国債買入れオペ減額には、押し目買いで反応か

2018/11/16

▣ 「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」後の利回り水準

日銀は7月末に、当分の間、現在の長短金利の水準を維持するとともに、長期金利のある程度の変動(±0.2%程度)を容認する方針を示した「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」を決定しました。

この枠組み変更を受けた8月以降の長期金利(10年債利回り)は、0.0~0.10%を中心にしたレンジから0.10~0.15%中心のレンジにシフトしました(図表1)。超長期債の利回りについては、20年債は0.6%台半ば、30年債は0.8%台後半、40年債は1.0%台を中心にしたレンジでの動きと、2017年の水準まで戻っています(図表2、3、4)。

黒田日銀総裁は、11月5日の名古屋での金融経済懇談会後の記者会見で、「当面、金利を引き上げ、イールドカーブを立てて、金融機関の利ざやが高まるようなことをすると、今の状況では、むしろ景気が悪くなって、金融機関にとっても決して好ましい状況にならない」と述べる一方、「そういった長期の課題についても考えながら金融政策の運営を行っていく」と、金融機関の収益の悪化という副作用にも配慮する姿勢を示しました。

長期金利の水準の引き上げなどにすぐに動く可能性は低いものの、引き続き国債買入れオペの減額などでイールドカーブの水準を調整していくことは考えられます。

▣ 大手生保は超長期債に関心

大手生保の今年度下期の運用計画は、為替のヘッジコスト(為替の変動を回避するためにかかる費用)が高止まりしていることから、為替のヘッジ付き外債を積み増す動きは弱まり、為替ヘッジをしないオープン外債や、国内の超長期債などに資金を振り向ける傾向が目立ちます(図表5)。

超長期債については、20年債、30年債利回りで1%はほしいものの、世界経済の不透明感などを背景に、消去法的に選好される格好です。2017年4月に予定利率を引き下げたことから、超長期債でも利益が確保できるようになってきたことも、関心が向く理由のようです。

▣ ステルステーパリングだけでは

市場では、8月以降、買入れ額の減額がない「10年超25年以下」などについて、日銀が買入れ減額に近々動くのではないかとの観測がくすぶります。仮に、超長期債の買入れ額が減額されると、イールドカーブ(利回り曲線)はベア・スティープ化(利回り上昇・急こう配化)で反応する可能性が高そうですが、生保が超長期債投資に関心を示す中、20年、30年、40年債利回りが、それぞれ0.7%、0.9%、1.1%に近づくと、押し目買いが広がることも想定されます。
日銀のなし崩し的に国債買入れを減額するステルステーパリング(隠れた量的緩和の縮小)だけでは、イールドカーブの上昇は限定的となりそうです。

図表入りのレポートはこちら

http://www.skam.co.jp/newest_report/contents_type=9&type=env

 

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