ECBは現行の金融緩和策を維持

2015/06/04

ECBは現行の金融緩和策を維持

【ポイント1】 月600億ユーロの購入を維持

政策金利も据え置き
■欧州中央銀行(ECB)は3日、政策金利、預金金利を、それぞれ0.05%、マイナス0.20%に据え置くことを決定しました。また、3月から開始した月600億ユーロの国債などの購入策を2016年9月まで継続する方針を維持しました。

■債券市場では、ドラギ総裁が会見で、「低金利環境下では利回りの変動拡大に慣れるべき」と発言したことなどから債券売りが強まり、ドイツ国債の利回りは大幅に上昇しました。ユーロは、ギリシャ問題解決への期待から、対米ドルで上昇しました。株式市場は小幅に上昇しました。

■会見では、ギリシャ問題について多くの質疑がありました。総裁は欧州連合(EU)との交渉を見守る姿勢を示しました。

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【ポイント2】 物価見通しを小幅引き上げ

景気は順調に回復

■ECBは、2015年と2016年のGDP成長率見通しを据え置き、景気は順調に回復しているとの判断を示しました。

■一方、2015年の物価見通しを上方修正しました。3月以降原油価格が上昇傾向にあることを受けたもので、2016年、2017年については、据え置かれました。

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【今後の展開】 物価目標達成に向けて、資産購入を2016年9月まで継続へ

■総裁は、現行の金融緩和の出口政策の議論は無かったと述べ、その思惑を強くけん制しました。今回改定された経済・物価見通しでは、新興国経済などへの懸念も示され、強力な金融緩和がECBが想定する2016年9月まで継続されると見込まれます。

■債券市場では、これまでの利回り低下の巻き戻しにより利回りが上昇傾向にありますが、金融緩和継続により、低位での落ち着きどころを探る展開が見込まれます。

■為替市場では、これまでのユーロ安の巻き戻しからユーロは対米ドルで上昇傾向にあります。しかし、米欧の金融政策の方向性の違いから、ユーロの対米ドルでの上昇は抑制されそうです。

■株式市場では、金融緩和継続と堅調な企業業績を背景に、底堅い展開が予想されます。

 (2015年6月4日) 

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