第4次産業革命-成功の条件

2016/01/26

経済と政治の混乱の中で

金融市場では、上下に変動しやすい相場がしばらく続きそうです。世界中の金融緩和に頼ってきた市場の危うさが、些細なことで表れやすくなっているからです。こうしたときには毎日の変動に一喜一憂しがちです。しかし表面的な動きに反応するだけでなく、歴史の大きな流れを深く考えることが必要です。

ちょうどよいタイミングで、今月20日からの4日間、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)が開かれました。世界の課題を話し合うため、各国における政治・経済界のリーダーが集うイベントです。

日本からは黒田日銀総裁のほか、「職務を全う」すべく甘利経済再生担当大臣が参加しました。そこでも大臣の「ネガティブな報道」が話題になりましたが、ダボス会議のテーマはもっと高尚なことです。

日本への福音

今回の主要テーマは、「第4次産業革命をマスターする(うまく使う)」というものです。18世紀後半に最初の産業革命が始まったあと、今、第4次産業革命が起こりつつあると言われています。

新しい革命を代表するのは、人工知能(AI)やこれを用いたロボットです。それらにより、人間だけができると考えられていた知的な営み(経験に基づく分析・推論など)が機械化されつつあります。

それが人々の生き方や働き方、企業の事業戦略に及ぼす影響は甚大です。たとえば、AIやロボットでもできる仕事(たとえば経済分析?)は、わざわざ人間が行う必要はない、となっていくはずです。

人口が減る日本には福音でしょう。より多くの人がより長く働くのがよい、とは言えなくなるのです。

よって、アベノミクスのもとで人間の仕事が増えたと単純には喜べません。仕事はできる限りAIやロボットに任せ、人間は余暇を増やすことが大切、といった考え方に変えていくべきかもしれません。

62人 >36億人

ただし、第4次産業革命はバラ色の未来を約束しません。たとえば、ロボットを使った大戦争が起こるかもしれません。また、仕事の機械化に伴う弊害はないか、との古典的な問題を突きつけられます。

懸念されるのは、所得格差のさらなる拡大です。すべての仕事がAIなどに取って代わられるわけではないからです。何より、AIにかかわる研究者が必要でしょう。一方、低賃金の単純労働も完全にはなくなりません。機械よりも賃金の方が安いと判断されれば、経営者は人間を雇うことを選ぶからです。

世界の格差については、ダボス会議の開催に合わせ、オックスファムという国際団体が衝撃的なレポートを出しました。資産額に関し、上位62人が下半分(約36億人)を追い越したというのです。

格差は、社会を不安定にします。貧困は、人権を阻害します。それを不当だと判断し、税制や教育で是正する決断を下せるのか。そのような善悪の判断や決断だけは、AIの能力を超えています。つまり、第4次産業革命が輝ける未来をひらくかどうかは、政策当事者など人間の道徳感覚にかかっています。

 

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