大規模緩和の修正観測で長期金利上昇

2018/07/27

▣ 長期金利は1年ぶりの水準

7月30日、31日の日銀金融政策決定会合を前に、日銀が現行の大規模な金融緩和の修正に動くとの観測が浮上しています。

長期金利の誘導目標を柔軟化させるとの見方から、23日には長期金利は0.09%まで上昇したことを受け、日銀は5か月半ぶりに利回りを指定し金額無制限で買入れる指し値オペ(新発10年国債の買入利回り0.11%)を実施し、金利の上昇を抑えました(0.11%を超える長期金利は許容しない)。長期金利は一旦0.065%まで低下したものの、27日午前には再び上昇。日銀が指し値オペに動かなかったことで、金融緩和政策を修正するとの見方が広がり、長期金利は1年ぶりに0.105%まで上昇しました(図表1)。午後には指し値オペ(新発10年国債の買入利回り0.10%)が実施され、一旦0.09%まで低下しましたが、その後0.10%に戻す動きになりました。

▣ 金融仲介機能に配慮なら長期金利上昇も

生鮮食品とエネルギーを除いた6月の全国消費者物価指数(CPI)が前年同月比0.2%の上昇にとどまる中、日銀は今後、金融仲介機能(金融機関による借り手と貸し手の仲介)や国債取引の減少など金融市場の機能低下などの副作用に配慮しつつ、2%の物価目標の実現に向けて金融緩和策を粘り強く続ける方策を検討するとみられています。

長期金利の低下で貸出利鞘が縮小し、金融機関が貸出姿勢を慎重化させるような金融仲介機能の低下に配慮するのであれば、ゼロ%程度に誘導するとしている長期金利の水準が引き上がる可能性が高くなります。市場では、長期金利の誘導目標を引き上げる、マイナス0.1%~プラス0.1%とみられる長期金利の変動幅を広げる、長期金利目標を5年物金利などに短期化するといった方策が挙がっています。

▣ あくまでも強力な金融緩和を粘り強く続けるための方策

日銀金融政策決定会合の決定を待つ必要がありますが、

(1)これまで通り強気の姿勢を堅持し、現行の金融政策を維持する

(2)執行部に何らかの方策の検討を指示する

(3)声明文もしくは黒田総裁の記者会見で金融政策の微調整を示唆する

などのうち、(2)であれば実際に方策が決まるまでは、長期金利はレンジの上限付近で推移する、(3)であれば長期金利は上昇し、イールドカーブはスティープ化(急こう配化)することが想定されます。(3)の場合には、どこまでの金利上昇を日銀が許容するかが焦点になります。

もっとも、日銀の主眼は物価目標の達成であり、「出口」(金融政策の正常化)を模索することではありません。あくまでも強力な金融緩和を粘り強く続けるための方策で、大幅な長期金利の上昇を許容することは考えにくい状況です。

長期金利が今年の最も高い水準まで上昇している一方、長期金利より変動性が大きい20年債利回り、30年債利回り、40年債利回りは上昇してはいますが、今年のレンジの上限に届いておらず、大幅なベア・スティープ化(利回り上昇・急こう配化)を日銀が望んでいないことをやや織り込んだ動きになっています。

とはいえ、日銀金融政策決定会合がいつも以上に注目されています。過剰な反応には注意が必要です。

図表入りのレポートはこちら

https://www.skam.co.jp/report_column/env/

 

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