米国はコロナ対策から成長戦略へ、日本株への追い風に 安定した期待形成へ徐々に戻る日本株式市場
米国はコロナ対策から成長戦略へ、日本株への追い風に
【ポイント1】日経平均株価は再び3万円台
日本の景況感改善プラス米雇用回復
■4月5日の日経平均株価は30,089.25円と3月18日以来の3万円台を回復しました。先週発表の短観で製造業を中心に景況感が改善したことや設備投資計画の上振れなどを受けた国内の景気回復期待に加え、米国の雇用統計が上振れたことなどが主な要因です。
【ポイント2】米長期金利の安定が安心感に
長期金利と株価の関係に安定感
■昨日の日本株の上昇の背景には、日本時間の米国債券取引で長期金利が安定していたことが安心感につながったと考えられます。景気の拡大期待の高まりが即、米長期金利の上昇につながり、逆に株価を圧迫する、という構図からの変化が垣間見れます。経済の正常化とその後の金融政策の変化に対する期待は一旦は織り込まれた模様です。
■今後は、米連邦準備制度理事会(FRB)の次の一手である量的緩和の縮小(テーパリング)がより間近になるまでは米長期金利は安定的に推移すると見られ、日本株に対する影響は限られたものになると考えられます。
【今後の展開】米国はコロナ対策から成長戦略へ、日本株への追い風になろう
■米国の財政政策は日本株にとって引き続き追い風となる見込みです。3月31日に、バイデン米大統領が発表した米国雇用計画は、今後8年間で約2兆2,500億ドルを輸送インフラや高速通信網などの整備に充てるというものです。月内には更に米国家庭計画も発表され、大型経済対策の規模は合計で4兆ドルに達する見通しです。大型財政政策による米国経済の加速は米国事業が多い日本企業の業績にとってプラスです。更に、インフラ投資計画に半導体政策が盛り込まれる等、個別で恩恵を受ける産業もあり、この面でも日本株には好材料です。なお、財源の3/4は増税で賄われる見込みで、財政悪化による米長期金利の上昇は抑えられると考えられます。
■米国ではワクチンの接種も順調に進んでいることから、市場は、米国はコロナ対策にめどが立ち、ようやく成長戦略へと舵を切った、とみなし始めており、期待形成の分岐点に差し掛かったと思われます。日本はこれからワクチンの接種が本格化しますが、米国金融市場の落ち着きと、業績の上振れ期待から、日本の株式市場も堅調さが増すと考えられます。
(2021年4月6日)
印刷用PDFはこちら↓
米国はコロナ対策から成長戦略へ、日本株への追い風に 安定した期待形成へ徐々に戻る日本株式市場
関連マーケットレポート
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。
三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会