2016年のアノマリー

2015/12/25 <>

今年も残すところ一週間となりました。今年の干支は“未(ひつじ)”、十干は“乙(きのと)”にあたります。相場の格言では、「未辛抱」。中国発の世界経済の先行き不安などで、夏場に大きく下げる場面がありましたが、何とかこらえて持ち直しました。米利上げ開始でも、内外の金融市場は大きく混乱することなく、国内株はこのままいくと騰落率はプラスで終わりそうです(図表1)。過去60年の“未年”の平均騰落率は、干支の中で8番目、勝率も6割とそれほど高くありませんが、“乙”は過去60年で負けなし(図表2、3)。今年も、不敗記録を伸ばしそうです。

来年は、「申酉(さるとり)騒ぐ」の“申(さる)”、十干は“丙(ひのえ)”となります。過去60年の“申年”の勝率は8割(4勝1敗)、“丙年”の勝率は8割3分(5勝1敗)とどちらも好成績を残しています。前回の申年は2004年で、米連邦準備制度理事会(FRB)が前回利上げを開始した年でしたが、日米の株価の騰落率はともにプラスでした。その前の1992年は米国の1989年からの利下げ局面が終了した年。日本株の騰落率はマイナスでしたが、バブル崩壊後の下落局面が、夏場に終了した年でもありました。

他方、来年の米国は大統領選の年。今年の米株の騰落は微妙ですが、1943年以来、大統領選の前年のNYダウは負けなし。一方、大統領選の年についても7割2分(13勝5敗)とまずまずの勝率です(図表4)。

来年は、参院選を前にした安倍政権の景気浮揚策、日銀の追加緩和の有無、消費税率再引き上げの判断、米利上げの影響やそのペース、減速が懸念される新興国経済・資源国経済の動向、また為替や原油価格の動きなどが相場を動かす材料になりそうです。

国内企業の業績については来年も増益が見込まれます。ただ、日銀の追加緩和への期待後退や、貿易収支(輸出額-輸入額)の改善、米利上げペースが一段と緩やかになるなどから、ドル円の上値が重くなる、もしくは円高に振れると、円安を前提にした“増益→株高”シナリオが修正を迫られる可能性も出てきます。

「申酉騒ぐ」で、やや不安定な相場を連想してしまいますが、過去の“申年”の相場の変動はさほど大きくありません。また、過去60年で“未年”の国内株が上昇した年は3回ありますが、その翌年の“申年”の国内株は3回とも上昇しています。来年の“申年”は、落ち着いた、底堅い動きを期待したいところです。

20151225

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