日銀、少なくとも2020年春頃まで超低金利を維持

2019/04/26

ポイント:

  • 長短金利操作(短期の政策金利をマイナス1%、長期金利をゼロ%程度に誘導)は維持
  • 金融政策の指針であるフォワードガイダンスを変更、時間軸(低金利を維持する期間)を明確化
  • 時間軸の明確化で、副作用に配慮した金融政策の調整の可能性はやや低下
  • 2021年度の物価見通しは、2%の物価目標に届かず。時間軸の先まで強力な金融緩和が続く可能性
  • ただ、日銀が一段の金利低下を抑制する姿勢を示していることから、国内の金利は低位でのレンジが続く見込み

▣ フォワードガイダンスの時間軸を明確化

日銀は4月24~25日に開いた金融政策決定会合で、短期の政策金利をマイナス0.1%、長期金利である10年物国債金利をゼロ%程度に誘導する金融緩和策(長短金利操作)の維持を決定するとともに、金融政策の指針であるフォワードガイダンスを変更しました。

従来は、「当分の間、現在のきわめて低い長短金利の水準を維持することを想定している」としていましたが、今回、「当分の間、少なくとも2020年春頃まで、現在のきわめて低い長短金利の水準を維持することを想定している」と、時間軸を明確化しました。

あわせて公表した「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」では、2021年度の物価上昇率見通しを年1.6%としており、3年後も2%の物価目標に届かない見通しになりました(図表1)。

2020年春頃まで低い長短金利の水準を維持するとのフォワードガイダンスですが、強力な金融緩和策が、2020年春以降も続くことが見込まれます。

▣ 強力な金融緩和の継続に資する諸措置

また、“強力な金融緩和の継続に資する諸措置”として、日銀適格担保の拡充や、成長基盤強化支援資金供給の利便性向上と利用促進(新規貸付の実行日の期限の延長等)、国債補完供給(金融機関の求めに応じて保有する国債を一時的に金融機関に供給)の要件緩和を決めるとともに、日銀が保有する株価指数連動型上場投資信託(ETF)を市場参加者に一時的に貸し付けることを可能とする制度の導入を検討するとしました。

日銀適格担保の拡充では、「企業債務の信用力要件をA格相当以上の格付けを取得していること」から、「BBB格相当以上の格付け」に基準が緩和されたことを受け、BBB格の社債の需要が強まることも想定されます。

▣ 出口が見えない中、強力な金融緩和が続くことに

欧州中央銀行(ECB)は、フォワードガイダンスで利上げ時期について「少なくとも2019年末までは政策金利を現状水準に据え置く」としています。日銀の今回のフォワードガイダンスの変更は、ECBの金融政策運営に近づけた格好です。もっとも、ECBについては利上げ観測が大幅に後退していますが、今のところ次の金融政策の変更は利上げとの見方になっています。利上げへの警戒がくすぶる状況では、利上げ時期が先送りされると、市場に安心感が広がりますが、日銀の場合には利上げは全く警戒されておらず、今後“2020年春ごろまで”という時間軸が先延ばしされても、市場に与える安心感は限定的になりそうです。

超低金利の長期化に伴う金融機関の収益悪化で、貸し出しが抑制され景気が下押しされるなどの、強力な金融緩和の副作用への警戒から、マイナス金利の解除などへの期待も一部にはあるものの、現在の強力な金融緩和を粘り強く続けていく姿勢は変わらないようです。

もっとも、日銀は4月19日の国債買入れオペで、残存期間10年超の買入額を減額し、長期債、超長期債の利回り低下を抑制する姿勢を示しました。国内の金利はしばらく、低位の狭いレンジでの動きが継続しそうです。

図表入りのレポートはこちら

http://www.skam.co.jp/newest_report/contents_type=9&type=env

 

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