をもとに考えると「40%」程度の確率なので、「60%」程度は、いわゆる「ダマシ」であるということです。

よって、現状はマイナス圏に入り、ここから再び上昇トレンドに入ることを期待したいところですが、その可能性は50%以下なので、ダマシに合う可能性が高いことを念頭に置いておくとよいでしょう。

では、下落する可能性はどれくらいあるのでしょうか?次は、こちらの「RISK指数」をご覧ください。

 

週明け暴落の可能性は?


「RISK指数」とは、暴落や大幅下落の展開を大まかに読み取れる指標です。

※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です

このRISK指数は、平常時はマイナス圏を推移しています。ただし、暴落や大幅下落があるときは、その直前にプラス圏に現れます。

これまで、なかなかマイナス圏に突入することなく、暴落への警戒を緩めることができませんでした。しかし、今週に入り、ようやくその警戒が緩められそうです。

現在、マイナス圏に入り、状況も落ち着いてきています。それをふまえると、ここからの暴落リスクは、何か大きい材料がない限り、とても小さくなったと考えられるでしょう。

なお、仮に突発的に暴落が起きる場合でも、過去の暴落時を見る限り、高い確率で、暴落前日に、このRISK指数がプラス圏に入ります。

何もない状態から一気に暴落するのではなく、そういった前兆がありますので、ぜひこういった視点でリスク管理をしておくと良いでしょう。

 

どうする…週明けの投資戦略?


10/22までの投資主体別売買動向によると、「外国人投資家」が売り、「機関投資家」「個人投資家」が買いでした。

相場全体の需給バランスで考えると、前週よりも売りと買いが拮抗し、まさに膠着状態とも言える中で、今週に入りました。

あくまでも前週の状況ではありますが、その流れが今週の「無風状態」を作るきっかけになったのではないかとも考えられます。

それを示すかのように、今週はトレンドらしいドレンドが発生しない状態でした。OVER指数も、RISK指数も目立った動きがなく、ここにもトレンドが見られませんでした。

それをふまえて、週明けの状況を考えると、直近2ヶ月間の株トレンド指数の動向を見る限り、約1ヶ月間、明確なトレンドが発生していません。

つまり、これはボックス圏を推移していると考えられます。過去の株価動向のデータを分析する限り、ボックス圏の期間が長ければ長いほど、ボックス圏を抜けたときに、上にも下にも大きく動くという傾向があります。

イメージとしてはボックス圏では、弓矢を引くように、エネルギーを溜めている状態です。

それをふまえると、現状のボックス圏は今年の中では、やや長いとも読み取れるので、何からの材料でボックス圏を抜けると、上下のどちらかに大きく動く可能性があるでしょう。

選挙を控えていますので、それが材料になる可能性はありますが、もし、このボックス圏が週明けも続くようであれば、さらにエネルギーを溜めるようなことになり、もっと大きく株価が動く可能性があるでしょう。

このように、現状のボックス圏を推移していることと、選挙などの材料があることをふまえると、週明けはこのボックス圏を抜け、上下のどちらかに大きく変動するかもしれません。

それをふまえると、週明けにどちらに動くかヤマをはらず「トレンドがどちらに向くか?」を見てから、発生したトレンドに合わせて戦略構築するのも一つの選択肢でしょう。

このような情報を参考にしていただきながら、あなたの週明けの投資戦略を考えてみてはいかがでしょうか。

 

▼動画での閲覧はこちら▼

 

今週のポイント~4つ~


【ポイント.1】
10/22までの投資主体別売買動向によると、「外国人投資家」が売り、「機関投資家」「個人投資家」が買い。需給バランスでみると、売りと買いのバランスが、ほぼ拮抗し膠着状態。どちらに動くか全く分からない状況。

【ポイント.2】
今週も日経平均株価の動向と実際のトレンドに乖離がある状態。特に、今週はこれまでよりもトレンドが乏しく、さらに「無風状態」になり、株価がどちらに動くか全く分からない状況に入る。

【ポイント.3】
RISK指数はマイナス圏を推移するようになり、暴落への警戒が落ち着く。OVER指数もマイナス圏に連日入り、強い上昇を控える前段階になるか、ダマシかの分岐点に入る。

【ポイント.4】
約2ヶ月間の株トレンド指数の動向を見ると、約1ヶ月間明確なトレンドがなく横ばい状態なので、ここから株価が動くことがあれば、統計的にみて、上にも下にも大きく変動する可能性が高い。

 

※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。

※2.本記事は2021/10/28時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。

 

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この記事を書いている人

高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ) 高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ)
トレード歴12年以上の現役ベテラントレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。12年間でたった一度負けがあっただけで、11年間安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。高橋佑輔執筆【eBook(電子書籍)『日本株再入門』】の無料配布はこちらをクリック

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