第2回「米大統領候補討論会」(米国)
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米国では11月8日の大統領選挙を控え、民主党はヒラリー・クリントン氏、共和党はドナルド・トランプ氏を正式候補とし、それぞれが経済政策などについて互いの主張を展開してきました。両者は、計3回の「大統領候補討論会」において直接対決します。2回目は10月9日にミズーリ州セントルイスのワシントン大学で行われ、テレビやインターネットなどで生放送されました。 |
【ポイント1】両候補者の非難合戦
両者の立ち振る舞いに大きな差
■現地時間10月9日の夜、第2回「大統領候補討論会」が開催されました。今回は、週末に報道されたトランプ氏の11年前の不適切な発言に対する弁明からスタートしました。トランプ氏は自身の言動を謝罪しましたが、トランプ氏への支持回復につながったかは不透明です。中盤にはクリントン氏が再びメール問題を追及されました。電子メールが消去された疑惑について反論しましたが、疑惑を払しょくするには至りませんでした。
■「大統領候補討論会」では、政策内容だけでなく、表情や口調、人間性など、どちらの候補者が大統領によりふさわしいか、有権者にアピールすることとなります。9日の討論中、クリントン氏は座ってトランプ氏の意見を聞いていたのに対し、トランプ氏は常に動き回るなど両者の立ち振る舞いの差が際立ちました。
【ポイント2】経済政策論争は不十分
両者のスタンスの違いが明確に
■今回は、税制やエネルギーの議論を通じて、両候補者のスタンスの違いが明確となった点が重要です。
■トランプ氏は、大型の企業減税と環境規制を緩和しエネルギー産業を再生させることで税収を増やすべきと主張しました。一方、クリントン氏は中間所得者に配慮し企業や富裕層の課税強化と再生可能エネルギーへの投資拡大を訴えました。トランプ氏は「小さな政府」、クリントン氏は「大きな政府」を志向していると言えそうです。しかし、両者とも財源や政策効果などの説明はなく具体策にかけました。
【今後の展開】両者の差は縮まったか?第3回目の「大統領候補討論会」に注目
■討論会に関する世論調査ではクリントン氏の優勢が伝えられました。ただ、1回目討論会の評価に比べ、クリントン氏の支持率が低下していることやトランプ氏の発言が期待よりも良かったという回答も多く、必ずしもクリントン氏の優勢が強まったわけではありません。今回の討論会でも選挙戦の流れを大きく決定づけるほどの差はなかったと考えられます。むしろ直前にあったトランプ氏に対する批判を考えると、トランプ氏は最小限の失点に留めることができたと考えられます。19日に開催予定の3回目の「大統領候補討論会」が注目されます。
(2016年10月11日)
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