FRB、利下げも利上げも当面なしの見通し

2019/12/13

▣ 3回の利下げで休止

米連邦準備制度理事会(FRB)は12月11日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、大方の予想どおり金融政策の現状維持を決め、短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を、年1.50~1.75%で据え置きました(図表1)。FRBは7月、9月、10月と、3会合連続で利下げを決定してきましたが、前回の会合で示唆したとおり、利下げを休止した格好です。

声明文からは、経済の先行き不透明感に対する言及が削除されましたが、パウエル議長は代わりに声明文の後半で重要な議題として、貿易交渉やインフレ圧力の低下について指摘したとしています。先行きの不確実性がなくなったわけではなさそうです。

また、FOMC後に公表した米国経済見通しでは、2019~22年の経済成長率の見通しを据え置きました(図表2)。一方、物価上昇率については、2019年のコア指数の見通しを引き下げました。2020年以降は据え置き、2021年には2%の物価目標に到達する見通しです。

▣ 当面、利下げも利上げもなしの見通し

注目されたFOMC参加者の政策金利見通しでは、2020年の中央値は1.625%(1.50~1.75%のレンジ)で現行水準と変わらず(図表3)。17人の参加者のうち13人が政策金利の水準維持の予想で、利上げ予想はありませんでした。2020年は現状維持で参加者の見通しが固まってきている模様です。パウエル議長は「現在の金融政策スタンスが適切」とした上で、今年7月以降の3回の利下げの効果が現れるのをしばらく待つ意向を示しました。

一方、利上げについては「失業率は50年ぶりの低水準になりながらインフレはほとんど上昇しておらず、利上げの必要性が小さい」と述べるとともに、「利上げには著しくかつ持続的な物価上昇が必要」としています。FRBが重視する個人消費支出(PCE)デフレーターでエネルギー・食品を除くコア指数の上昇率は、10月は前年比で1.6%とインフレ目標を大きく下回っている状況で、利上げにも距離がありそうです。

▣ 金融政策の不確実性は後退

市場は来年1回の利下げを織り込んでいましたが、トランプ米大統領が中国との第1段階の貿易合意を承認したと伝えられたこともあり、0.5回近く(現状維持の確率は50%程度)まで戻し、FOMCの見通しにサヤ寄せしつつあります(図表4)。

ちなみに、1995~96年の予防的利下げ局面では次の利上げまでの1年2か月程度、98年の予防的利下げ局面では次の利上げまでの7か月半の間、政策金利が据え置かれました。

米金融政策は当面現状維持がメインシナリオとなり、米金融政策をめぐり市場が大きく振らされる可能性は一段と低下した模様です。

 

図表入りのレポートはこちら

http://www.skam.co.jp/newest_report/contents_type=9&type=env

 

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