出遅れ感と先高観が株価を支える

2017/10/06 <>

▣ 内外企業の景況感改善

米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した9月の製造業景況感指数は13年4か月ぶりの水準、またISM非製造業景況感指数も12年1か月ぶりの水準まで上昇する一方(図表1)、国内でも9月調査の日銀短観(企業短期経済観測調査)で「大企業・製造業」の業況判断指数(DI)がプラス22と、10年ぶりの高水準となるなど内外の企業の景況感が改善しています。

※DIは景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」を引いた指数

日銀短観の2017年度の想定為替レートについては、大企業・製造業で1ドル=109円29銭。前回調査(6月)の108円31銭よりも90銭程度円安の水準ですが、足元の水準(112円後半~113円前半)と比べると、円高・ドル安の設定となっています。

大企業・製造業のDIは昨年3月から9月はやや低迷しましたが、その後の持ち直しとともに、株価も上昇する格好になりました(図表2)。また、DI以上に実際の為替レートが想定為替レートより円高か円安かが、株価に影響を与えるとみられますが、足元のドル円は3円~4円程度の円安。この円安を背景にした企業業績の上振れ期待が、株価の先高観につながっている可能性が高そうです(図表3)。

▣ 調整するリスクはくすぶるものの

リビジョンインデックスである「QUICKコンセンサスDI」(アナリストが主要企業の業績見通し を上方修正した割合から、下方修正した割合を引いて算出)についても、昨年12月以降、プラス圏で推移しています(図表4)。

加えて、米株、独株が過去最高値を更新する中、国内株の出遅れ感も意識されます(図表5)。

国内株の騰落レシオは買われ過ぎとされる120%前後にあり、高値警戒感もくすぶります(図表6)。また、北朝鮮をめぐる地政学リスクは払しょくされておらず、米国の税制改革についても期待先行で、内外の株価に調整が入る可能性もありそうです。とはいえ、調整が入った場合でも、国内株の出遅れ感に加え、企業の景況感の改善や業績期待を背景にした先高観などが株価を下支えするとみられます。

 

図表入りのレポートはこちら

https://www.skam.co.jp/report_column/env/

 

しんきんアセットマネジメント投信株式会社
内外の投資環境分析を基に、投資に資する情報、見通しなどを、タイムリーにお伝えします。
<本資料に関してご留意していただきたい事項>
※本資料は、ご投資家の皆さまに投資判断の参考となる情報の提供を目的として、しんきんアセットマネジメント投信株式会社が作成した資料であり、投資勧誘を目的として作成したもの、または、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。
※本資料の内容に基づいて取られた行動の結果については、当社は責任を負いません。
※本資料は、信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、当社はその正確性、完全性を保証するものではありません。また、いかなるデータも過去のものであり、将来の投資成果を保証・示唆するものではありません。
※本資料の内容は、当社の見解を示しているに過ぎず、将来の投資成果を保証・示唆するものではありません。記載内容は作成時点のものですので、予告なく変更する場合があります。
※本資料の内容に関する一切の権利は当社にあります。当社の承認無く複製または第三者への開示を行うことを固く禁じます。
※本資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。

しんきんアセットマネジメント投信株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会