GPIFの基本ポートフォリオ変更に伴う市場への影響

2020/04/14

基本ポートフォリオの変更で、国内、外国資産が同割合に

公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、2020年度からの運用の基本ポートフォリオ(資産構成割合)を見直しました(図表1)。

国内の金利低下によって国内債券の利回りが低下している状況等に伴い、国内債券の割合を35%から25%に引き下げた一方、相対的に金利が高い外国債券の割合を従来の15%から25%に引き上げました。運用対象である国内債券、国内株式、外国債券、外国株式の4資産の割合が25%で並ぶことになりました。外国株式を含む基本ポートフォリオの海外資産の割合は50%、乖離許容幅を含めると最大で63%となります。

比較的価格の変動が小さく安全性が高い国内債券が減少する一方、海外資産の割合が高まることから、資産価格の変動リスク、特に為替の変動の影響をこれまでよりも受けることになります。

外貨、株式の買い余力は

世界最大規模の機関投資家であるGPIFは、市場では「クジラ」と呼ばれることがあり、株式市場が急落する局面や、円高が進行する場面では、「クジラ」が株式市場を下支え、外貨建て資産に投資して円高を抑制するとの観測、期待が広がります。

昨年12月末時点でのGPIFが保有する外国債券の割合は19.21%と乖離許容幅を含めた上限まで上昇していました。足元ではすでに20%を若干超えているとみられますが、まだ25%までには距離があります(図表2)。

今後、外国債券の割合が25%まで上昇する場合には、数兆円規模の円売り(ドルやユーロなどの外貨買い)圧力が強まることになり、円高が抑制されることが見込まれます。他方、3月の内外の株式相場の急落で、外国株式の割合は一旦25%を下回った可能性があるものの、足元では25%程度まで戻しているとみられます。

国内の債券市場については、GPIFが国債の保有割合を減らすことに加え、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた経済対策のための国債増発で、需給が悪化するとの観測などから、売りに押される(価格下落、利回り上昇)ことも想定されます。もっとも、これまで国債の買入れ額を徐々に減らしてきていた日銀が、3月には予定外の国債買入れを実施し、国内金利の上昇を抑制する姿勢を示したことや、4月の長期国債の買入れ予定額についても増額したことから、国内金利の上昇は限定的となりそうです。

国内株式については、昨年12月末のGPIFの保有割合は24.97%とほぼ基本ポートフォリオの割合と同水準でしたが、3月の急落で足元では23%前後まで下がっているとみられます。25%まで戻すとすると、3兆円程度の買い余力がありそうです。

図表入りのレポートはこちら

http://www.skam.co.jp/newest_report/contents_type=9&type=env

 

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