緩和解除を進める米国の金融政策(2018年3月)政策金利を引き上げ、今後も緩やかな利上げを継続へ
緩和解除を進める米国の金融政策(2018年3月)
【ポイント1】0.25%の利上げ
全会一致の決定
■パウエル議長のもとでは初となる米連邦公開市場委員会(FOMC)が、3月20日~21日に開催されました。結果は、市場の予想通り、政策金利(FFレート)の誘導レンジを0.25%引き上げ、1.50%~1.75%とすることを決定しました。
【ポイント2】経済見通しを上方修正
拡張的な財政政策を反映
■公表された声明文では、米国経済の現状を、「労働市場は引き続き力強さを増し、経済活動は緩やかな速度で拡大した」と評価しました。
■前回の「堅調な速度で拡大」に比べ、僅かに下方修正されましたが、先行きについては、「ここ数カ月の間に経済見通しは強まった」と、より前向きな表現になりました。
■FOMC参加者による経済予測を見ても、GDP成長率および物価上昇率が上方修正される一方、失業率が下方修正されました。
■大型減税を盛り込んだ「税制改革法」の成立や、2年間で総額3,000億ドルにのぼる歳出上限の引き上げといった、トランプ政権の拡張的な財政政策の影響を織り込んだためと考えられます。
【今後の展開】FRBは「緩やかなペースでの利上げ」を継続する見通し
■FOMC参加者による2018年の政策金利見通しの中央値は、「1回当たり0.25%の利上げ3回(今回の利上げを含む)」となりました。景気、雇用は順調な拡大を続けていますが、物価の上昇が緩慢なため、米連邦準備制度理事会(FRB)は緩やかなペースでの利上げを継続する見込みです。
■今回のFOMCの決定はほぼ事前の予想通りでしたが、緩やかな利上げ路線に変更はないとの安心感から、21日の米国市場では、債券価格が上昇(債券利回りは低下)しました。株価も日中は上昇していましたが、引けにかけ利食い売りに押されて下落に転じました。
(2018年 3月22日)
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